Project/Area Number |
20K09750
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 56050:Otorhinolaryngology-related
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Research Institution | University of Miyazaki (2022) Niigata University (2020-2021) |
Principal Investigator |
高橋 邦行 宮崎大学, 医学部, 教授 (40452057)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2022: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2021: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2020: ¥2,730,000 (Direct Cost: ¥2,100,000、Indirect Cost: ¥630,000)
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Keywords | 大脳聴覚野 / マウス / イメージング / 聴覚時間情報処理 / 時間情報 / 聴覚時間情報 |
Outline of Research at the Start |
音の構成要素のうち、言葉の聞き取り(語音認知)には音の時間情報処理が最も大切である。これまでの聴覚心理学的研究から、音の時間情報処理は大脳聴覚野を中心とした聴覚中枢が大きな役割を担っている。また動物でもヒトと同様の音声コミュニケーション、音声信号処理が行われているとされ、本機能は、種を超えて備わる普遍的なものと考えられる。 本研究では、野生型B6マウス、 GCaMPノックインB6マウスを対象に、光学的イメージング法を用いて、大脳聴覚野における音の時間的変化のパターン処理機能、可塑的変化を明らかにし、新しい難聴の発見、聴覚検査へと繋げる。
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Outline of Annual Research Achievements |
われわれが日常感知している音は空気の波であり、音の大きさは波の振幅(音圧)、高さは波の数(周波数)、音色は時間変化に伴う波の形状(音波形)によって規定される。音の構成要素のうち、言葉の聞き取り(語音認知)には音の時間情報処理が大切であ理、音波形が重要な役割を担っていると考えられている。音波形を構成する元となる波を搬送波と言い、時間変化に伴う振幅の変化を結んだ線を振幅包絡(エンベロープ)と呼ぶ。先行研究から、音声認識には搬送波よりもエンベロープの形状が重要であること、音の時間情報のうち、立ち上がり(Rise)、長さ(Duration)、終わり(Fall)のうち、音の立ち上がり(Rise)が音声認識の鍵となる聴覚情報であることを示されている。これまでの聴覚心理学的研究から、音の時間情報処理は蝸牛で行うことはできず、大脳聴覚野を中心とした聴覚中枢が大きな役割を担っていると考えられているが、どこでどのように処理されているかはわかっていない。 実臨床で用いられている純音聴力検査は、音圧と周波数の程度、関係を調べ、難聴の程度を評価しているが、同程度の難聴でも語音認知に個々で差があるのは、時間情報処理が正確に評価されていないことが要因の一つと考えられる。 そこで本研究では音声認識の鍵である音の時間情報検知のメカニズムに関して、マウス大脳聴覚野を対象にフラビン蛋白蛍光イメージングを用いて研究している。またGCaMP6f遺伝子を導入したマウスも用いることで、さらにクリアなイメージングが可能となり、研究を行っている。現在のところ、大脳聴覚野にはこれまで知られていた音の周波数が表現されているだけでなく、音のRiseの違いにより活動する神経活動があることを発見している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究では、大脳聴覚野における音の時間的変化のパターン処理機能、可塑的変化を明らかにし、新しい難聴の発見、聴覚検査へと繋げることを目的としている。研究初年度は、正常マウス、GCaMP6fノックインマウスを用いて時間変化パターン処理に関する大脳聴覚野機能の解析を行い、想定通りの結果を得ていたが、研究代表者の施設の移動などに伴い、発表、報告が遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
これまで行った研究で得られた成果を発表、論文かしていく。また研究を発展させ、若年マウスから高齢マウスまでを対象に行うことで、大脳聴覚野における時間変化検出の加齢性変化の研究を行う。また、本研究で使用したマウス用の音をヒトの可聴域に調整することで、ヒトを対象とした音の時間的変化に対する新たな聴力検査法を考案していく。
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