Project/Area Number |
20K10446
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 58020:Hygiene and public health-related: including laboratory approach
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
齊藤 麻理子 (小畑麻理子) 東北大学, 医学系研究科, 助教 (80404234)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2022: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
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Keywords | チクングニアウイルス / 蚊媒介性感染症 / フィリピン / 日本脳炎ウイルス / 遺伝子型 / 流行株 / 感染症 |
Outline of Research at the Start |
本研究は感染症数理モデルを用いてチクングニアウイルスのフィリピン国内における伝播速度や流行に影響する因子を明らかにしようとするものである。フィリピンにおいて2011年時点ではアジア型のみでECSA型は報告されていなかったが、我々は2012年後半にフィリピンにECSA型が流入したタイミングを捉えることに成功した。本研究ではその後のECSA型の伝播を追跡するために、2019年までの全国サーベイランスで得られた検体を用い、遺伝子型の確定および塩基配列の決定を行う。さらにそれらの疫学データも入れた数理モデル解析を行う。
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Outline of Annual Research Achievements |
チクングニヤウイルスと同様にフィリピンで流行している蚊媒介性感染症の日本脳炎について、媒介蚊から日本脳炎ウイルスを検出したこと、フィリピンでは依然としてGenotype3が主に流行していることを国際誌に発表した。他のアジア諸国ではGenotype 1が主流であることから、チクングニアと同様、フィリピンでの蚊媒介性感染症は近隣諸国とは異なるウイルス株が流行していることが分かった。島国であるフィリピンにおける蚊媒介性感染症の感染伝播経路は他のアジア諸国とは異なっていることが示唆された。
さらに、ターラック州で飼育されている約200頭のブタから採取した血清を用いた実験結果に対し統計学的解析を行った。ブタにおける抗日本脳炎ウイルスIgGはブタの年齢(月齢)が上がるについて有意に増加していた。一方、IgMについては年齢による差異は認められなかった。 ブタの血液および鼻ぬぐい液からもRT-PCRでウイルスが検出され、蚊と同じGenotpye 3であったが、系統樹では異なるクレードに属するものもあった。鼻ぬぐい液からのウイルス検出は感染ブタが蚊を媒介せずに他の個体へ感染させる報告は既報にもあったが、ターラックのようなヒトと近い場所ではさらにその感染リスクが高まることが改めて示唆された。 本研究の対象とした約80のHouseholdにおいて、IgM, IgG, RT-PCRのいずれかが陽性となった家庭数は8割以上にのぼり、対象地域においては日本脳炎ウイルスが広く蔓延していることが判明した。当該成果について国際誌に再投稿中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
COVID-19流行対応の影響でRITMの実験体制は大きく変わっており、COVID-19以外の研究を現地で推進するには時間的、物理的にかなり制約があることが伺えた。また現地研究者との打ち合わせをRITMにて対面で行い、COVID-19以降はチクングニヤのナショナルサーベイランスがあまり進められていないことが分かった。
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Strategy for Future Research Activity |
チクングニアについてはRITM側のPIを打ち合わせを行い、既存の検体から検査をすすめていくこととした。ただし、RITMで行うには物理的な制約(実験室の利用スケジュール)、マンパワーの問題があり、それらの解決・調整に時間がかかっている。 一方、フィリピンにおける日本脳炎に関してはブタでのサーベイランス結果について現在2報目を準備している。昨年度、一度投稿したがRejectとなり、現在再投稿中である。今年度中のアクセプトを目指す。
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