間葉系幹細胞の抗炎症性免疫細胞誘導能を応用した変形性顎関節症新規治療戦略の確立
Project/Area Number |
20K10234
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 57070:Developmental dentistry-related
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Research Institution | Iwate Medical University |
Principal Investigator |
間山 寿代 岩手医科大学, 歯学部, 准教授 (90382639)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤原 尚樹 岩手医科大学, 歯学部, 教授 (20190100)
石崎 明 岩手医科大学, 歯学部, 教授 (20356439)
横田 聖司 岩手医科大学, 歯学部, 助教 (50802401)
佐藤 和朗 岩手医科大学, 歯学部, 教授 (60295996)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,420,000 (Direct Cost: ¥3,400,000、Indirect Cost: ¥1,020,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
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Keywords | 変形性顎関節症 / 酸化ストレス / 炎症 / ケモカイン / 間葉系幹細胞 / 細胞治療 / 抗炎症性マクロファージ |
Outline of Research at the Start |
1) TMJ-OAの患部組織中にMSCがホーミングするためにキーとなるモデル分子のピックアップとその絞り込みを実施する。 2) TMJ-OAの患部組織中でMSCがM1-MΦをM2-MΦに分極化するためにキーとなるモデル分子のピックアップとその絞り込みを実施する。 3) 1)と2)のそれぞれの実験で絞り込んだキー分子を同時に強発現させたMSCを作製してラットTMJ-OAモデルマウスに移植する。遺伝子導入されたMSCが効率よくTMJ-OA患部組織にホーミングし、M2-MΦの動員を促して下顎頭周囲の骨組織の破壊を抑制することを確認し、MSCのホーミングやM2-MΦ分極化誘導に働くキー分子を特定する。
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Outline of Annual Research Achievements |
一般的に、炎症を伴う組織中の細胞では酸化ストレスが蓄積して炎症のさらなる増悪を助長することが知られているが、変形性顎関節症(TMJ-OA)で認められる顎関節周囲滑膜炎において、酸化ストレスがどのような分子メカニズムで炎症を誘導するのかは不明であった。我々は、前年度(2022年度)までに、TMJ-OAにおいて炎症性反応を惹起するとされる顎関節周囲の滑膜細胞(FLS1細胞)に過酸化水素を投与して酸化ストレスを与えることにより、この細胞におけるケモカインの発現レベルが上昇する細胞培養モデルを確立した。その後、我々は、FLS1細胞に過酸化水素刺激を与えると、好中球の走化性を促すケモカインCXCL15の発現が増強することを前年度までに報告した。今回、我々は、FLS-1細胞における酸化ストレスシグナルを明らかとするために、過酸化水素をFLS1 細胞に与え、ウェスタンブロット法にてシグナル伝達分子の活性化(リン酸化)について調査したところ、ERK1/2やp38 MAPK、またAktの活性化が、有意に増強した。また、MEK阻害剤の投与により、この過酸化水素誘導性のCXCL15の発現増強効果は減弱されたが、p38 MAPK阻害剤やPI3K阻害剤では減弱されなかった。一方、抗酸化作用を有するN-アセチルシステインが、過酸化水素によるMEK/ERK1/2依存的なCXCL15の発現を抑制しうるかどうか調査したところ、過酸化水素誘導性のERK1/2の活性化は部分的には解除されたものの、過酸化水素誘導性のCXCL15の発現増強効果を減弱することはできなかった。現在、我々は、抗酸化物質が、TMJ-OAにおける炎症反応の増悪を抑制する新規治療薬となりうるものとの仮説を立て、より効果的に過酸化水素誘導性の酸化ストレスを解消しうる抗酸化物質の特定を急いでいる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究実績の概要欄で記載した通りに、前年度(2022年度)までに、TMJ-OAにおいて炎症性反応を惹起するとされる顎関節周囲の滑膜細胞(FLS1細胞)に過酸化水素を投与して酸化ストレスを与えることにより、この細胞におけるケモカインの発現レベルが上昇するin vitro実験モデルを確立した。しかし、TMJ-OAの発症に関わるケモカインCXCL15の産生を抑制しうる抗酸化物質の特定には、至っていない。このように、TMJ-OAの発症に関わるターゲット分子の特定や、抗酸化物質等の治療薬候補の絞り込みにおいて、予測した以上に時間と労力がかかっているため。
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Strategy for Future Research Activity |
TMJ-OAの発症に関わるケモカインなどのターゲット分子の絞り込みや、TMJ周囲組織での酸化ストレスによる炎症症状の増悪を沈静化しうる抗酸化物質の絞り込みを完了する。 一方、TMJ-OAの患部組織中で、間葉系幹細胞(MSC)がM1-MΦをM2-MΦに分極化するためにキーとなる分子の絞り込みを完了する。 最終年度(令和5年度)には、当初の計画に沿って、前年度までに度絞り込んだMSCホーミングのためのキー分子と、MSCがM1-MΦをM2-MΦに分極化するためにキー分子を同時に強発現させたMSCを作製してラットTMJ-OAモデルマウスに投与(移植)する。次いで、投与後の遺伝子導入MSCが効率よくTMJ-OA患部組織にホーミングし、局所へのM2-MΦの動員を促して下顎頭周囲の軟骨組織や骨組織の破壊を抑制するかどうかについて組織学的に確認することにより、MSCのホーミングやM2-MΦ分極化誘導に働くキー分子を特定する。
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Report
(3 results)
Research Products
(9 results)