環境物質誘発性自己免疫疾患発症のトリガーイベントの探索
Project/Area Number |
20K10437
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 58020:Hygiene and public health-related: including laboratory approach
|
Research Institution | Kawasaki Medical School |
Principal Investigator |
李 順姫 川崎医科大学, 医学部, 助教 (70414026)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大槻 剛巳 川崎医科大学, 医学部, 教授 (40160551)
西村 泰光 川崎医科大学, 医学部, 准教授 (90360271)
|
Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2022-03-31
|
Project Status |
Discontinued (Fiscal Year 2021)
|
Budget Amount *help |
¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
|
Keywords | 珪肺症 / 自己免疫疾患 / 珪酸 / 環境性粒子状物質 |
Outline of Research at the Start |
本研究のアウトプットは、自己免疫疾患の発症トリガーつまり「きっかけ」となるリスクファクターを明らかにすることで珪肺症のみならず、健常人の自己免疫疾患発症に対する適切かつ効果的な予防策を講じることと想定している。自己免疫疾患で最重要なことは、組織破壊の前に疾患を診断し、いち早く治療を始めることである。本研究により標的を定めることが出来れば、極早期診断法の実現の一助となり多くの患者の苦痛を和らげられると期待している。原因や病態が不明なところも多い自己免疫疾患の発症機構の解明、予防にも寄与でき、衛生学領域の研究としても社会貢献度の高い研究であると考える。
|
Outline of Annual Research Achievements |
珪肺症患者では、呼吸器病変に加え、高頻度で自己免疫疾患を合併する。本研究の問いは珪肺症で「何が」自己免疫疾患発症の「きっかけ」となるのかを明らかにすることである。 我々は健常人由来樹状細胞とT細胞の混合培養系に、珪酸と外来因子の受容体であるToll like receptor (TLR)のリガンドを同時に添加すると、リガンドごとにユニークな炎症性サイトカインの発現があることをマルチプレックスアッセイを用いて見いだした。これは、珪酸存在下である種の感染イベントが「きっかけ」となり自己免疫異常へ傾向する可能性を示唆している。そこで、珪酸曝露下で外来因子であるTLRリガンドが健常人T細胞の極性化(Thバランス)に及ぼす影響を解析し、さらに珪酸がマクロファージの分化に影響するか検討した。Th1、Th2、Th17およびTregのマスター因子と言われる転写因子(GATA3、Tbet、RORc、FoxP3)のmRNA発現を検討したが、珪酸曝露による極性の違いは見られなかった。次に、珪酸曝露下で各種TLRリガンドを添加することがTh極性化の割合に影響を及ぼすかフローサイトメーターを用いて検討した(IFN-g(Th1)、IL-4(Th2)、IL-17(Th17))が、直接影響を与えることは検出されなかった。そこで、マクロファージのM1、M2分化についてその影響を各種マクロファージマーカーのmRNA発現で検討した。しかし、珪酸曝露の有無はM1、M2分化には影響しなかった。しかし、興味深いことに粒子コントロールとして設定した酸化チタンの群でM2マクロファージマーカーのCD163およびIL-10発現の亢進を見出した。 本研究ではTLRリガンドによる細胞極性への影響は明らかにならなかったが、サイトカインプロファイリングが変化していることから、必ず他のメカニズムがあると考えられる。
|
Report
(2 results)
Research Products
(3 results)
-
-
[Book] Allergy and Immunotoxicology in Occupational Health - The Next Step2020
Author(s)
Lee S, Yamamoto S, Hayashi H, Matsuzaki H, Kumagai-Takei N, Hatayama T, Yu M, Ysoshitome K, Kusaka M, Nishimura Y, Otsuki T.
Total Pages
17
Publisher
Springer Japan
Related Report
-