Project/Area Number |
20K09420
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 56020:Orthopedics-related
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Research Institution | Hyogo Medical University |
Principal Investigator |
寺田 信行 兵庫医科大学, 医学部, 名誉教授 (50150339)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山田 直子 兵庫医科大学, 医学部, 講師 (10319858)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
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Keywords | IL-18 / 骨肉腫 / 転移 / CXCL9 / CXCL10 / インターロイキン18 |
Outline of Research at the Start |
日本人の死因の1位はがんであり、がんの制圧が悲願であるが道のりは遠い。その理由は、がんの発生・進展、がんの殺傷機構に対する科学的理解が不十分なことによる。IL-18は炎症性サイトカインとして本学で発見され、その後世界中の研究者によってその生理的意義や病理的意味について調べられ、最近本学でも非常に重要な発見、すなわち生体の恒常性維持といった生命機能に重要な役割を担っていることが示された。本研究ではがんに対するIL-18の抑制性シグナルに関して、その作用性を精査し生理的意義の一端を詳らかにするものである。これらの研究成果は、実臨床でがん治療に活かされ、基礎的には生命維持の神秘の謎に迫るものである。
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Outline of Annual Research Achievements |
IL-18は感染防御や抗腫瘍効果など様々な生理作用を持っており、生体恒常性の維持に重要な役割を担っていることが明らかになってきている。我々はIL-18の抗腫瘍効果に着目し研究を進めてきた。IL-18はがん細胞の増殖を抑制するよりもがん転移を抑制する作用が強く見られたので、IL-18のもつがん転移抑制作用に注目し、肺転移が予後を左右する骨肉腫を用いて研究を行っている。これまでにNK細胞とT細胞の増殖・活性化による機序以外に、IL-18投与されたマウスの血清中に誘導されたがん転移抑制シグナルが存在することを見つけた。抗体アレイを用いて血清中に存在するがん転移抑制シグナル因子を複数検出し、最もシグナルが強かったのはCXCL9とCXCL10だった。本研究ではCXCL9とCXCL10がIL-18誘導制がん転移抑制因子としての真偽を確かめ、それらの因子の作用機序を明らかにする。 さらに、IL-18は宿主に作用してがん転移抑制シグナルを産生していることから、我々が提案するIL-18による宿主のがんが”転移しにくい環境作り” という新たな概念の妥当性検証と、その実行におけるIL-18の役割を証明し、その生理的意義を明らかにする。 CXCL9とCXCL10はIL-18と同様にマウス骨肉腫細胞(LM8)に直接効果を示さなかった。マウスの尾静脈から注入したLM8は24時間後には毛細血管から滲出して肺胞内に到達していたが、IL-18を事前に投与しておくと肺胞に到達しているLM8が減少した。そこで転移の過程で重要な血管内皮細胞とCXCL9やCXCL10との関連性を調べた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
マウス尾静脈から注入した骨肉腫細胞(LM8)は肺に転移するが、IL-18で事前に処置しておいたマウスでは転移が抑制された。そこでIL-18処置後にCXCL9やCXCL10の中和抗体を投与してLM8を注入したところ、CXCL10の中和抗体ではIL-18による転移抑制効果がキャンセルされた。CXCL9の中和抗体では抑制効果はキャンセルされず、CXCL9とCXCL10の中和抗体を同時に投与した場合でもキャンセルされなかった。LM8や血管内皮細胞株(b.end3, MS1, SVEC)にはCXCL9とCXCL10のレセプターであるCXCR3が発現しているが、血管内皮細胞株(b.end3, MS1, SVEC)の増殖は細胞腫により違いがあるがある程度抑制されていた。血管内皮細胞の遊走能をWound healing assayにより、血管新生能をBoyden chamberを用いた浸潤アッセイにより調べた結果、CXCL10で抑制されたが、CXCL9では抑制されなかった。またCXCL9又はCXCL10で前処置した血管内皮細胞にLM8を接着させた際にはCXCL10で強く接着が抑制された。そこで接着関連遺伝子の発現変化をRealTimePCRで解析したところ、インテグリンの発現が抑制されていた。
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Strategy for Future Research Activity |
マウスでの中和抗体の実験ではIL-18による転移抑制作用をCXCL10の中和抗体がキャンセルしたが、CXCL9の中和抗体は抑制作用をキャンセルしない上に、CXCL10の中和抗体のキャンセルする機能を消失させた。そこで中和抗体が機能しているのかどうかをマウスの血清中のCXCL9やCXCL10の濃度調べる。接着に関連する遺伝子の種類を増やしてCXCL9やCXCL10による発現変化をRealTimePCRを用いて調べる。またインテグリンなど変化のある遺伝子についてはWestern blotを用いて調べる。マウスの肺から血管内皮を単離して肺の血管内皮における接着因子の発現変化についても調べる。CXCL9やCXCL10の作用が明らかになったところで論文にまとめていく予定である。
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