Project/Area Number |
20K10900
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 58070:Lifelong developmental nursing-related
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Research Institution | Aichi Medical University |
Principal Investigator |
山本 弘江 愛知医科大学, 看護学部, 准教授 (80251073)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金子 一史 名古屋大学, 心の発達支援研究実践センター, 教授 (80345876)
池田 真理 東京大学, 大学院医学系研究科(医学部), 教授 (70610210)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥3,640,000 (Direct Cost: ¥2,800,000、Indirect Cost: ¥840,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2022: ¥390,000 (Direct Cost: ¥300,000、Indirect Cost: ¥90,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
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Keywords | 子育て支援 / 家族 / メンタルヘルス / 産後うつ / ソーシャルキャピタル / 育児休業法 / 父親 |
Outline of Research at the Start |
現在、子育ての孤立化と家族のメンタルヘルスの問題が指摘されている。これに対し、母親だけでなく父親を含めた家族支援が重要であり、夫婦が互いを配慮しながら仕事と両立して子育てを行えるよう、ソーシャルキャピタルを醸成することが重要である。 そこで本研究は、夫婦間のメンタルヘルスモニタリングと相互サポートを軸とした家族支援プログラムを開発するとともに、父親の育児休業取得の促進につながるソーシャルキャピタルのあり方を検討する。これにより、父親が効果的に育児に参加でき、母親のメンタルヘルスの悪化の予防と早期発見が可能となり、子どもを育てることに期待が持てる社会の実現に貢献ができると考える。
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Outline of Annual Research Achievements |
子育て期の夫婦のメンタルヘルスの実態とその関連について、産後1か月、3か月、6か月時のダイアディックデータ(147組の夫婦)を用いて、詳細な分析を行った。 夫婦の産後うつの実態について、母親のEPDS得点は、産後1か月から6か月にかけて徐々に低下する傾向があることが明らかとなった。一方、父親のEPDS得点は産後1か月から6か月にかけて徐々に増加することが明らかとなった。 また、本研究では父親の産後うつに注目し、産後うつの予測尺度であるPDPI-Rを父親に初めて用いて、6か月時の父親のEPDS得点に影響する要因を検討した。この結果、6か月時の父親のEPDS得点の平均は4.09±4.39で、1か月時のPDPI-R合計得点と有意な相関が認められた(rs=.445 p<.001)下位尺度との関連では、低い自尊心 (F3)、出生前不安 (F5)、社会的サポートの欠如 (F8)、生活上のストレス (F10)、育児ストレス (F11)に有意な相関が認められ、重回帰分析の結果、社会的サポートの欠如(F8)と生活上のストレス(F10)との間に有意な関連性が示された (R2=.244 p<.001)。この結果は、The International Marce Society for Perinatal Mental Health 2024 Conference バルセロナ大会にて口述発表を予定している。 令和4年4月の改正育児介護休業法の施行に伴い、父親の育児休業取得が加速している。父親が産後早期から育児に関わることが増える一方で、父親のメンタルヘルスの問題が深刻化することが予測される。社会的サポートの欠如がその要因として明らかとなっていることから、父親の育児参加に伴うソーシャルキャピタル醸成への支援を検討していく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナの影響を受け、当初の計画にある追跡調査を行うことはできていないが、分析を加えること一定の成果を得ることが出来ている。 父親の縦断データの分析結果から、父親のメンタルヘルスの問題の要因として、社会的サポートの欠如があることを明らかにした。また、ダイアディックデータから、夫婦の関連についても産後6か月時に関連が認められることを明らかにした。夫婦の関連をふまえ、今後、父親の育児参加に伴う支援の方策を検討を行う予定であり、そのための情報収集と更なる分析を行っている。
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Strategy for Future Research Activity |
改正育児介護休業法の施行による父親の育児休業に伴う父親のメンタルヘルスへの影響についてデータ収集を行うには時期尚早と考え、研究計画を変更することとした。父親のEPDS得点とPDPI-R得点との関連から、父親のソーシャルサポートの欠如には、夫婦や身近な家族や友人といった課題があることが示唆されていることから、父親の支援について夫婦のダイアディックデータをさらに分析し、ソーシャルサポートに関する父親と母親の認識の差についても注目していくことを計画している。父親の支援について、何を求めているか、産後1か月および3か月時の夫婦の質的データを分析し、ソーシャルキャピタルの醸成に向けた支援を検討していくことを計画している。
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