Project/Area Number |
20K09220
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 55050:Anesthesiology-related
|
Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
関野 元裕 長崎大学, 病院(医学系), 准教授 (40380927)
|
Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2023)
|
Budget Amount *help |
¥4,420,000 (Direct Cost: ¥3,400,000、Indirect Cost: ¥1,020,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2020: ¥2,080,000 (Direct Cost: ¥1,600,000、Indirect Cost: ¥480,000)
|
Keywords | 小腸粘膜細胞傷害 / 末梢循環不全 / 敗血症性ショック / 心臓手術 / エンドトキシン吸着療法 / 輸液管理 / 腸管虚血 / 輸液 / 人工心肺下心臓手術 / 敗血症 / 多臓器不全 / 死亡率 / 危険因子 |
Outline of Research at the Start |
本研究は、臨床研究と動物実験から構成される。臨床研究では、人工心肺下心臓手術患者を対象として、1)小腸粘膜細胞傷害誘発因子(人工心肺時間、心拍出量、末梢血管抵抗、血管収縮薬の使用など)の同定、2)小腸粘膜細胞傷害と免疫不全の関連の解明を行なう。一方、動物実験では、ブタ敗血症性ショックモデルを用いてwarm shockとcold shockの2つの病態を作成し、それぞれにおいてノルアドレナリン、バソプレシンなどの血管収縮薬が腸管血流や小腸粘膜細胞に与える影響を検討する。
|
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、以下の3つの研究を実施しその成果を報告した。 ①維持透析施行中の人工心肺下心臓手術患者における小腸粘膜細胞傷害と予後の関連を明らかにした(Sekino M, et al. J Surg Res 2020)。人工心肺時間(低灌流時間)の延長、ノルアドレナリン使用量の増加など小腸粘膜細胞傷害に関連する因子として示唆された。 ②敗血症性ショック患者を対象とした臨床研究では、小腸粘膜細胞傷害の合併は治療開始後早期の輸液バランスと関連があることを示した(Yokoyama H, Sekino M, et al. BMC Anesthesiology 2021)。敗血症性ショック患者の予後改善には、個々の患者に合わせた最適な輸液戦略が必要であり、小腸粘膜細胞傷害は輸液必要量に影響する因子となることを明らかにした。 ③斑状皮膚、capillary refill timeの延長などの末梢循環不全が腸管血流低下や腸管虚血(小腸粘膜細胞傷害)の代替指標となること、また予後悪化に関連することが近年報告されている。しかし、末梢循環不全を改善させる方法は確立されていない。敗血症性ショック患者の循環管理では、ノルアドレナリンやバソプレシンなどの血管収縮薬が用いられるが、末梢循環不全を呈した症例におけるこれらの薬剤の使用は本来非合理的である。そのため血管収縮薬の減量に有益な作用をもたらすと報告されているエンドトキシン吸着療法(PMX-DHP)が、末梢循環にどのような影響を与えるか後ろ向きに調査した。末梢循環は、pulse-amplitude index (PAI)で評価した。PMX-DHP開始後、PAI<1の末梢循環不全症例において有意にPAIを改善してしていた(Sekino M, et al. Sci Rep 2023)。PMX-DHPは末梢循環不全を改善する有用な介入となる可能性が示唆された。
|