生前の臨床症状をふまえ死後変化を予測した死後の処置方法の検討
Project/Area Number |
20K10598
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 58050:Fundamental of nursing-related
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Research Institution | Department of Clinical Research, National Hospital Organization Kyoto Medical Center |
Principal Investigator |
片山 知美 独立行政法人国立病院機構(京都医療センター臨床研究センター), 臨床研究企画運営部, 研究員 (30510812)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
橋本 裕 東邦大学, 看護学部, 講師 (10510810)
森岡 広美 関西医療大学, 保健看護学部, 准教授 (80641662)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥3,510,000 (Direct Cost: ¥2,700,000、Indirect Cost: ¥810,000)
Fiscal Year 2023: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2022: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2020: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
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Keywords | 死後の処置 / エンバーマー / 看護基準・手順 / 死後処置 / COVID-19 / 死後変化 / QOD / 生前の臨床症状 |
Outline of Research at the Start |
本研究では、生前の臨床症状が遺体の死後変化に及ぼす影響を明らかにし、生前の臨床症状をふまえ死後変化を予測した死後処置の方法を確立させることが目的である。 袖井(2012)によれば、死の質を考えることは、生の質を考えることに繋がるとされてい る。我々の研究成果においても、遺体が穏やかな表情や姿であることは、家族のQOL(Quality of Life)に前向きな影響を与えることが明らかになっており、生前の臨床症状から死後変化を予測し科学的根拠に基づく死後処置のあり方を検討することは、亡くなられた方の尊厳を守るだけではなく、残された家族のグリーフケアにおいても重要である。
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Outline of Annual Research Achievements |
今年度は3件の調査を実施した。まず、特定機能病院を対象とした死後処置に関する看護基準・手順書(マニュアル)の実態調査では、複数施設の死後の処置に関する看護基準・手順書において共通する手順や考え方を抽出するとともに、異なる手順や考え方を明らかにすること、さらに感染予防に関する手順などがどのように示されているのかを検討した。その結果、国内の特定機能病院87施設に死後処置に関する看護基準・手順書(マニュアル)の提供を依頼し、19施設から情報提供が得られた。現在、質的に分析を進めるとともに、テキストマイニングを用いた量的解析を進めている。 次に、葬祭業に携わる人々を対象とし、遺体からの接触感染リスクの実態と精神健康への影響に関する質問紙調査を実施した。調査は、一般社団法人 日本遺体衛生保全協会(IFSA)の協力をえた。調査対象者は遺体衛生保全を仕事とし、ご遺体の消毒や防腐措置、修復から化粧など医学と科学の知識を有した専門資格で国内でその資格を有し活動しているエンバーマーとした。その結果、198名に調査を依頼し176名から回答が得られた(回収率88.89%)。なお、現在、量的分析を進めている。 最後に、病院で勤務する看護師を対象とし、看護師により行われている死後の処置に関する質問紙調査を行った。この調査では、看護師が日ごろ実施している死後処置の実態と看護師が知っている死後変化についての知識との関連を検討することを目的とした。その結果、特定機能病院22施設から同意が得られ、そこで勤務する看護師1009名に調査を依頼、700名から回答が得られた。現在、分析を進めている段階である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
COVID-19の世界的な感染拡大により、本研究課題の主テーマである死後の処置は、病院のみならず葬祭業において様々な変更が余儀なくされた。そのため、調査実施までに大幅な遅れが生じた。さらに、海外への渡航制限などから海外における知見の収集にも影響が出た。こうした状況から、当初の計画通りに進めることはできておらず、本研究課題の進捗状況は、やや遅れている状況である。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度以降において、死後処置に関する看護基準・手順書(マニュアル)の分析ならびに、看護師、葬祭業者を対象とした実態調査のデータを分析していく。また、これら結果をもとに、共同研究者2名と共に生前の臨床症状が死後の変化に及ぼす影響を検討する。さらに、法医学の専門家、エンバーマー、納棺師、葬祭業に携わる者、感染管理認定看護師などの感染の専門家、看護基礎教育に関わる者らでバズセッションを行い、看護学のみならず、法医学、遺体管理学、感染管理学などの視点から生前の臨床症状をふまえ死後変化を予測した死後処置の方法を検討していく予定である。
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Report
(3 results)
Research Products
(1 results)