Project/Area Number |
20K09146
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 55030:Cardiovascular surgery-related
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Research Institution | Juntendo University (2022-2023) Shiga University of Medical Science (2020-2021) |
Principal Investigator |
木下 武 順天堂大学, 医学部, 先任准教授 (90437161)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2022: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,950,000 (Direct Cost: ¥1,500,000、Indirect Cost: ¥450,000)
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Keywords | ナルディライジン / 血管平滑筋 / 血管 |
Outline of Research at the Start |
NRDCが多彩な生物学的作用、疾患における重要性を有することがわかっているが、血管平滑筋Gタンパク質共役受容体のEGFRトランス活性化経路における意義はまだ不明である。我々はマグヌス管によるex-vivo実験で血管平滑筋特異的NRDC欠損マウス由来血管がα1b受容体刺激による収縮反応を全く認めないことを発見した。本研究では、NRDCがα1b受容体依存性の血管収縮反応に必須であるという重要な予備データを基盤として、NRDCのGPCR-EGFRトランス活性化経路における意義、そして血管生理、動脈硬化、動脈瘤など病態における意義を解明し、シェディングを標的とした新たな治療法の開発につなげたい。
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Outline of Annual Research Achievements |
この研究では、血管平滑筋細胞(VSMC)におけるナルディライシン(NRDC)の役割を検討している。ナーディリシンはM16ファミリーのメタロプロテアーゼで、以前の研究でNRDCの全身的なノックアウトマウスが低血圧を示すことが報告されていた。本研究ではVSMC特異的なNRDCノックアウト(VSMC-KO)マウスを作成し、これらのマウスもまた低血圧を示すことを確認した。 研究結果から、VSMC-KOマウスはフェニルエフリンに対する収縮応答が弱まり、ミオシン軽鎖2のリン酸化とrhoAの発現が低下していることが観察された。さらに、VSMCから分離した細胞では、α刺激薬による細胞内カルシウム濃度の増加が抑制されていた。これらの発見は、VSMCにおけるNRDCが血管の収縮と血圧をカルシウム動態を調節することで制御していることを示している。 この研究ではNRDCの欠損がVSMCの遺伝子発現に与える影響を詳細に分析し、特に血管平滑筋収縮に関連する遺伝子セットが低下していることがRNAシーケンシングにより明らかになった。これらの結果から、NRDCが核内の転写コアレギュレーターとして機能し、VSMCの収縮を調節する遺伝子の発現を制御している可能性が示唆される。 この研究はNRDCがVSMCの機能に重要な役割を果たしていることを示し、血圧調節メカニズムの新たな標的としての可能性を開く。今後の研究によりNRDCのカルシウム動態における具体的な役割や、病態生理学的な状況でのその機能の詳細がさらに解明されることが期待される。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
マウスから摘出した血管の張力検査を行うための実験系の構築に時間を要したため。
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Strategy for Future Research Activity |
概要に記載した成果を英文論文として発表することができた。2024年後は本研究で明らかになった新たな疑問点を解決するための実験を行っていく。
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