CAD/CAM冠の加工精度を向上させる切削加工条件の最適化
Project/Area Number |
20K10029
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 57050:Prosthodontics-related
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
根本 怜奈 東京医科歯科大学, 歯学部附属病院, 助教 (50706893)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野崎 浩佑 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 講師 (00507767)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,420,000 (Direct Cost: ¥3,400,000、Indirect Cost: ¥1,020,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
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Keywords | CAD/CAM / 加工精度 / 切削抵抗 / 歯科用切削加工機 / CAD/CAM冠 / 加工パラメータ |
Outline of Research at the Start |
歯科用切削加工機の発展により,種々の材料を用いて作製されたCAD/CAM冠の臨床応用が拡大している.しかしながら,切削加工時の加工パラメータを設定する根拠は乏しく,それらが材料毎の加工性や,CAD/CAM冠の加工性に及ぼす影響は不明である.そこで本研究では,優れた加工精度を有する補綴装置を作製するための加工パラメータを明らかにするとともに,加工パラメータ制御により新たな適応症例の拡大を目指す. 具体的な研究項目は.① 歯科材料毎に切削エネルギーが安定する加工パラメータの確立.② 優れた加工精度を有する補綴装置作製のための加工パラメータの最適化.③ 歯冠長の長い症例に適応可能な切削加工方法の樹立である.
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Outline of Annual Research Achievements |
近年,歯科補綴装置を作製する際に使用する切削加工装置の発展は目覚ましく,歯科用ジルコニアや二ケイ酸リチウムなどのセラミックスや,ハイブリッド型硬質レジン,PMMAなど種々の材料の切削が可能となっている。加工時には,歯科補綴装置のCADデータを基に,切削加工パスの設計が必要で,CAMソフトを用いて,各加工パラメータを設定する.加工パラメータには,研削材の回転速度である切削速度,ツール,ステージの移動速度である送り速度,隣接する切削間を分離するXY平面方向の距離であるステップオーバー,一刃での切削量である切込み深さ,切削方向などが挙げられる. これら加工パラメータは,研削材および被削材により適正値が設定されており,その加工条件を基に,補綴装置が加工される.しかしながら,研削材は工業用途に設定されているため,その被削材は,ジルコニアはあるものの,グラファイトや銅・銅合金,硬質複合樹脂となっており,上記の歯科用材料に対する詳細な推奨切削条件は明らかとなっていない.一般的には,切削エネルギーが一定になる条件にて切削することにより,再現性の高い加工が可能になることが報告されていることから材料毎の切削エネルギーの評価により,適切な加工パラメータの推定が可能と考えられる.本年度は、下顎小臼歯冠および下顎大臼歯冠を実験モデルとし,支台歯金型を作製する.それぞれCADデータを作成し適正化した加工パラメータを用いて,CAMデータを作成した.加工時の切削抵抗を,3成分リンクフォースメーターを用いて測定し,加工精度との相関を評価した.本研究成果より,内面の適合性は,切削抵抗の増加に伴い悪化することが示された.また,約80個が臨床的許容範囲内の適合性を有するクラウン作製の限界であることが示唆された.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究では,下顎第一小臼歯を支台歯として通法通り形成した後に,シリコーン印象材を用いて印象採得,作業用模型を作製した後に,技工用スキャナーを用いて光学印象を行った.CADソフトウェアを用いて歯冠形態をデザインした後に,CAMソフトウェアを用いて,加工パスを作成した. CAD/CAM冠用コンポジットレジンブロックを,研削材を装着した切削加工機を用いて切削加工を行った.作製したクラウン内面にシリコーン印象材を填入し,支台歯に圧接,硬化後に取り出し,シリコーン印象材を切断し,近遠心および軸面の厚みを,ミクロン深さ高さ測定器を用いて計測した.また,10個の試料を加工後に,切削加工時にブロックに付加される抵抗力の測定のため,3成分リンクフォースメーターを,切削加工機に設置し,切削抵抗を求めた.また,切削加工後の研削材の表面形状を,走査型電子顕微鏡を用いて観察した.内面適合性と切削抵抗の関連性は,Pearsonの積率相関分析により解析を行った.適合精度を評価したところ,マージンにおける間隙は,80個のクラウン作製(加工距離約800m)までは臨床的共用範囲内である100μm以内であったが,その後増加傾向を示し,適合性の悪化が認められた.研削材の表面微細構造をSEMにて解析した結果,加工初期(加工距離200m)においてチッピングが認められ,加工距離の増加に伴い,刃の摩耗が認められた. 次に,切削抵抗の値を求めたところ,接線力および法線力はいずれも初期において約6Nであり,加工距離の増加に伴い,切削抵抗の増加が認められた.内面の適合性と切削抵抗には,有意な相関を認めた.
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Strategy for Future Research Activity |
加工後の加工精度の計測のため,3次元形状測定装置VR-3000(キーエンス)を用いて小臼歯冠を測定し,CADデータとの比較を行い,加工精度の評価を進める.本研究で確立した切削抵抗のリアルタイム測定は,一歯を切削する際のすべてのデータを採得可能なため,加工精度の低下が生じている個所を明らかにする.また,歯科補綴臨床的見地より,内面の適合性を評価する為に,シリコーン印象材を用いた内面適合性試験を行う.また,加工表面の解析として,3次元レーザー顕微鏡LEXT4000(オリンパス)を用いて,表面構造と表面粗さの測定を行う.以上の結果をもとに,精密加工が可能となる切削加工を行う際のNCプログラムの改善を行う.
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Report
(3 results)
Research Products
(5 results)