Project/Area Number |
20K09464
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 56020:Orthopedics-related
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
福田 裕康 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 研究員 (90444984)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
橋谷 光 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 教授 (10315905)
中森 裕之 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 助教 (60824349)
三井 烈 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 講師 (90434092)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2020: ¥2,080,000 (Direct Cost: ¥1,600,000、Indirect Cost: ¥480,000)
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Keywords | 骨循環 / 栄養動脈 / セロトニン / 骨粗鬆症 / 内皮細胞 / 骨膜動脈 |
Outline of Research at the Start |
骨粗鬆症の発症およびその治療の有効性に関わる性差を、骨代謝機能を担う骨微小循環およびそれを担う骨血管の収縮機能制御から解明しようとする研究であり、骨微小血管を標的とした予防法、治療法確立の起点となる研究である。 骨循環障害が、骨深部を担う栄養動脈および表層を栄養する骨膜動脈のいずれの機能障害により深く関わるのかを明らかにし、それぞれの血管での責任血管レベルを探索する。さらに女性ホルモン低下モデル動物における血管の機能変化を調べ、「女性の骨粗鬆症の発症は、女性ホルモン低下による骨循環障害に起因する」との学術的問いを検証する。
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Outline of Annual Research Achievements |
骨粗鬆症の発症およびその治療に関わる性差を、骨代謝機能を担う骨微小循環に影響を与える骨血管の収縮制御機構から解明しようとする研究であり、骨粗鬆症の発症は女性ホルモン低下による骨循環障害に起因するとの問いを検証する。 生後6カ月に卵巣摘出術を行い、その6カ月後に骨密度が有意に減少した骨粗鬆症モデルとシャム手術を行ったコントロールモデルにおいて骨組織の血流を担う脛骨栄養動脈の収縮制御機構を検討した。骨粗鬆症モデルおよびコントロールモデルでは、若年期(3週齢モルモット)で観察された神経性収縮が減弱していたが、NO合成阻害薬による神経性収縮の増強が観察され、3週齢から1年齢に成長したことによりNOの関与が増大した。 U46619(トロンボキサンA2アゴニスト)は栄養動脈を持続的に収縮させた。U46619存在下でアセチルコリン、サブスタンスPは、骨粗鬆症モデル、コントロールモデルいずれにおいても同程度の弛緩をおこした。ニトロアルギンの前処置により、アセチルコリン、サブスタンスPによる弛緩は大きく減弱した。ジクロフェナクナトリウム(シクロオキシゲナーゼ阻害薬)の追加前処置により、骨粗鬆症モデルでアセチルコリン、サブスタンスPによる弛緩はさらに減弱した。このことは、骨粗鬆症モデルでは、シクロオキシゲナーゼを誘導することによるプロスタグランジンI2産生の増強とNO合成酵素を抑制することによるNOの減少を引き起こすことを示し、これらの変化が骨代謝に影響を与えることを示唆した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
骨密度が有意に変化する骨粗鬆症モデルの作成には、6カ月以上成熟したモルモットに卵巣摘出術を行い、その6カ月後から研究に適することがわかった。これらの結果から研究に用いるモルモットは1年齢以上必要であったが、当初は飼育ゲージの制限から十分な匹数を確保できなかった。若年期の雌モルモット脛骨栄養血管の神経性収縮は雄モルモットと異なり、明らかなセロトニン含有神経による支配が少ないが交感神経がセロトニンを取り込み神経伝達物質として機能させていたことがわかっている。この神経性収縮の特徴は1年齢である成熟した雌モルモットでも維持されていたが、骨粗鬆症モデルではこの交感神経にセロトニンを取り込む機能が消失していた。さらに内皮細胞を介した血管弛緩機構において、U46619(トロンボキサンA2アゴニスト)によって収縮した栄養血管はアセチルコリン、サブスタンスPで弛緩し、骨粗鬆症モデル・コントロールモデルとも同程度の弛緩だった。ニトロアルギニン存在下では、コントロールモデル、骨粗鬆症モデルとも弛緩が大きく減少したが、骨粗鬆症モデルではジクロフェナクナトリウム(シクロオキシゲナーゼ阻害薬)の追加投与により、さらに弛緩の減弱を認めた。 骨粗鬆症モデルにおいて、若年性の雌モデル・シャム手術を行ったコントロールモデルとの栄養動脈の収縮制御機構の変化を神経性収縮・内皮細胞依存性弛緩で認めたため、その関係性をさらに明らかにしたい。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度は、昨年度に得られた結果を検証し、例数を積み重ねることによって明らかな結果としたい。今までに得た、若年期モルモット脛骨栄養動脈の神経性収縮機構を基盤として、シャム手術を行った1年齢のコントロールモデルと卵巣摘出術を行った骨粗鬆症モデルにおいて脛骨栄養動脈の神経性収縮に関与する神経、神経性収縮の特徴、内皮細胞依存性弛緩の差異を明確にして、骨循環障害に起因する骨粗鬆症の病態解明を目指す。
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