精神科病院における長期入院患者の終末期に対する意思決定支援
Project/Area Number |
20K10816
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 58060:Clinical nursing-related
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Research Institution | Kanagawa Institute of Technology |
Principal Investigator |
田代 誠 神奈川工科大学, 健康医療科学部, 講師 (40867298)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柴田 真紀 神奈川工科大学, 健康医療科学部, 教授 (10286370)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,030,000 (Direct Cost: ¥3,100,000、Indirect Cost: ¥930,000)
Fiscal Year 2023: ¥390,000 (Direct Cost: ¥300,000、Indirect Cost: ¥90,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
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Keywords | 意思決定支援 / 精神科 / 終末期 / 長期入院患者 / 看取り |
Outline of Research at the Start |
精神科病院では長期入院患者の死が増加しているが、患者らは疾患や障害によって死の認識ができないことや臨終までの過程について自己決定することができない。また重要他者である家族は不在であることや精神科病院における身体合併症の治療や看護の整備不十分、終末期ケアに不慣れな職員といった課題もあり、十分な終末期ケアが提供されていない。 本研究は、看護師に対して精神科病院の長期入院患者に対する死や終末期に対するケア実践について実態調査を行い、終末期医療で展開されているアドバンス・ケア・プランニングの導入に向けた検討と介入を試み、長期入院患者の終末期に対する意思決定支援について明らかにする。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、精神科病院における長期入院患者の意思決定支援を明らかにすることを目的としている。人生の最終段階における医療の決定プロセスに関するガイドラインで用いられているアドバンス・ケア・プランニング(ACP)を精神科病院の長期入院患者に導入し、充実した終末期医療・看護が展開されることを目標としている。 ACPの導入に向け、精神科看護師に対して長期入院患者の終末期における意思決定の支援方法の教育プログラムが必要であると考えた。教育プログラム導入の第1段階として、令和4年度は1つの精神科病院でスタッフ教育の役割を課せられた役職にある6名と意思決定支援のための介入方法や教育プログラムについて月1回検討を実施した。 実施方法は、長期入院患者をめぐる終末期の課題や意思決定支援の必要性の共通理解をするために研究者ならびに緩和ケア認定看護師を招聘した講義と病棟での取り組みと課題について意見交換の場を設定しながら進めた。しかし、感染流行下における影響での中止や勤務状況の影響を受け、具体的なプログラム構築の検討には至らなかった。その代替えとして、精神障害者に対する看護方法として、意思決定支援が行えるような病棟での工夫やスタッフ支援の取り組みについて看護主任の実践を語ってもらいながら教育プログラムの内容の見直しを行った。語りではカンファレンスの場を有効に活用しながら患者の願いや思いが表出できるようなコミュニケーション方法の検討や看取り時の看護実践への考え方などについて検討を繰り返しているという意見が多く聞かれた。その一方で医師の考え方との対立など新たな課題も見受けられた。 今後、精神科病棟での意思決定支援の看護実践をさらに集約しながら、看護管理者が終末期に対する看護への期待や課題について研究計画に追加していくこととした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
コロナ禍ではあるが研究方法を模索し、対面でのデータ収集が適切であると考えていたためデータ収集に苦慮した。具体的には、当事者に対するACPの実践への倫理的配慮の課題や死に触れることで精神状態への影響を含めた当事者ならびに医師への協力依頼の困難さ、精神科看護師への意思決定支援に関する具体的な教育方法の検討とACP実施方法に対する議論が十分にできていない。
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Strategy for Future Research Activity |
精神科病院で終末期を迎える患者の増加という事実から、患者の人生最終段階における意思決定を支援する体制づくりが必要である。現在の精神科病院では、このような局面を迎えている患者への支援体制は乏しく、終末期・看取りに対する医療・看護体制としての課題が山積している状態でもある。そこで、患者自身で意思決定や意思形成ができることを前提に、終末期への多職種協働による支援体制、ACP導入に対する方法、終末期の看護管理体制の確保や人員確保、看護師等への教育などの方策を検討する必要がある。 令和5年度は、長期入院患者の終末期の意思決定支援に対する組織づくりとして、複数の看護管理者を対象に精神科看護師への具体的な教育方法とACP実施に対する考えについて調査していく。
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Report
(3 results)
Research Products
(2 results)