Project/Area Number |
20K09766
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 56060:Ophthalmology-related
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
馬場 隆之 千葉大学, 大学院医学研究院, 教授 (00361725)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥3,900,000 (Direct Cost: ¥3,000,000、Indirect Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
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Keywords | 強度近視 / 眼軸長延長 / 強膜 / 線維芽細胞 / 高血糖 / 網膜外層構造 / 網膜感度 / 網脈絡膜萎縮 / 網膜機能 / 病的近視 |
Outline of Research at the Start |
近視は全世界的にみても近年増加傾向にある。近視眼では眼球が前後方向に大きくなり(眼軸長の延長)、ラグビーボールに近い形になる。病的近視はこの眼軸長の延長に伴い、眼球壁が菲薄化し、眼底異常を生じる。進行例では大幅な視力低下を来すが、眼軸長延長の機構についての詳細は判っておらず、予防法も見つかっていない。本研究では、強膜の細胞を用いて高血糖がどのように影響するか検討する。また糖尿病動物モデルを用いて、高血糖が眼軸長延長に与える影響について検討し、眼軸長延長ひいては病的近視を予防する手がかりを探索する。
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Outline of Annual Research Achievements |
近視は全世界的に、特に東アジアを中心に増加しており、2050年には世界人口の半数は近視になっていると推測されている。本邦でも近視人口は増加を続けており、-6ジオプトリー以上の強度近視も増加している。近視は屈折度の増加に伴い、眼科的合併症が増加することが言われており、裂孔原性網膜剥離や緑内障といった視力低下に直接つながるような重篤な眼合併症の割合が増加することが懸念される。強度近視では、眼軸長が延長することがわかっているが、この眼軸長延長のメカニズムについては未だ不明な点が多く残されている。本研究では、高血糖がこの眼軸長延長にどのように関与するかを解明することを目的としている。視覚遮断を利用した眼軸長延長動物モデルを用いて、高血糖モデルラットにおいて眼軸長延長が生じるかを検討する。またその前段階として、強膜線維芽細胞の高血糖条件下における反応を検討する。強膜線維芽細胞は、強膜コラーゲン線維の生成、リモデリングに深く関与しており、眼軸長延長は強膜リモデリングの結果であることから、強膜線維芽細胞の検討は重要である。本年度はヒト皮膚由来線維芽細胞とラット強膜由来線維芽細胞を用いて高血糖による増殖能などの影響を検討した。ラット強膜由来線維芽細胞の実験は初代培養細胞の増殖までは確認できるが、継代後の増殖能が低く十分な細胞数を確保しづらい状況であるため、継代後の培養条件などについて更なる検討が必要である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本年度の実験計画としてはまず、ヒト皮膚由来線維芽細胞を用いて、高血糖が及ぼす影響を検討した。具体的には、正常ヒト成人皮膚由来線維芽細胞(タカラバイオ)を成長因子を含む線維芽細胞増殖培地にて培養し、glucoseを5mM、50mM、250mMで含有する培地に交換したのち、スクラッチアッセイを行い細胞増殖能の測定を行った。高血糖条件下では、細胞増殖能が減少しており、低血糖培地に比較してwound healingが遅延していた。同様の実験をラット強膜由来線維芽細胞の初代培養にて行った。強膜線維芽細胞は摘出した強膜片を0.04%トリプシン処理したのち、回収し使用した。培養された細胞腫の確認を行うため抗Vimentin抗体(GENENTEX)によるラベリングを行い、蛍光顕微鏡観察下に線維芽細胞であることを確認した。これらの細胞群はcytokeratin陰性であり、この点でも線維芽細胞としての免疫染色パターンにあっていた。一方、増殖能の評価としてはCCK-8によるセルカウントとスクラッチアッセイを予定していたが、初代培養細胞数の数が不十分なため的確な計測が出来ていない。また眼瞼縫合による視覚遮断モデルによる眼軸長延長モデルに関しては、Streptozotocin誘導高血糖動物モデルを作成し、実験を行う準備がすでに出来ているが、順番としてはin vitro実験の結果をみてからすすめて行く予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究の方向性としては、ラット由来強膜芽細胞の実験を継続する。ラット眼球を摘出後、網膜色素上皮、脈絡膜、結膜結合組織を除去したのちに、強膜片を1x1mm程度で作成し、0.04%トリプシンで細胞を剥がしたのちに遠心し、細胞を回収する。成長因子を含む線維芽細胞増殖用培地もしくは10%FBS添加DMEM培地にて強膜線維芽細胞を培養する。培養された細胞は再度Vimentin陽性、cytokeratin陰性であることを免疫染色にて確認しておく。初代培養を6-wellプレートで行い、80%コンフルエントとなった所で、glucoseを5mM、50mM、250mMで含有する培地に交換したのち、スクラッチアッセイを行い細胞増殖能の測定を行う。仮説ではグルコース濃度が高くなると細胞増殖能が低下すると思われるので、このことが確認されればin vivoの実験へと移行する。Long-Evansラット腹腔内にStreptozotocinを投与し、血糖をモニタリングした上で、高血糖動物モデルを作成する。本モデルにおいて、眼軸長を測定した上で片眼の眼瞼をナイロン糸にて縫合し、視覚刺激を遮断することにより、眼軸長延長モデルを作成する。眼瞼縫合後、2,4,8週で縫合糸をいったん除去し眼軸長を超音波眼軸長測定装置により測定する。ワイルドタイプをコントロールとして、高血糖動物モデルでの眼軸長延長が抑制されているかを検討する。さらに8週後の動物を安楽死後に強膜を摘出し、組織学的検討を行う。
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Report
(3 results)
Research Products
(4 results)