医師の属性は人口地理的分布にどのように関わっているか-縦断的分析-
Project/Area Number |
20K10332
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 58010:Medical management and medical sociology-related
|
Research Institution | Teikyo University |
Principal Investigator |
井上 和男 帝京大学, 医学部, 客員教授 (70275709)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鹿嶋 小緒里 広島大学, 先進理工系科学研究科(国), 准教授 (30581699)
松本 正俊 広島大学, 医系科学研究科(医), 寄附講座教授 (40348016)
安藤 崇仁 帝京大学, 薬学部, 講師 (40761987)
|
Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
|
Budget Amount *help |
¥3,640,000 (Direct Cost: ¥2,800,000、Indirect Cost: ¥840,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2023: ¥390,000 (Direct Cost: ¥300,000、Indirect Cost: ¥90,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2021: ¥390,000 (Direct Cost: ¥300,000、Indirect Cost: ¥90,000)
Fiscal Year 2020: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
|
Keywords | 医師分布 / 性別 / 診療科 / 市町村 / 人口指標 / 距離指標 / 医師属性 / 女性医師 / 就業地域 / 診療科分布 / 縦断的分析 |
Outline of Research at the Start |
医療サービスの中核を担う医師の分布動向は重要である。1998、2008そして2018年の医師調査から、20年間の市町村合併を調整した上で、 (1)「医師の属性は長期的な人口・地理的な分布状況とどのようにかかわっているのか」 (2)「医師不足あるいは僻遠小人口市町村に勤務する医師の属性は何か」 上記の研究疑問について解明し、我が国の将来の医師供給政策に貢献する知見を得る。
|
Outline of Annual Research Achievements |
我々は前年度までの研究で、1994・2004年に登録されている医師集団よりもその後の2006・2016年に登録されている、医籍登録10年以内の医師コホートがよりへき地に少なく、都市部へ分布していることを示した。加えて医師属性の中では、特に性別が地域分布に影響を及ぼしていることを示した。そこでこれらの医師の地域分布における性差を引き起こしうる要因である診療科について検討した。 分析対象医師の重複を避けるため、1996年および(20年後の)2016年の医師調査データファイルから、医籍登録後20年以内の全医師を対象とした。まず、1996年および2016年の全医師集団(医籍登録20年以内、以下略)での女性の割合は15.4%および29.%であり、ほぼ倍増していた。1996年および2016年のいずれにおいても女性医師が勤務する市町村人口の中央値は男性医師のそれよりも多く、都道府県庁からの距離は逆に短かった。次に、女性医師の割合が多い診療科の一つである眼科のみを抽出して分析した。1996年および2016年の眼科医師集団での女性の割合は36.0%および4.06.%であり、わずかに増加していた。眼科でも同様の結果であり、1996年および2016年において女性医師が勤務する市町村人口の中央値は男性医師のそれよりも多く、都道府県庁からの距離は逆に短かった。さらに、眼科医師に限定した場合でもこれらの値(人口や距離の中央値)は医師全体とそれほど違いがなかった。 これらより、まず医師全体としては、(1996年から2016年までの20年間の医師増加を考えると)地域偏在の様相は著しい改善を見せていない。加えて、男性医師に比して女性医師が都市部により多く勤務している様相は、医師全体で見ても眼科と言う女性医師の多い診療科で見てもあまり変わりがないことを示している可能性がある。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初は1998、2008および2018年の3時点での分析を予定していた。しかし、COVID-19のためデータの申請および取得に大幅に手間取った。一方で分析結果は1-2では大幅に変化しない、そしてデータ整合性のチェックなどの作業を考えると、既に分析可能に調整された1996,2006、2016年の3時点での分析を詳細に行うことが妥当と考えられる。また加えて、研究の進捗も図ることが出来る。
|
Strategy for Future Research Activity |
2023年度の分析では、最も女性医師の割合が大きい診療科の一つである眼科においても、女性医師全体の地理的分布と大きな相違がないことが示唆された。よって2024(最終年度)での研究ではさらに、以下について検討する。 ①他の単一診療科でも、上記と同様の結果が見られるか。特に、他にも女性医師の割合が大きい皮膚科、小児科そして産婦人科について分析する。 ②特に僻遠の小人口市町村に限定したときに、上記と同じ結果が得られるか。 ③女性医師の地理的分布について、勤務施設別に男性医師と比較検討する。 もし、(男性医師と比較して)女性医師の地域的偏在が診療科ごと、小人口市町村、勤務施設ごとの分析でも全体と変わっていなければ、これらの因子が偏在に与える影響は大きくなく、性別そのものの持つ影響が大きいことが示唆される。逆に、特定の状況で偏在の度合いが変化するのであれば、そこに着目した方策が見つかる可能性がある。
|
Report
(4 results)
Research Products
(6 results)