Project/Area Number |
20K08995
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 55010:General surgery and pediatric surgery-related
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Research Institution | Nippon Medical School |
Principal Investigator |
杉谷 巌 日本医科大学, 大学院医学研究科, 大学院教授 (50465936)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石橋 宰 大阪公立大学, 大学院農学研究科, 准教授 (70293214)
軸薗 智雄 日本医科大学, 医学部, 准教授 (10465312)
吉田 有策 東京女子医科大学, 医学部, 助教 (80722876)
呉 壮香 日本医科大学, 医学部, 助教 (40617792)
長岡 竜太 日本医科大学, 医学部, 講師 (90763235)
眞田 麻梨恵 日本医科大学, 医学部, 助教 (80809541)
銭 真臣 日本医科大学, 医学部, 助教 (00838633)
數阪 広子 日本医科大学, 医学部, 助教 (90838632)
松井 満美 日本医科大学, 大学院医学研究科, 研究生 (30838644)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
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Keywords | 甲状腺乳頭癌 / 過剰診断・過剰治療 / アクティブ・サーベイランス / 患者報告アウトカム研究 / 特性不安・状態不安 / 分子マーカー / 微小癌 / バイオマーカー / 患者報告アウトカム / 過剰治療 |
Outline of Research at the Start |
無症候性の甲状腺微小乳頭癌の治療は過剰診療の恐れがあり、症例を適切に選択したうえでの非手術経過観察も新しい管理方針として認められつつある。 本研究では、①微小癌の進行のリスクを正確に予測するための分子マーカーの同定を目指すとともに、②日本人甲状腺癌患者を対象とした患者報告アウトカム研究を行い、経過観察を選択する患者のQOLを通常手術や低侵襲の内視鏡手術と横断的・縦断的に比較する。これにより、今後も増え続けることが予想される微小癌患者にさらに精緻なオーダーメイド治療を提供できるとともに、患者特性に応じた個別のShared decision makingによる治療選択を支援することができる。
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Outline of Annual Research Achievements |
低リスク微小乳頭癌の過剰治療予防策として提唱された積極的経過観察(Active surveillance:AS)について、治療を受ける患者側の視点から健康関連QOLを評価した患者報告アウトカム(Patient-reported outcome: PRO)研究を行った。本研究はすでにASまたは手術を受けている患者を対象とする横断研究部分と、新しく低リスク微小乳頭癌と診断された患者を対象とする縦断研究部分から成る。 横断研究部分について、1995年から2019年までに低リスク微小乳頭癌の診断を受け、管理継続中の患者に対するPRO評価を行った。管理方針はAS249例、手術32例であった。包括的QOL評価尺度としてSF-36v2、疾患特異的QOL尺度としてVisual Analog Scale、不安尺度として新版STAIを用いた。手術群に比較してAS群は特性不安が低く、メンタルヘルスも有意に良好であった。さらに、AS群における状態不安は特性不安が低く、経過観察期間が長いほど良好であることが示された。 縦断研究は2020年4月より開始し、約200例の患者を登録した。最新の解析によると、管理方針決定後2年以上経過観察したAS患者(50例)および即時手術患者(20例)において、AS患者は意思決定時における特性不安と状態不安が有意に低かった。両群ともに80%以上の患者がshared-decision makingを主体的に行ったと回答した。また、管理開始後2年での状態不安は両群で改善していた。とくにAS群においては特性不安が低い患者、説明を行った医師の経験値が長い例で2年目の状態不安が低かった。これらの研究により、今後も増え続けることが予測される低リスク微小乳頭癌患者の意思決定において非常に有用なエビデンスが確立できた。縦断研究は今後も継続を予定しており、統計学的パワーも増強される見込みである。
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