卵巣癌オルガノイドとドライバージーン解析に基づいた難治性卵巣癌個別化治療法の確立
Project/Area Number |
20K09630
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 56040:Obstetrics and gynecology-related
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Research Institution | International University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
片岡 史夫 国際医療福祉大学, 医学部, 准教授 (40306824)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
赤羽 智子 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 特任助教 (40398699)
平沢 晃 岡山大学, 医歯薬学総合研究科, 教授 (90296658)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2021)
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Budget Amount *help |
¥4,420,000 (Direct Cost: ¥3,400,000、Indirect Cost: ¥1,020,000)
Fiscal Year 2023: ¥130,000 (Direct Cost: ¥100,000、Indirect Cost: ¥30,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
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Keywords | 卵巣癌 / 個別化治療 / オルガノイド |
Outline of Research at the Start |
難治性卵巣癌の癌性腹水から試験管内臓器であるオルガノイドを作成しゲノム解析に適合した薬剤感受性試験を実施することで難治性卵巣癌に対する奏効性の得られる個別化治療法へと発展させることを目指している。 本研究手法の確立は、緩和や延命治療が主体となっている難治性卵巣癌に対する奏効性の高い治療選択となる可能性があり、さらに現在実臨床にて実施されているがん遺伝子パネル検査などのゲノム医療解析を応用した他癌腫への薬剤選択の実用的選択ツールへの応用も期待できる。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究はプラチナ抵抗性卵巣癌に対するセカンドライン以降の治療薬剤の選択ツールをゲノム解析と薬剤感受性試験(DSRT)から確立することを目的としている。本年度は患者腹水検体と腫瘍組織における遺伝子特性を理解する目的で次世代シークエンサー解析を行った。卵巣癌例の手術時に腹水検体と腫瘍組織および正常コントロールのための血液検体をペアで採取し各検体由来のDNAを抽出した。抽出したDNAはQIAGEN社の275遺伝子が搭載されたがん関連網羅的遺伝子パネルを使用した解析のためのLibrary作成を行った。作成されたLibraryのクオリティーチェックを定量PCRにて確認し至適濃度に調整したのち、次世代シークエンサーMiseq Systemにて900 coverageにて稼働した。得られたFastQファイルはクラウド解析システムGene Groveにて遺伝子変異を抽出し、取得した変異データーがCOSMICおよび ClinVarの各データーベースにて病原性の可能性の高い遺伝子に該当したもののみを再抽出してアノテーションを行った。すべての解析は患者同意と倫理委員会の承認を得て行われた。その結果、腹水検体で検出された遺伝子変異は腫瘍組織とほぼ共通し、さらに腫瘍組織で検出されなかった病的変異も検出可能であった。今回の検討から、腹水検体由来のDNAはホルマリンでの固定による負荷がかからないことからDNAの状態が良好であり、臨床状況により複数回の検体採取も可能であることから治療時の患者状態の反映や薬剤奏功を推定する遺伝子変化を検出する有用なツールとなる可能性が考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
昨年度に予定していた次世代シークエンサー解析が実施可能であったことからおおむね順調と判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
腫瘍病変の次世代シークエンサー解析を行いドライバージーンの検出を試み、薬剤感受性と遺伝子解析結果の比較を行う予定である。それにより、再発卵巣癌に対する薬剤感受性とゲノム変化の両側面からの解析に基づいた至適薬剤の選択法の確立を目指す。引き続き次世代シークエンサー解析を行う予定である。腹水検体由来のDNAは回収が少量の場合があり次世代シークエンサー用のLibrary作成が困難な場合があるが作成時の手技を解析に支障が生じない程度に改変することで解析可能としたい。
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Report
(2 results)
Research Products
(35 results)
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[Journal Article] A prospective cohort study on the safety and efficacy of bevacizumab combined with chemotherapy in Japanese patients with relapsed ovarian, fallopian tube, or primary peritoneal cancer2021
Author(s)
Nanki Y, Nomura H, Iwasa N, Saotome K, Dozen A, Yoshihama T, Hirano T, Hashimoto S, Chiyoda T, Yamagami W, Kataoka F, Aoki D
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Journal Title
Jpn J Clin Oncol
Volume: 51
Issue: 1
Pages: 54-59
DOI
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Peer Reviewed / Open Access
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[Journal Article] Evaluating the importance of routine drainage following laparoscopic pelvic lymph node dissection for gynecological malignancies2020
Author(s)
Sakai Kensuke, Nakamura Masaru, Yamagami Wataru, Chiyoda Tatsuyuki, Kobayashi Yusuke, Nishio Hiroshi, Hayashi Shigenori, Nomura Hiroyuki, Kataoka Fumio, Tominaga Eiichiro, Banno Kouji, Aoki Daisuke.
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Journal Title
International Journal of Gynecology & Obstetrics
Volume: -
Issue: 3
Pages: 438-442
DOI
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Peer Reviewed / Open Access
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[Journal Article] Patient-derived ovarian cancer organoids capture the genomic profiles of primary tumours applicable for drug sensitivity and resistance testing2020
Author(s)
Nanki Yoshiko, Chiyoda Tatsuyuki, Hirasawa Akira, Ookubo Aki, Itoh Manabu, Ueno Masaru, Akahane Tomoko, Kameyama Kaori, Yamagami Wataru, Kataoka Fumio, Aoki Daisuke.
