Project/Area Number |
20K11008
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 58080:Gerontological nursing and community health nursing-related
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Research Institution | Kansai University of International Studies (2023) Gifu University Of Health Science (2021-2022) Kobe Tokiwa University (2020) |
Principal Investigator |
畑 吉節未 関西国際大学, 保健医療学部, 教授 (10530305)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
畑 正夫 兵庫県立大学, 地域創造機構, 教授 (40596045)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,420,000 (Direct Cost: ¥3,400,000、Indirect Cost: ¥1,020,000)
Fiscal Year 2023: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2022: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
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Keywords | 看護理論の構築 / 在宅災害看護 / 地域包括ケアシステム / 災害看護理論 |
Outline of Research at the Start |
新潟中越地震(2004年)や東日本大震災(2011年)に加え、近年の豪雨災害等の被災地を対象に以下2点のアプローチを行う。 ①訪問看護師などによる災害看護実践行動の語りを収集し、在宅療養者が直面したリスクと対処行動を明らかにするとともに、災害が地域包括ケアシステムに与えた影響とその構造を明らかにする。それをもとに、 ②地域包括ケアシステムのもとでの災害対応のあるべき姿を提示し、事前の備えから復興期までの一連の災害サイクルに適用できる療養者の「生活の持続と再構築」に関する看護理論の構築を行う。
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Outline of Annual Research Achievements |
1.構築すべき理論が複合災害にも対応でき、オールハザードアプローチを求めるWHOがその実現を求める「災害健康危機管理」(Health-EDRM)の枠組みを得られたハザードの語りに適合できるように検討を深めた。とりわけ、シングルハザードからオールハザードに対応できるよう、在宅看護実践が平時及び非日常に対応できるよう、そこにある脆弱性と受容性に焦点を当てて検討を進めた。そのために、在宅ケアを一つの事業所で統合的に提供する「看護小規模多機能介護」を事例に、これまでの検討結果を重ね合わせ、コアとなる課題の抽出を図った。 2.在宅看護においては、その人のウェルビーングを高めるための持続可能な関わりが不可欠である。そのために基本モデルの構築に当たっては療養者が災害に遭遇しても病みとともに生きることの意味を損なわないように、「病みの軌跡」とコービンとシュトラウスが述べるように長期を展望して健康危機と向き合うことができるように基本モデルを療養者中心のモデルへと発展するよう検討を行った。 3.検討に当たっては抽出したキーワード(例)をもとに、療養者像を「病気や障害とともに生きる」、「暮らしの場で生きる」の両側面から、ケアの在り方を「他の専門職との連携・協働」から、地域のなかで多様な主体とともに「生きる」を「持続可能」にすることから、それぞれの視点をもとに災害時の看護実践行動モデルの精緻化を図った。 4.「行動制約」、「ケア提供のアプローチの変容」、「持続不可能性を孕むケア提供基盤」など、新興感染症下で経験した影響を踏まえ、災害の差異と共通性について検討を行い、災害時の看護実践行動の基本モデルへの反映を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
1.新たな研究協力者の協力をもとに、基本モデルを実装する際に踏まえておくべき隘路の探索を行うなど、実効性を高めるための検討を行った。こうしたなかで、被災経験を持つ在宅看護師のなかでも、災害の多様性、日常との繋がりを明確にすることが難しく、さらなる語りの収集と分析の必要性に直面した。
2.こうした課題を解消するためにも、対象者中心の在宅看護の提供を行うために不可欠な利用者の視点を得るために、語りの収集を行うなど、看護提供者と多職種、それを支える社会システムはもとより、利用者との相互関係のなかで実践に必要な視点を抽出することとし、現在、新たな主体の視点からの語りの抽出を進め、対応を行っている。
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Strategy for Future Research Activity |
1.検討・作成した基本モデルをもとに、その実効性を高めるために、これまでの語りの収集に新たな語りを合わせ、典型的なモデルケースとして形成する。それらは異なる研究者や実務者が同じ概念、理論を一貫して理解するためのモデルケース及び相反するケースをとなるものを作成することを予定している。また、専門職が教育や訓練の場ではそれらのモデルケースを用いて提案する理論を学ぶための方略に必要な学習ポイントの抽出を行う。 2.これに並行して、対象者中心の在宅看護の提供を行うために不可欠な視点を得るために、広がる在宅看護の場に適応できるように看護提供者と多職種、それを支える社会システムはもとより、利用者との相互関係のなかで実践に必要な視点を抽出するための新たな主体の視点からの語りの抽出を進め、基本モデルにフィードバックする。 3.得られた理論の実装に向けて、療養者の「生活の持続と再構築」を可能にするコミュニティとの関係性を深化させるような環境整備のために、看護教育が果たす役割を検討するために、頻発する災害に対応するために地域で進む防災・減災コミュニティの活動との接点を探る。 4.研究期間の成果と今年度の取組をもとに、成果のとりまとめを行う。
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