Project/Area Number |
20K08737
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 54010:Hematology and medical oncology-related
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
森島 聡子 琉球大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (40463195)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
益崎 裕章 琉球大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (00291899)
椎名 隆 東海大学, 医学部, 教授 (00317744)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2022: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
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Keywords | 成人T細胞白血病リンパ腫 / HLA / 個別化免疫療法 |
Outline of Research at the Start |
難治性の血液がんである成人ヒトT細胞白血病リンパ腫(ATLL)の治癒を目指して同種造血幹細胞移植や免疫療法が行われるが、その効果は限定的である。HLAは免疫応答に重要な分子であり、がん細胞に生じるHLA遺伝子異常は免疫回避と関連する。ATLLに生じるHLA遺伝子異常が同種造血幹細胞移植や免疫療法に影響を及ぼすことが推測されるが、明らかにされていない。 本研究はHLAに焦点を当て、高精度のHLA解析法でHLA遺伝子全領域のDNA解析、RNA発現解析を実施する。臨床情報を統合して予後層別化を行い、ATLLのHLA遺伝子異常に基づいた個別化免疫療法の可能性を探る。
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Outline of Annual Research Achievements |
成人T細胞白血病リンパ腫(ATLL)は、最も難治の血液がんの一つであり、同種造血幹細胞移植が治癒を目指せる唯一の治療法と期待されている。 患者ごとに生じる遺伝子異常は異なり、特にHLA領域の遺伝子異常を正確に把握することは難しい。本研究は個々の患者の腫瘍細胞でのHLA遺伝子異常に基づき、HLA拘束性T細胞による免疫効果で層別化し、最も有効な治療を選択する個別化免疫療法の可能性を探ることを目的とした。 ATLLの末梢血より腫瘍細胞と非腫瘍細胞の各分画からDNAを抽出し、long-range PCR法を用いてHLA-A, -B, -C, -DRB1, -DQA1, -DQB1, -DPA1, -DPB1遺伝子全領域の解析を行い、ATLL細胞に生じるHLA遺伝子異常の概要を明らかにした。急性型ATLでは高率にHLA遺伝子のloss of heterozygosity (LOH)もしくは非同義置換・挿入/欠失などタンパク質の構造に影響を及ぼす変異の存在を認めた。ゲノムでHLA class I遺伝子に異常を認めた症例のHTLV-1感染CD4+ T細胞におけるHLA class I分子の発現は、異常を認めない症例と比較して有意に低下していた。 HLA class II (HLD-DR)の発現は、HTLV-1キャリア、インドレントATL、アグレッシブATL で解析を行なった。HTLV-1感染CD4+ T細胞は非感染CD4+ T細胞に比べてHLA-class IIの発現は高かった。アグレッシブATLは、HTLV-1キャリアとインドレントATLに比べて発現は有意に低いことが判明し、病期進行に伴い、HLA class II遺伝子発現が低下すると考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
ATLに生じるHLA遺伝子異常を詳細に解析し、HLA class I遺伝子異常が高頻度に起きること、HLA class I遺伝子異常が生じた症例では細胞表面上でのHLA class I分子の発現が低下していることを明らかにして英文論文として報告したが、HLA class IIの遺伝子解析やRNAの発現解析が予定よりも遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
多数例でのHLAの遺伝子異常及びRNAの発現解析を実施し、移植成績など臨床情報との関連性を検討し、HLAの情報のバイオマーカーとしての有用性を検討し、英文論文として報告する。
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