In vivo機能解析による唾液腺の代償性機能亢進機構の解明と分泌亢進誘導
Project/Area Number |
20K09882
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 57010:Oral biological science-related
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Research Institution | Health Sciences University of Hokkaido |
Principal Investigator |
根津 顕弘 北海道医療大学, 歯学部, 准教授 (00305913)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森田 貴雄 日本歯科大学, 新潟生命歯学部, 教授 (20326549)
細矢 明宏 北海道医療大学, 歯学部, 教授 (70350824)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
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Keywords | 唾液分泌 / 代償性機能亢進 / 網羅的遺伝子解析 / 細胞内カルシウム応答 / 腺血流 / 代償性肥大 / 機能亢進腺 / 細胞内カルシウム動態 / 遺伝子発現 / in vivo 機能解析 / 代償性機能亢進機構 / 遺伝子発現解析 / Ca2+イメージング / 血流動態 / In vivo機能解析 |
Outline of Research at the Start |
唾液腺は片側が機能不全に陥ると残った唾液腺が代償性に肥大し、低下した唾液分泌を補っている。本研究課題では片側唾液腺障害によって起こる唾液腺の代償性機能亢進を起こすしくみを明らかにすることを目的とする。本目的を達成するため、①「機能亢進腺」の遺伝子発現量および局在解析と②「機能亢進腺」におけるintravital イメージングおよび唾液分泌の同時測定によるin vivo機能解析法を用いて、機能亢進を誘導する神経伝達物質や内因性シグナル分子を解析する。また網羅的遺伝子解析により得られた「機能亢進腺」で変化する遺伝子を検索し、そのしくみを利用した「唾液が出やすくなる唾液腺」の誘導を試みる。
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Outline of Annual Research Achievements |
唾液腺は片側が機能不全に陥ると残った唾液腺が代償性に肥大し、低下した唾液分泌を補っている。我々は生きた動物の唾液腺のCa2+応答と唾液分泌機能をin vivo機能解析法を用いて評価したところ、片側障害が残った唾液腺を「機能亢進腺」に誘導することを明らかにした。本課題では「片側唾液腺障害によって起こる唾液腺の代償性機能亢進を起こすしくみは何か?」を明らかにすることを目的とする。さらに得られた結果をもとに、薬物や遺伝子制御により人為的に「唾液が出やすくなる唾液腺」の誘導を試みる。 これまでに網羅的解析により変化が認められた57遺伝子のうち、結紮7および21日後の反対側顎下腺で発現変化する6遺伝子に加え、新たに2つの時間遺伝子の発現上昇が確認し、機能亢進発現の新たなマーカー遺伝子候補を見出した。 さらに唾液分泌と血流動態の関係について解析を行った。Ca2+と血流動態の同時測定を用いてアセチルコリン(ACh)の持続投与により顎下腺全体で見られるCa2+振動と血流振動が起こることを初めて明らかにした。また、このCa2+と血流振動の発生には自律神経系の調節よりも、血中の血管収縮物質の関与が大きいことを見出した。さらに水チャネル(AQP5)低発現ラットを用いた実験により、ACh刺激による唾液腺の血流上昇が安静時の唾液分泌の調節に大きな役割を果たすことを見出した(Akter MT et al. 2023)。我々は、機能亢進腺での唾液分泌亢進のしくみに血流動態亢進が関わっていると考え、現在代償性機能亢進における血流動態に関する検討中である。(研究協力者:MST Tahmina Akter、島谷真梨、郷賢治)
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
これまでに我々は機能亢進腺におけるマーカー遺伝子を8つ(腫瘍抑制因子、インターフェロン遺伝子、消化酵素、上皮成長因子、時計遺伝子、水チャネル)を同定しているが、誘導初期(3日後)では使用可能なマーカーは2つ(消化酵素及び上皮成長因子)であった。機能亢進誘導シグナルを高精度に解析するためは、より早期に変動する新たな遺伝子を同定することが重要であり、残りの40遺伝子について解析中である。 また誘導初期(3日後)の顎下腺の腺房細胞と導管細胞における増殖マーカー(PCNA)変化を比較したところ、機能亢進誘導によって腺房細胞でPCNA陽性細胞数の有意な発現上昇が認められた。この結果は、片側障害により顎下腺の腺房細胞の増殖が誘導されていることを示唆している。 これらの研究と並行して、in vivo機能解析法を用いて生きたラットの顎下腺におけるCa2+応答と血流動態変化の同時測定を行い、ACh刺激による顎下腺のCa2+応答と血流動態との関係を解析した。この実験により、持続的なACh刺激は、顎下腺のCa2+と血流振動が起こすことを明らかにした。この発生には自律神経系の調節の関与は少なく、血液中の血管収縮物質の関与が重要であった。加えてAQP低発現ラットを用いた実験により、低濃度のACh刺激による唾液分泌には、AQP5発現量よりも血流動態が重要な役割を果たすことを明らかにした。また産生酵素や受容体発現量の解析により、この血流変動がアンジオテンシンⅡにより調節されている可能性が示された。唾液分泌と腺血流には密接な関係にあることから、今後は機能亢進腺での血流変動と唾液分泌量変化との関係や、血流動態に関与する様々な生体内分子の産生酵素やそれが作用する受容体の遺伝子やタンパク質の発現量を解析も必要となった。これらの解析には時間を要するため、やや遅れていると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
今後はまだ未解析の40の候補遺伝子の発現量の定量RT-PCR解析を行い、新たなマーカーとなりうる遺伝子の同定を試みる。特に細胞増殖マーカーの変動は3日で起こるため、誘導3日までの初期段階で変動するものを中心に検討を進める。また血流動態の実験で得られた生体内活性物質(アンジオテンシンⅡなど)の産生酵素や、その受容体の発現量変動についても解析を行う。加えて、様々な阻害薬の投与によるこれまで発見した8つの初期(3日)と中期(7日)マーカー遺伝子をあるいは顎下腺重量変化を調べ、機能亢進腺誘導における様それらの影響を解析し、自律神経の伝達物質あるいは血液中のホルモンやオータコイドなどの関与について解析を行う。 さらに「、機能亢進腺における腺房細胞、導管細胞、筋上皮細胞におけるマーカー遺伝子の分布や唾液分泌に関わる様々な分子(受容体、水チャネル、イオンチャネルおよび共輸送体)発現変化、あるいは血管新生などを組織透明化技術による免疫組織科学的解析法により組織切片を作成すること無く臓器の形態を維持したまま三次元的な解析を試みる。機能亢進には、唾液腺細胞の受容体、イオンチャネルや共輸送体の発現上昇といった細胞の機能的な変化だけでなく、血管新生による唾液腺血流の亢進などが関与する可能性があることから、機能亢進腺における分泌刺激による血流動態をin vivo機能解析により検討する。(研究協力者:島谷真梨、金久保千晶)
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Report
(3 results)
Research Products
(26 results)