Project/Area Number |
20K10505
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 58030:Hygiene and public health-related: excluding laboratory approach
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
横田 賢一 長崎大学, 原爆後障害医療研究所, 助教 (90754622)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三根 眞理子 長崎大学, 原爆後障害医療研究所, 客員教授 (00108292)
高村 昇 長崎大学, 原爆後障害医療研究所, 教授 (30295068)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥2,600,000 (Direct Cost: ¥2,000,000、Indirect Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2022: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2020: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
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Keywords | 原爆被爆者 / 入市被爆 / 残留放射線 / 放射線影響 / がん死亡 / 入市被爆者 / 地形遮蔽 / 低線量被曝 / 疫学研究 |
Outline of Research at the Start |
長崎原爆において爆発後の残留放射線で被曝した人を対象に、約50年間にわたる蓄積データに基づく長期追跡を行い、推定される被曝の程度とがん死亡などの健康影響との関連を調べる。原爆被爆者には爆発直後に周辺地域等から家族捜索や救援で爆心地付近に立ち入ったため、残留放射線で被曝した入市被爆者が含まれている。また、長崎は山や起伏が多いため地形遮蔽のため初期放射線による被曝を免れたが、入市被爆者よりも爆心に近かったため、より早期に爆心地付近に近づいた可能性がある。これらの人から比較的被曝線量が高いと考えられる人とそうでない人について、その後のがんによる死亡リスクを比較し、被曝との関連を検討する。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究は原爆の残留放射線被曝による人体への健康影響評価を疫学研究として行うことを目的としている。対象は原爆投下時に長崎市外や市内の山蔭など地形遮蔽地域に居た人で爆発時の直接放射線は免れたが、爆発直後に家族の安否確認や救援のため爆心周辺地区に立ち入り、環境中の残留放射線に被曝した、いわゆる入市被爆者とした。原爆被爆者データベースに登録された長崎市の原爆被爆者コホートから約1万5千人の入市被爆者を抽出した。評価の上での曝露要因である放射線被曝線量については、入市被爆による個人の被曝線量は情報がなく推定できないため、これに代わる指標として立ち入った場所、時刻および滞在時間(入市情報)を用いることとしている。また、アウトカムは1970年から現在までの長期観察によるがん死亡としている。個人ごとの死亡日、死亡原因の情報により、がんによる死亡までの期間について、入市情報との関連を評価する。評価では交絡要因となる性、被爆時年齢等で調整を行うと共に飲酒、喫煙などの生活習慣に関する情報の利用可能性も検討することとしている。入市情報については紙媒体をスキャンした画像を参照することができるが、データ解析に使用できるようデータ化はされていなかったため、本研究を実施するにあたりデータ化を行うこととした。 本研究は3年間の計画のうち初めの2年間で解析データを作成し、最終年度においてデータ解析と結果の評価を行うこととしていたが、入力要員の確保が難しかったことから、進捗が遅れた。初年度(令和2年度)は、対象の抽出とデータ入力システム等の開発など体制を整えた。令和3年度には人員の確保ができデータ入力を進めた。令和4年度には残りのデータ入力と誤入力の修正、整合性のチェックなどのデータ・クリーニングに着手した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
令和2年度には入市情報データを作成する対象抽出と入力システムの開発を行った。長崎大学原爆後障害医療研究所の原爆被爆者データベースに登録されている1970年1月1日時点に長崎市に居住していた原爆被爆者の固定研究集団(コホート)約7万人から入市被爆者15,214人を抽出した。このうち10,167人は投下時に長崎市外にいた人で、5,047人は市内にいたが、山蔭等の地形遮蔽地域にいた人であった。入力対象者について入市日、爆心からの距離で重み付けを行い、入力順序をランダム化した。行動記録は自記式の自由記述であるためデータ化の際に入力者の解釈による差異を軽減するため、ダブルエントリーを行うこととし、これに対応する入力システムを設計、開発した。入力は立ち入った地区名、時刻、滞在時間について投下当日から48時間後までは1時間単位、その後は3日後まで半日単位、さらに4日後以降は日付にチェックを入れる方式とした。行動記録に詳細が記載されていない場合は通過(1時間以内)、捜索など(6時間未満)、宿泊など(6時間以上)、不明とした。当初、初年度のデータ入力は3か月間を計画していたが要員確保ができず1か月間となった。令和2年度末時点の入力済は試験的に先行させた入力を含め約1,000件(進捗割合6.6%)であった。 令和3年度は要員が確保でき、本格的なデータ入力作業に着手した。さらに本研究所資料収集保存・解析部の協力も得られ最大4名体制とし、令和3年度末時点で約90%の入力を完了することができた(月あたり約1,000件)。 令和4年度はデータ入力を継続し、完了した。入力対象として抽出した15,214人のうち、記録がなかった381人を除く14,833人(97.5%)のデータを作成できた。解析に向け、データ・クリーニング、整合性の確認を行った。進捗の遅れから解析着手には至らなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
令和5年度は、引き続きデータ・クリーニングを継続しながら、基礎的な集計や試験的に必要な情報の連結を行い、必要に応じてデータ修正や不足データの追加入力等を行う予定である。その後、比較対照群の抽出、死亡情報、その他の調整要因の連結し解析データを作成し、調整要因として重要な飲酒、喫煙に関する情報の利用可能性も検討を行い、解析を行っていく。
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