Project/Area Number |
20K10820
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 58060:Clinical nursing-related
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Research Institution | Hyogo Medical University (2022-2023) Osaka Medical and Pharmaceutical University (2020-2021) |
Principal Investigator |
府川 晃子 兵庫医科大学, 看護学部, 教授 (30508578)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥2,210,000 (Direct Cost: ¥1,700,000、Indirect Cost: ¥510,000)
Fiscal Year 2022: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2021: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2020: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
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Keywords | がん看護 / 肺がん / 高齢がん患者 / がん薬物療法 / がん薬物治療 / 分子標的薬 / 外来看護 / 分子標的薬治療 |
Outline of Research at the Start |
本研究の目的は、研究者が先行研究で開発した「外来で分子標的薬内服治療を受ける高齢肺がん患者の自己管理支援プログラム」を臨床適用し、介入群と対照群の比較によって、プログラムの有効性および有用性を評価することである。本プログラムは、高齢肺がん患者を対象にしたインタビュー調査の結果をもとに作成し、患者が自身の望む生活や自分らしい生き方を看護師とともに振り返りながら、生活に合った自己管理の方法を考えるものである。
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Outline of Annual Research Achievements |
我が国では人口の高齢化に伴い高齢者の肺がん罹患率が上昇している。特に肺がん治療の分野では早期から遺伝子変異に対応した分子標的薬の開発が進められ、高齢患者でも外来で分子標的薬の内服治療を受けることが一般的になっている。しかし、外来で分子標的薬の内服治療を受ける高齢患者は、多忙な外来診療の場面において適切な看護支援を受けられていない。抗がん薬の内服による治療を受けている患者向けの、薬剤に関するパンフレットなどの教育的資料は散見されるが、既存の資料や教育プログラムの多くは患者の知識を向上させることをめざしており、高齢患者のニードに合ったものとは言えない。本研究では、研究者が開発した「外来で分子標的薬内服治療を受ける高齢肺がん患者の自己管理支援プログラム」を臨床適用し、プログラムの有効性および有用性を評価し、看護師が患者の個別性に合った支援を効果的に実施できるよう、外来看護の質向上を目指すことを目的としている。本プログラムは先行研究である高齢肺がん患者からのインタビューをもとに作成しており、患者が自身の望む生活や自分らしい生き方を看護師とともに振り返りながら、生活に合った自己管理の方法を考えるものであり、高齢患者の現状に即した内容となっている。さらに2019年から広がったCOVID-19感染による高齢者の重症化リスクが高いことは知られており、原疾患や治療、副作用以外にも不安を抱えることになった肺がん高齢患者が安心して安全に治療を続けていくための、きめ細やかな支援の助けになると考える。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
2023年度はプログラムを活用した介入のプレテストとして、外来に通院中の高齢肺がん患者を対象として研究対象者のピックアップを行う予定であった。しかしCOVID-19の影響も残る状況で、感染に対し脆弱である肺がん高齢患者に対する呼吸器内科における介入研究が困難であったこと、研究者の所属する大学で急遽退職者が出たことで研究に割ける時間がなかったことから、実際の介入には至らなかった。また、2023年度以前に行った介入事例でも「感染予防のために社会的交流を減らしている」などの対処を行っており、患者のセルフマネジメントに関する現状やニーズが変わっている可能性が示唆された。そのことから、高齢がん患者がコロナ禍で必要としている具体的なサポート、特に高齢がん患者の特徴を明らかにするための調査を行い、プログラムのブラッシュアップを行うこととした。
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Strategy for Future Research Activity |
現在がん患者・サバイバーを対象としたソーシャルサポートと心理的状況に関するオンライン調査を行い、その結果をまとめている。概要として、65歳以上の高齢がん患者・サバイバーは成人に比べてソーシャルサポートを得られている割合が高く、中等度以上の不安・抑うつを抱えている割合が低い傾向にあった。同時に高齢がん患者は、成人がん患者に比べて「周囲の人に自分の疾患について話せる」と感じている傾向があり、がんやそれに関連する困難について相談しやすい環境が、心理的状況へ良い影響を与えている可能性が示唆された。しかし、ソーシャルサポートの中でも「道具的サポート」については成人患者と有意差がなく、高齢がん患者が家事や身の回りの援助、経済的なサポートなどをうまく活用できるような支援を手厚くする必要性があると考えられる。 今後はオンライン調査の結果をさらに整理して介入プログラムに反映させ、実際の介入を行っていく予定である。
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