抗腫瘍血管新生薬新規創薬のためのiPS細胞などを用いたドラッグリポジショニング
Project/Area Number |
20K09320
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 56010:Neurosurgery-related
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
高柳 俊作 東京大学, 医学部附属病院, 特任講師(病院) (90406489)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,950,000 (Direct Cost: ¥1,500,000、Indirect Cost: ¥450,000)
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Keywords | 腫瘍血管新生 / iPS細胞 / ドラッグリポジショニング |
Outline of Research at the Start |
研究代表者(高柳)は、有望ながん治療の標的である腫瘍血管新生が旺盛な血管芽腫の統合的ゲノム解析を行ってきた。(Takayanagi S et alNeuro Oncol 2017) また、当科のVHL病症例などからVHL病特異的iPS細胞を樹立し、そこから、血管芽腫の細胞モデル作成にも関与した。本研究では、まず、血管芽腫検体・モデル細胞の更なる網羅的ゲノム解析を行い、腫瘍血管新生の原因遺伝子異常の探索を行う。次に、血管芽腫モデルに対して、東京大学創薬機構の化合物ライブラリーを用いて、ドラッグリポジショニングを行う。以上より、新規の腫瘍血管新生抑制療法を構築する事が、本研究の最終目標である。
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Outline of Annual Research Achievements |
研究代表者(高柳)は、有望ながん治療の標的である腫瘍血管新生が旺盛な血管芽腫の統合的ゲノム解析を行ってきた。(Takayanagi S et al Neuro Oncol 2017)また、当科のVHL病症例などからVHL病特異的iPS細胞を樹立し、そこから、血管芽腫の細胞モデル作成にも関与した。本研究では、まず、血管芽腫検体・モデル細胞の更なる網羅的ゲノム解析を行い、腫瘍血管新生の原因遺伝子異常の探索を行う。次に、血管芽腫モデルに対して、東京大学創薬機構の化合物ライブラリーを用いてドラッグリポジショニングを行う。以上より、新規の腫瘍血管新生抑制療法を構築する事が、本研究の最終目標である。 2020年度は、当院の血管芽腫16手術検体を用いて、VHL遺伝子のintron部分を含んだtarget sequenceを主に行った。 2021年度では、当院の血管芽腫瘍20検体を用いて、網羅的メチル化解析も行った。この際、メチル化データでコピー数解析を行うと、コピー数異常の蓄積が悪性転化に関与している可能性が示された。 2022年度では、網羅的メチル化データを用いて、血管芽腫のクラスタリング解析を行った。そこでは、血管芽腫は3つのグループに分かれる可能性がある事がわかった。現在はグループごとの特徴は何かを調べるために実際の臨床データなどを用いて解析を行っている。 このように、本研究で得られた血管芽腫検体の網羅的メチル化解析データと、当院の血管芽腫80症例の臨床データを統合的に解析することで、腫瘍血管新生の更なる病態解明に努める予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
本研究では、まず、血管芽腫検体・モデル細胞の更なる網羅的ゲノム解析を行い、腫瘍血管新生の原因遺伝子異常の探索を行う予定であった。最近の研究におい て、VHL遺伝子の本来intronと思われる部分に病的な変異が見つかる事が報告された。(Marion et al.blood,2018) そのため、当院の血管芽腫16手術検体を用い て、VHL遺伝子のintron部分を含んだtarget sequenceを主に行った。多くの症例で、VHL遺伝子のexon部分の変異を認めたが、intron部分の変異は認めず、未だに有力な新規原因遺伝子候補が得れていない状況であり、研究の進捗状況としては遅れているといえる。しかし、2021,2022年度は、血管芽腫検体に対して網羅的メチル化解析を追加して行った。その際、コピー数異常の変化が悪性転化に関与している可能性があること、血管芽腫では3つのグループに分かれる可能性があることなどが示されて、新たな知見も見出されている。
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Strategy for Future Research Activity |
上記の進捗状況でも述べたように、腫瘍血管新生の原因遺伝子異常の探索を行っているが、未だに有力な新規原因遺伝子候補が得られていない状況である。原因の一つとして、血管芽腫の腫瘍率の低さがあるかと思われる。今回のTarget sequenceを行った事で、血管芽腫の腫瘍率が大変低い事がわかった。今後は、全ゲノム解析を行う事で新規原因遺伝子異常を探索する必要があるが、腫瘍率が低いので探索はやはり困難を要すると思われる。予算がゆるせば、本来はシングルセル解析が必要と思われる。現在、本研究で得られた血管芽腫の網羅的メチル化解析データと、当院の血管芽腫80症例の臨床データを統合的に解析することで、腫瘍血管新生の更なる病態解明に努めたいと考えている。
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Report
(3 results)
Research Products
(24 results)