Regulation of colorectal cancer metastasis by fatty acid remodeling enzymes involved in glycerophospholipid metabolism
Project/Area Number |
20K09066
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 55020:Digestive surgery-related
|
Research Institution | Teikyo University |
Principal Investigator |
佐々木 洋子 帝京大学, 薬学部, 講師 (90324110)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山下 純 帝京大学, 薬学部, 教授 (80230415)
佐々木 紀彦 地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(東京都健康長寿医療センター研究所), 東京都健康長寿医療センター研究所, 研究員 (80639063)
|
Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
|
Budget Amount *help |
¥4,420,000 (Direct Cost: ¥3,400,000、Indirect Cost: ¥1,020,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2020: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
|
Keywords | がん転移 / リン脂質 / 大腸がん / 質量分析 |
Outline of Research at the Start |
ホスファチジルコリン(PC)やホスファチジルエタノールアミン(PE)の生合成が、がん細胞の増殖に関与することが報告されているが、転移との関わりは未解明である。研究代表者らは、肝臓に転移しやすいマウス大腸がん細胞株では、数種類のリゾリン脂質アシル転移酵素遺伝子の発現量が低いことを発見した。これらの酵素は、PCやPEの脂肪酸リモデリングに関与することが知られている。本研究では、これらの酵素が大腸がんの肝転移をどのように制御しているか、細胞レベルとマウスの個体レベルで解明することを目指す。本研究により、難治性の転移性大腸がんに対し、新規の治療法を開発するための基礎研究基盤が確立されると期待される。
|
Outline of Annual Research Achievements |
研究代表者らは大腸がんの肝転移とグリセロリン脂質の生合成との関連について、特にホスファチジルコリン (PC) やホスファチジルエタノールアミン (PE) の脂肪酸リモデリングに関わる酵素に着目して研究している。 これまでに、マウスの大腸がん細胞株からin vivo選択により作製した肝高転移株と親株を用いて、PCやPEの脂肪酸リモデリングに関わるリゾリン脂質アシル転移酵素遺伝子の発現量を比較した。その結果、一部のリゾリン脂質アシル転移酵素の発現量に有意差が認められ、PCやPEの量的な変化や、脂肪酸組成などの質的な変化が、大腸がんの肝転移を制御している可能性が考えられた。 また、PCおよびPEを質量分析(LC-MS/MS)により測定する系を確立し、マウスおよびヒトの大腸がん細胞株において、高転移性の亜株と親株を比較した。その結果、PCやPEの特定の分子種に差異が認められることが分かった。また、ヒトがん組織における遺伝子発現と予後に関するデータベース解析により、特定のリゾリン脂質アシル転移酵素の発現と予後との間に相関がみられることが分かった。これらの結果は、PCやPEの脂肪酸リモデリングが、ヒトにおいてもがんの悪性進展と関連することを示唆している。 今後は、特定のリゾリン脂質アシル転移酵素に特異的な阻害剤で処理した細胞株や、特定のリゾリン脂質アシル転移酵素遺伝子をノックダウンした細胞株などを用い、PCやPEなどの質量分析や、in vitroにおける細胞の増殖・運動・浸潤特性の解析、動物モデルにおける転移性などの解析を行う予定である。 本研究の成果は、PCやPEの生合成および脂肪酸リモデリング酵素を標的とした、転移性大腸がんに対する新規治療戦略の開発につながるものと期待される。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
酵素遺伝子の発現を改変した細胞株などを用い、in vitroでの細胞の特性を解析する実験は、当初の計画では2021年度までに終了している予定であったが、2022年度も終了しなかった。そのため「(4) 遅れている」と判断した。
|
Strategy for Future Research Activity |
特定のリゾリン脂質アシル転移酵素遺伝子のノックダウンや強制発現を行った細胞株などで、in vitroにおける細胞の増殖性、運動性、浸潤性、in vivoにおける転移性などの解析を行う。 また、リゾPCやリゾPEについても、質量分析(LC-MS/MS)による測定系を確立し、上述の細胞株のPCやPE、リゾPCやリゾPEなどの脂質の量的、および質的な変化を詳細に解析する。これにより、特定の酵素遺伝子の発現とPC、PE、リゾPC、リゾPEの量的・質的な関係を明らかにする。 必要に応じて受託解析なども利用し、他の関連するリン脂質などについても調べ、がん細胞のin vitroにおける特性との関連を明らかにする。
|
Report
(3 results)
Research Products
(8 results)