行政保健師のワーク・エンゲイジメントを高める取り組みと強化モデル構築に関する研究
Project/Area Number |
20K11016
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 58080:Gerontological nursing and community health nursing-related
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
五十嵐 久人 信州大学, 学術研究院保健学系, 教授 (90381079)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
奥野 ひろみ 信州大学, 学術研究院保健学系, 教授 (60305498)
高橋 宏子 信州大学, 学術研究院保健学系, 准教授 (80195859)
横川 吉晴 信州大学, 学術研究院保健学系, 准教授 (50362140)
石田 史織 信州大学, 学術研究院保健学系, 講師 (20710065)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,420,000 (Direct Cost: ¥3,400,000、Indirect Cost: ¥1,020,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,950,000 (Direct Cost: ¥1,500,000、Indirect Cost: ¥450,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
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Keywords | 行政保健師 / ワーク・エンゲイジメント |
Outline of Research at the Start |
近年、職域のメンタルヘルス対策は、個人に向けた活動に限らず、組織全体の活性化を視野に入れた予防的な対策を行うことが重要とされている。この考え方の一つとして、ワーク・エンゲイジメントが提唱され、産業保健分野で広く活用されている。 本研究では、行政保健師のワーク・エンゲイジメントを高める組織的な取り組みに関する実態把握を通して、特徴や課題、促進要因、阻害要因を明らかにする。それらの結果を基に行政保健師のワーク・エンゲイジメントの向上の為の組織的な取り組みに関する方策を検討し、支援モデルを構築することを目的とする。
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Outline of Annual Research Achievements |
本年度は以下のことを実施した。 情報の蓄積と研究課題解決に向けた仮説を検討するため、自治体の保健部門に所属する保健師を対象にワーク・エンゲイジメントに関する組織的な取組や課題、離職状況などに関するインタビューを継続して実施、現場の実態や取り組みに関する情報収集を行った。 結果、ワーク・エンゲイジメントを高める為の「仕事の資源」として、スキルアップの為の研修参加機会の充実、新人保健師にはプリセプターの配置を通した指導体制や相談し易い環境作りなどに配慮しているが、新型コロナウイルス感染症の影響を受け、研修会の機会が減り、開催できてもオンラインとなるなど、他自治体保健師と対面での交流機会が減少することで、情報収集・交換の機会が減少していた。特に新人保健師においては、こういった機会の減少により、自身の活動の振り返りなどの機会が少なく、職業的アイデンティティの形成に影響を及ぼしている可能性が考えられた。管理期の保健師からは、コロナ対応に追われ、疫学調査を日々繰り返す業務に疲弊する職員や、保健師として携わりたいと考えていたヘルスプロモーション活動の実施が難しい環境に対して、やり甲斐を感じられないといった理由から離職に繋がったケースがあったという話も聞かれ、新型コロナウイルス感染症の影響がワーク・エンゲイジメントにも大きな影響を及ぼしていることが伺えた。人口規模の小さな自治体の中には、必要な保健師数を確保すること難しく、慢性的な人員不足の為、研修会参加が十分でできないという声や、職場内での先輩保健師の数が少なく、新任期の保健師のお手本となるロールモデルが不在となり、キャリアプランなどをイメージしづらい状況となっているという声がきかれた。 これまでのインタビュー結果などが今後のアンケート調査実施の際の仮説の設定や調査項目の精選に繋がっている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
情報収集として、自治体の管理職およびスタッフ保健師を対象にインタビューを継続実施した。感染防止に配慮した対応として、オンライン会議システムを利用したインタビューが利用できる環境を整え、県内外の保健師から貴重な情報を宇得ることができた。しかし、長野県内の行政機関内では、オンライン会議システムの利用に制限がある自治体が多く、対面によるインタビューも必須となった為、必要な情報量を得る為、当初予定よりもインタビュー実施に多くの時間を要した。また、新型コロナウイルス感染症の拡大期には、保健師の現場が多忙となり、インタビューの実施が困難になるなど、当初スケジュールから遅れが生じ、アンケート調査の実施に至らず、遅れが生じている。しかし、自治体保健師のワーク・エンゲイジメントの特徴などの抽出、アンケート調査実施に向けた基礎的な情報を得ることができており、今後の研究推進に向け有意義な結果が得られている。
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Strategy for Future Research Activity |
これまで実施してきたきたインタビュー、行政保健師向けのワークショップの開催などにより、多くの情報が蓄積され、アンケート調査実施に向けた環境が整いつつある。引き続き、アンケート調査実施に向けた調査項目の精選を行うとともに、調査実施に向けた準備を進める。 今後は県内の自治体を対象としたパイロットテストを実施し、問題点の抽出と改善を行い、その後の全国調査の向けた準備を行う。
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Report
(3 results)
Research Products
(1 results)