microRNA機能解析によるパクリタキセル耐性機序の解明と不応性の克服
Project/Area Number |
20K08971
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 55010:General surgery and pediatric surgery-related
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Research Institution | Osaka Medical and Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
木村 光誠 大阪医科薬科大学, 医学部, 講師 (20623846)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
谷口 高平 大阪医科薬科大学, 医学部, 講師 (70779686)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
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Keywords | microRNA / パクリタキセル耐性株 / ABCB1 / 抗癌剤耐性 / miRNA / パクリタキセル / 乳癌細胞株 |
Outline of Research at the Start |
進行再発乳癌は、ホルモン療法、化学療法、分子標的治療、放射線治療などの集学的治療を用いても依然として予後不良である。その原因として、化学療法耐性獲得による奏功性の低下が挙げられる。この問題を克服するためには、化学療法耐性獲得の機序をより詳細に解明する必要がある。そこで、本研究では乳癌パクリタキセル耐性株におけるmicroRNA(miRNA)の発現プロファイルに着目し、化学療法耐性機序を明らかにし、進行再発乳癌の予後改善に向けた検討を実施する。本研究によりパクリタキセル不応性乳癌患者に対するmiRNA創薬の有用性および、サロゲートマーカーとしての有用性を確立する研究へと進展させる。
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Outline of Annual Research Achievements |
進行再発乳癌は集学的治療を用いても、依然として予後不良である。原因として、化学療法薬耐性獲得による奏功性の低下がある。本研究では、乳癌化学療法で頻用するタキサン系薬剤Paclitaxel(以下PTX)の薬剤耐性機序をmicroRNA(miRNA)の発現変化から解明する。 本研究で使用する細胞はMCF-7(親株)、MCF-7/PTXR(PTX耐性株)である。予備実験でMCF-7とMCF-7/PTXRに対し、miRNAの次世代シーケンス解析を実施し、miRNAの挙動を網羅的に解析した。また、MCF-7/PTXRにおいて、PTXの細胞外排出を行うP糖タンパクであるABCB1の発現亢進も認めており、ABCB1を標的とするmiRNA群の機能解析も行った。 Webデータからは、miRNA-455-3pがABCB1に結合することが示唆された。網羅的解析の結果、miRNA-455-3pはPTX耐性株で有意に発現が抑制されていたため、このmiRNAに焦点を絞ることとした。miRNA-455-3pを耐性株に導入すると、PTXに対するIC50の改善とABCB1のタンパク発現低下を認めた。これより、miRNA-455-3pがABCB1の翻訳抑制を介して、PTXに対する耐性を一部解除している可能性が示唆された。また、miRNA-455-3pの発現低下によりABCB1の発現が亢進し、PTX耐性に関与している可能性がある。 次に、miRNA-455-3pとABCB1の結合性を検証するために、ABCB1の相補塩基配列部位を組み込んだプラスミド(野生型)と、相補塩基配列部位に変異を組み込んだプラスミド(変異型)を作製し、Luciferase Reporter Assayを行った。野生型ではABCB1の発現が抑制され、変異型では発現が抑制されなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
MCF-7/PTXRにおいて、miRNA-455-3pとABCB1、PTX耐性との関連性を検証できたため、さらに別の細胞でも同様の結果が得られるか検証している。 親株にmiRNA-455-3p inhibitorを導入した検証では、同結果は得られなかった。親株はもともとABCB1の発現が少ないため、miRNA inhibitorを導入した場合の変化が捉えにくかった可能性を考えている。そこで、親株を用いた検証にはABCB1過剰発現プラスミドを作製し、さらに検証を重ねたが、思うような結果は得られなかった。ひとつの細胞にmiRNA、過剰発現プラスミド、PTXと導入するものが多く、実験系として限界だった可能性を考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
もともとABCB1発現の高い乳癌細胞株DU4475を用いて、miRNA-455-3pとPTX耐性の関連性を同様に検証する。それと同時に、乳癌細胞株に限らず、他の癌種のPTX耐性株を用いて、miRNA-455-3pとABCB1、PTX耐性との関連性を検証する。さらに、NGSで同定されたPTX耐性株で発現が上昇したmiRNAに関しても機能を解析する計画である。
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Report
(3 results)
Research Products
(5 results)