Project/Area Number |
20K09625
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 56040:Obstetrics and gynecology-related
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
松田 賢一 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (40315932)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
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Keywords | 悪阻 / つわり / 味覚 / 嗅覚 / 女性ホルモン |
Outline of Research at the Start |
妊娠期に感覚、特に嗅覚、味覚の感受性に変調が生じ、悪阻(つわり)の誘因となることが広く知られている。この感覚変化の機序は不明だが、妊娠に伴うホルモン環境の劇的な変化により、感覚伝導路の神経細胞が影響を受けることが深く関与していると考えられる。本研究では、実験動物モデルを用いて、妊娠に伴う嗅覚・味覚変調のメカニズムを内分泌学的・神経科学的に解析し、さらに、実際に変調に関与するシグナル分子を同定することにより、悪阻の原因究明とその予防・改善法確立のための基礎的検討を行う。
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Outline of Annual Research Achievements |
悪阻(つわり)は妊婦に対し身体的・精神的苦痛を与え、また、女性のキャリアに対して負の影響を与えることにもつながる。したがって、悪阻のメカニズム究明と予防・改善法の確立が極めて重要である。妊娠期の嗅覚と味覚の変調は悪阻の悪心・嘔吐の誘因となる。原因として、妊娠期の内分泌変化が受容器自体の感受性に加え、その伝導路の神経細胞に影響を与えることが考えられる。しかしながら、具体的にどの脳領域のどの神経細胞がホルモンの影響を受け、どのような変化がもたらされることで感覚変調が起こるのかについてはほとんど明らかになっておらず、その分子メカニズムへのアプローチは皆無である。本研究の目的は、妊娠に伴う嗅覚・味覚変動のメカニズムを、実験動物を用いて、内分泌学的・神経科学的に解析し、悪阻の具体的な原因究明とその予防・改善法確立のための礎とすることである。 研究一年目で、嗅覚・味覚の感受性の変化を評価する行動実験系の確立と、妊娠によって嗅覚・味覚刺激に対する活動が変動する脳領域の同定を行った。非妊娠動物に比べ妊娠妊娠動物の忌避物質に対する忌避反応の感受性が上昇することが確認された。忌避行動行った個体の扁桃体において活性化した神経細胞数が有意に上昇することが明らかになった。 研究二年目で、扁桃体内の亜核において避行動によって活性化される領域を詳細に解析したところ、基底外側核と後外側皮質核で活性化される神経細胞が多いことを見いだした。エストロゲン受容体αの発現をノックダウンするshRNAを発現するアデノ随伴ウイルスを後外側皮質核に感染させたところ、忌避行動が減弱した。 研究三年目で、新たに、嗅覚伝導路の梨状皮質において、妊娠に伴っての神経細胞の活性が上昇すること、女性ホルモン受容体およびオキシトシン受容体陽性細胞の分布が変動することを見いだした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
一年目に、実験動物が嗅覚物質・味覚物質に曝されたときに忌避行動を示す最低濃度決定するのに時間を要し、二年目に脳内局所にウイルス液を注入する方法確立に時間を要したたため、また、三年目に新たな関連脳領域を見いだし組織学的検討を行ったため、研究の進行がややずれ込んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
エストロゲン受容体をノックダウンするshRNAを発現するアデノ随伴ウイルスを基底外側核と後外側皮質核に感染させ、忌避行動が減弱されたが、新たに見いだした梨状皮質においてもエストロゲン受容体のノックダウンを行い忌避行動との関連を明らかにする。また、上記脳領域において、性ステロイドホルモン以外の妊娠関連ホルモンであるオキシトシン受容体の発現が変動することを免疫組織化学およびin situ hybridizationにより明らかにしたので、オキシトシンシグナル系の関連についても、行動レベルおよび神経活動レベルで検証する。
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Report
(3 results)
Research Products
(4 results)