人工知能とメタボローム解析を用いた肺癌の新規診断方法の開発
Project/Area Number |
20K09171
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 55040:Respiratory surgery-related
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Research Institution | Tokyo Medical University |
Principal Investigator |
梶原 直央 東京医科大学, 医学部, 教授 (70343514)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
杉本 昌弘 東京医科大学, 医学部, 教授 (30458963)
池田 徳彦 東京医科大学, 医学部, 主任教授 (70246205)
垣花 昌俊 東京医科大学, 医学部, 准教授 (90366112)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
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Keywords | 人工知能 / メタボローム解析 / メタボローム |
Outline of Research at the Start |
肺癌において単一マーカーあるいは数個のマーカーの組み合わせだけでの病態評価や治療効果予測には限界があり、より多くの生体情報を活用して個々の病態を個別に評価できる指標開発が必要である。特に肺癌の術後補助および再発・転移治療の決定には、癌の多様性を正確に評価した個々の特徴と治療方針が重要となる。 肺癌患者に特異的な代謝変化をプロファイリングし、機械学習(人工知能)によりそのパターンの解析を行い、臨床情報も加味して統合的な疾患評価の数理モデルの開発を行うことで、人工知能とメタボローム解析を用いた肺癌の新規診断方法の開発を行っていく。
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Outline of Annual Research Achievements |
肺がんの早期発見のためには、高精度で低侵襲なスクリーニング方法の開発が必須である。本研究では、低侵襲に採取可能な体液(血液等)でマーカー探索を実施することを目的とする。しかし、単に体液を測定するだけでは、莫大な症例数の比較を行わなければ肺がん特異的な物質に絞り込むことは難しい。このため、手術時に採取した組織検体も解析し、組織で起きている代謝異常と整合性がとれるマーカーを絞り込むことを行う。更に、複数のマーカーを組みあわせて、機械学習(人工知能)を用いて精度の高い検査を開発する。単なる体液の網羅的な解析だけでなく、組織検体との比較や、様々な臨床情報との解析を行うことで、肺癌を早期に検出だけでなく、個人差の違いも解析する。将来的に個人ごとに必要な治療方針を予測する「先回り医療」のシステムを確立する基礎的な研究を実施する。これまでの研究成果としてはメタボロームの測定定量データを用いて、疾患部位と非疾患部位の違いを、単独分子の統計だけでなく複数分子の変化の傾向をえるためにPathway解析を実施した。解糖系の更新や、アミノ酸代謝の変化など、既存の研究と一致する傾向を確認しつつ、報告のない代謝物も含んでマーカーの候補となる物質を絞り込んだ。また、Java言語で記載された機械学習のライブラリwekaを導入し、Python言語からこのライブラリを呼び出せる仕組みを構築し、機械学習のプログラムを、オプションを変えながら連続的に動かせる仕組みとした。データをランダムに分割してモデルの学習と評価を行うクロスバリデーションを実施しつつ、モデルのオプションを網羅的に変えて、複数分子の組み合わせモデルの学習と評価を実施した。多重ロジスティック回帰モデルと決定木を複数組み合わせた方法にて本手法の実装と試験を実施した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
これまでにキャピラリー・電気泳動質量分析装置(CE-MS)による水溶性物質の網羅的解析と、ポリアミン類の液体クロマトとグラフィー・質量分析装置(LC-MS)による高感度な測定により、幅広いPathway上の代謝物を定量した。ポリアミン類も水溶性代謝物ではあるが、CE-MSの前処理時に遠心する素材に吸着して回収率が低下するために、これらの処理を必要としないLC-MSの方法を採用した。組織検体と体液検体の間で整合性のとれる変化をした物質を絞り込み、alternatie decision tree(定量的決定木)を用いた識別モデルの開発も行った。評価試験はクロスバリデーションを実施し、汎化能力の評価も実施した。 2022年度は機械学習(人工知能)の学習に大部分時間を要し、途中で予後等の臨床データも追加されたことで、研究成果の論文執筆まで実施できなかったことが「遅れている」を選択した理由である。2023年度は、解析によってマーカーの候補となるものは評価分析試験を追加して再現性を確認するとともに、データ解析を終了させ、研究成果の発表行う予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
現在、測定したデータの解析を実施し、論文執筆を進めている。例えば、腫瘍部は既知の遺伝子情報(ALK, EGFR, K-ras, Her-2など)を調べ、これらの情報によって、代謝物マーカーの候補となった物質がどのような影響を受けるのかを調べた。また、予後のデータも収集し、組織検体の中でみられている代謝の異常が予後を予測しうるか等も解析している。個々の分子のマーカーを1つの変数として、機械学習と組み合わせるだけでなく、Pathway単位での変動を1変数として、識別能力があげられないかなど様々な手法やデータの扱い方を変えながら、精度のよい数理モデルを開発することを行う。
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Report
(3 results)
Research Products
(13 results)