Development of a Risk Management Model for the Elderly at Home to solve the Increasing Number of Emergency Transports
Project/Area Number |
20K11142
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 58080:Gerontological nursing and community health nursing-related
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Research Institution | Toyohashi Sozo University |
Principal Investigator |
蒔田 寛子 豊橋創造大学, 保健医療学部, 教授 (10550254)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川村 佐和子 公益財団法人東京都医学総合研究所, 社会健康医学研究センター, 研究員 (30186142)
大野 裕美 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 准教授 (60639607)
為永 義憲 豊橋創造大学, 保健医療学部, 助教 (10802639)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥2,730,000 (Direct Cost: ¥2,100,000、Indirect Cost: ¥630,000)
Fiscal Year 2022: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
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Keywords | 救急搬送 / 在宅高齢者 / リスクマネジメント / 多職種連携 / 救急車 / 救急車非適正利用 / 高齢者 / 連携 |
Outline of Research at the Start |
超高齢社会を背景に、多職種連携による支援システムが構築されつつある。一方で在宅高齢者の救急搬送は増加傾向にあり、緊急度が低いものを含むことから、救急車の適正利用の点で深刻な問題である。しかし、有効な解決策はなく、救急搬送患者への支援システムの構築は進んでいない。そのため本研究では、救急車の非適正利用をリスクと考え、解決策として「救急車を利用する在宅高齢者へのリスクマネジメントモデル」を開発する。具体的には、1)救急車を利用する高齢者のニーズと多職種の支援内容、2)高齢者のニーズをふまえたリスク軽減のための支援を抽出し、3)救急車を利用する在宅高齢者へのリスクマネジメントモデルを開発する。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、救急車を頻繁利用していた在宅高齢者が利用しなくなった影響因子を明らかにすることである。研究Ⅰで面接調査を実施し、在宅高齢者の救急車利用への影響因子と支援者の支援内容および在宅高齢者の救急車利用への有効な支援について質的分析を実施した。その結果、在宅高齢者と家族は、困った時には救急車を利用するものという考えがあり、緊急性の高い状態がわからないので、少しの症状の変化でも不安が増強し救急車を利用していたことが明らかになった。そして医師と訪問看護師が身近な支援者となり、緊急性の高い状態を具体的に説明し、いつでも対応する体制をとることで、状態変化に対処できるようになり、救急車を頻繁に利用しなくなっていた。本研究内容は学術集会で発表するとともに、論文を投稿している。 研究Ⅱはデルファイ法による質問紙調査である。研究Ⅰの分析結果を踏まえ作成した調査項目により、第1回の自記式質問紙調査(Web調査)を実施し、結果を分析している。1000名の訪問看護師に調査を依頼し、90名から回答を得た(回収率9.0%)。先行研究を参考に調査分析結果より、同意率が70%以上を合意水準としたところ、在宅高齢者が救急車を呼ばなくなった理由では18項目中14項目に合意が得られた。100%の合意率の項目は「気になることがあればいつでも訪問看護師に連絡できる」であった。在宅高齢者への支援では、21項目中20項目に合意が得られた。100%の合意率の項目は「医師と訪問看護師で症状の管理を行う」であった。また自由記述の項目では「今後の症状変化を予測し支援する」ことが必要との意見が多かった。 第1回の調査結果を踏まえ、同意率が70%以上の項目と自由記述の意見より追加した項目により第2回目の質問紙調査の準備をしており、令和5年6月に調査を実施予定である。対象者は第1回の質問紙調査の協力者90名である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
COVID-19感染拡大の影響により、研究Ⅰの面接調査ができない期間が長かった。そのため面接調査データの質的分析が予定よりも遅れ、研究Ⅱのデルファイ法による質問紙調査も遅れている。感染拡大の時期は感染予防のため、高齢者・家族への面接実施は困難であり、訪問看護師、医師は非常に多忙で調査協力依頼はできなかった。研究Ⅱのデルファイ法による質問紙調査の調査項目は面接調査の分析結果を踏まえ作成しているため、こちらも遅れている。また面接データは、複数回の研究ミーティングを重ね質的分析を行ったため時間を要しており、質問紙調査実施時期が遅れる原因となっている。
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Strategy for Future Research Activity |
研究Ⅱのデルファイ法による第2回質問紙調査を2023年6月に実施予定である。第1回質問紙調査の回答が90名と少なかったこと、3回目の質問紙調査を実施する期間をとることが難しいことから、デルファイ法による質問紙調査は2回とする。そのため第2回質問紙調査の結果を分析し、在宅高齢者の救急車利用への影響因子と在宅高齢者の救急車利用への有効な支援について明らかにする。 研究Ⅲは、研究Ⅰ・Ⅱの結果をもとにSHELLモデルを使い、「救急車を利用する在宅高齢者へのリスクマネジメントモデル案(以下、リスクマネジメントモデル案とする)」を作成し、訪問看護師と在宅医を対象に、リスクマネジメントモデル案に対する意見を聴取し、妥当性を協議、完成版を開発する。具体的には、訪問看護師と在宅医を対象に、本研究結果を踏まえた会議「救急搬送患者増加の課題解決に向けた有効な支援とは(仮)」を開催し、リスクマネジメントモデル案を提示して意見を聴取する。本会議での意見も加えて、共同研究者と妥当性を協議し、「救急車を利用する在宅高齢者へのリスクマネジメントモデル」を開発する。 研究結果の公表については、今年度は研究Ⅰの論文投稿をしており、「救急車を利用する在宅高齢者へのリスクマネジメントモデル」の開発が完成した後、本研究についても論文投稿する予定である。また、量的調査の結果は学術集会での発表を予定している。 少子高齢化が進むわが国の社会背景などから、救急車を頻回利用する高齢者については、自宅に準じる居宅としての多くの高齢者施設でも切実な問題となっている。高齢者施設では、日頃介護していない家族の意向が複雑に関係し救急車利用に関しては個人差が大きいため、施設職員は判断に困ることも多いのではないかと考える。今後は「救急車を利用する高齢者施設入所者へのリスクマネジメントモデル」の開発に取り組みたい。
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Report
(3 results)
Research Products
(2 results)