腫瘍随伴マクロファージを標的とした腎癌に対する新たな治療戦略の開発
Project/Area Number |
20K09545
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 56030:Urology-related
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Research Institution | Wakayama Medical University |
Principal Investigator |
原 勲 和歌山県立医科大学, 医学部, 教授 (10263378)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
若宮 崇人 和歌山県立医科大学, 医学部, 助教 (50794400)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2023: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2022: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
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Keywords | 腫瘍免疫 / 腫瘍浸潤リンパ球 / 癌幹細胞 / 腎細胞癌 / 腫瘍内浸潤マクロファージ |
Outline of Research at the Start |
本研究の目的は腎癌において癌幹細胞と腫瘍随伴マクロファージ(TAM)がどのような相互作用を有しているかを明らかにすることである。アプローチとしては(1) 腎癌摘出材料を用いて免疫組織学的手法により癌幹細胞とTAMの発現の程度および局在を明らかにし、臨床病理学的背景および患者の予後との関連を調べる。(2) 腎癌株および末梢血から誘導したM2型マクロファージを相互に作用させることにより癌幹細胞への影響を解析する。(3) M2マクロファージからM1マクロファージへの転換を促進するいくつかの薬剤が抗腫瘍効果を誘導できるか否かにつきin vivoでの実験を含め検討を加える。
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Outline of Annual Research Achievements |
2007年7月から2012年2月までに、当科にて根治的腎摘除術を施行した淡明腎細胞癌患者104例を対象とした。ホルマリン固定標本を用い、CD68、CD163、CD204に対する抗体を用いて免疫組織染色を行いTAMを同定した。またCD34に対する抗体を用いて血管新生を同定しその専有面積を算出した。104例中手術時の摘出凍結組織が入手可能であった43例に対しRT-PCR法を用いて癌幹細胞マーカーであるDNAJB8、およびHSF-1、免疫寛容に関連する分子であるIDOの発現を定量的に解析した。 【結果】対象患者の年齢は中央値65歳(四分位:56-73歳)、男性が70例(67%)であった。観察期間の中央値は91ヶ月(四分位:18-121ヶ月)、術後再発を23例(22%)に認めた。病理学的病期はそれぞれpT1:70例(67%)、pT2:15例(14%)、pT3:17例(16%)、pT4:2例(2%)、異型度はG1:43例(41%)、G2:55例(53%)、G3:6例(6%)、微小血管浸潤を30例(29%)に認めた。腫瘍浸潤様式はINFα:86例(83%)、β:18例(17%)であった。病理学的病期、異型度、微小血管浸潤、腫瘍浸潤様式は、それぞれ有意に術後再発と相関していた(すべてp<0.01、ログランク検定)。腫瘍関連マクロファージの免疫組織染色において陽性個数が多いほど、術後再発が多くなる傾向を認めたが統計学的に有意ではなかった。CD34陽性細胞の専有面積は、術後再発と有意な相関を認めなかった(p=0.71)。術後再発に寄与する因子について多変量cox比例ハザードモデルを用いて検討を行ったところ、異型度のみが有意な因子として同定された(p<0.01)。また、遺伝子解析が可能であった43例に関しては、DNAJB8発現の有無のみが、術後再発に寄与する傾向を認めた(p=0.08)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
癌幹細胞マーカーであるDNAJB8に関しては予想される結果が得られたものの腫瘍浸潤リンパ球(TAM)に関する解析では予想された結果と異なる結果が得られた。
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Strategy for Future Research Activity |
TAMに関する解析に関しては症例数を増やしてさらに検討を行う。さらにDNAJB8に関しても症例数を増加し同様の結果が得られるか否かにつき検討を加える。
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Report
(3 results)
Research Products
(1 results)