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Journal Title
Scientific Reports
Volume: 10
Issue: 1
Pages: 1197-1197
DOI
NAID
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Peer Reviewed / Open Access
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[Journal Article] Clinical implications of next generation sequencing-based panel tests for malignant ovarian tumors2020
Author(s)
Saotome K, Chiyoda T, Aimono E, Nakamura K, Tanishima S, Nohara S, Okada C, Hayashi H, Kuroda Y, Nomura H, Susumu N, Iwata T, Yamagami W, Kataoka F, Nishihara H, Aoki D
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Journal Title
Cancer Med
Volume: 9
Issue: 20
Pages: 7407-7417
DOI
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Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research
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[Journal Article] 腹腔鏡下子宮筋腫核出術における超音波凝固切開装置と電気メス・クーパーの手術成績の比較検討2020
Author(s)
松沢 優一, 林 茂徳, 長谷川 慶太, 吉村 拓馬, 永井 晋平, 平野 卓朗, 千代田 達幸, 仲村 勝, 片岡 史夫, 田中 守, 青木 大輔.
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Journal Title
東京産科婦人科学会会誌
Volume: 69(2)
Pages: 147-152
NAID
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Author(s)
佐竹 恵, 山上 亘, 吉村 拓馬, 平野 卓朗, 真壁 健, 坂井 健良, 辻 浩介, 小林 佑介, 片岡 史夫, 阪埜 浩司, 青木 大輔, 進 伸幸.
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Journal Title
東京産科婦人科学会会誌
Volume: 69(2)
Pages: 341-345
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[Journal Article] 更年期症状を契機に診断された甲状腺機能異常の2例2020
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平田 桃, 横田 めぐみ, 谷本 慧子, 仲村 勝, 山上 亘, 森定 徹, 片岡 史夫, 岩田 卓, 阪埜 浩司, 田中 守, 青木 大輔.
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Journal Title
東京産科婦人科学会会誌
Volume: 69(3)
Pages: 575-580
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[Presentation] 進行子宮体癌の再発に関わる臨床病理学的因子の後方視的検討2021
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平野 卓朗, 山上 亘, 吉村 拓馬, 真壁 健, 坂井 健良, 黒田 由香, 早乙女 啓子, 同前 愛, 南木 佳子, 千代田 達幸, 片岡 史夫, 阪埜 浩司, 青木 大輔
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第62回日本婦人科腫瘍学会
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[Presentation] 卵巣悪性腫瘍における遺伝子プロファイルの検討2021
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早乙女 啓子, 千代田 達幸, 四十物 絵理子, 中村 康平, 谷嶋 成樹, 黒田 由香, 吉村 拓馬, 同前 愛, 南木 佳子, 野村 弘行, 山上 亘, 片岡 史夫, 西原 広史, 青木 大輔
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[Presentation] 子宮体癌/子宮内膜異型増殖症の術前診断における子宮内膜全面掻爬の有用性2021
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第62回日本婦人科腫瘍学会
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[Presentation] 初代卵巣癌組織を用いた3次元オルガノイド培養法の確立2021
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南木 佳子, 千代田 達幸, 平沢 晃, 大久保 亜紀, 伊藤 学, 赤羽 智子, 早乙女 啓子, 同前 愛, 平野 卓朗, 黒田 由香, 吉村 拓馬, 山上 亘, 片岡 史夫, 青木 大輔
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第62回日本婦人科腫瘍学会
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赤羽 智子, 増田 健太, 平沢 晃, 小林 佑介, 永井 晋平, 千代田 達幸, 林 茂徳, 片岡 史夫, 冨永 英一郎, 阪埜 浩司, 田中 守, 青木 大輔
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[Presentation] 若年子宮体癌症例に対する高用量黄体ホルモン療法の治療成績2021
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進 伸幸, 齊藤 英子, 永吉 陽子, 上田 和, 渋井 亮介, 河原井 麗正, 井原 基公, 木原 真紀, 岡田 智志, 片岡 史夫, 田中 宏一
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第73回日本産科婦人科学会学術講演会
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赤羽 智子, 平沢 晃, 冨永 英一郎, 井本 逸勢, 大久保 亜希, 伊藤 学, 南木 佳子, 吉浜 智子, 増田 健太, 千代田 達幸, 山上 亘, 片岡 史夫, 青木 大輔.
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第42回 日本産婦人科手術学会・第8回 日本婦人科ロボット手術学会 西尾 浩, 山上 亘, 仲村 勝, 片岡 史夫, 竹田 貴, 吉村 拓馬, 森定 徹, 青木 大輔
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大岡 令奈, 山上 亘, 南木 佳子, 永井 晋平, 平野 卓朗, 千代田 達幸, 小林 佑介, 片岡 史夫, 阪埜 浩司, 田中 守, 青木 大輔.
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第59回 日本臨床細胞学会総会秋期大会
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