特発性正常圧水頭症の認知・精神・行動障害に関連する神経基盤の解明
Project/Area Number |
20K11202
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 59010:Rehabilitation science-related
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
菅野 重範 東北大学, 大学病院, 講師 (00596645)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三須 建郎 東北大学, 大学病院, 講師 (00396491)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,420,000 (Direct Cost: ¥3,400,000、Indirect Cost: ¥1,020,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2022: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
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Keywords | 特発性正常圧水頭症 / アルツハイマー病 / 皮質下性認知症 / アルツハイマー病理 / 拡散テンソル画像 / 安静時機能的MRI |
Outline of Research at the Start |
特発性正常圧水頭症(iNPH)の認知・精神・行動障害の中核は遂行機能障害、無為・無関心、易刺激性であり、皮質下性認知症の特徴を有する。本研究の目的は、皮質下性認知症の特徴とされる症候を含め、iNPHに認められる認知・行動・精神障害に関連する神経基盤を明らかにすることである。近年iNPHではアルツハイマー病理の併存を認めることが判明したため、その有無によって症候、大脳白質障害、脳内ネットワークの活動性がどのように異なるのか、治療後にそれらがどのように変化するのかを詳細に観察し、iNPHの治療成績を向上させる神経心理検査の開発に繋げる。
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Outline of Annual Research Achievements |
2022年度は、東北大学病院高次機能障害科に入院した特発性正常圧水頭症患者のうち、9名から本研究の参加同意を得た。注意機能,遂行機能,記憶能力を中心に評価する神経心理検査に加え、歩行検査,安静時機能的MRIと拡散テンソル画像の撮像、脳血流シンチと線条体シンチの撮像、アルツハイマー病に関連する髄液バイオマーカーの測定が全例において施行された。また,研究代表者が作成した特発性正常圧水頭症の3主徴(歩行障害,認知機能障害,排尿障害)の重症度を評価するアンケートが患者とその介護者の全例において施行され、3主徴に関する病態失認の重症度を全例で評価することができた。 2020~2022年度の研究参加者を含めた安静時機能的MRI画像のデータを用いて、独立成分分析を施行した結果は、2021年度での検討と同様に、研究代表者の先行研究において特発性正常圧水頭症における認知機能との強い関連が示されたDefault mode networkに加え,どの内的、もしくは外的情報に最も関心を向けるのかを制御しているものと推察されているSalience network,意図した行為の実行に深く関連するものと推察される左右各々のxecutive networkを検出することができた。また、拡散テンソル画像のデータを解析することにより、各患者における大脳白質の構造完全性を測定することもできた。2023年度も昨年度と同様に特発性正常圧水頭症患者から研究参加者を募り、上記のデータを収集する予定である。 2020~2022年度に評価した行動データに基づくと、特発性正常圧水頭症患者では3主徴のうち認知機能障害に関する病態失認が顕著であった。認知機能障害に関する病態失認の重症度と安静時脳ネットワークの機能的結合性に関連があるかどうか、またアルツハイマー病に関するバイオマーカーの値に関連があるかどうか検討する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
宮城県における新型コロナウィルスの流行により,2022年度も2021年度と同様に、東北大学病院高次脳機能障害科を受診する特発性正常圧水頭症患者の人数が減少した。また、東北大学病院には新型コロナウィルス感染者を治療するため専用病棟が確保されており、2022年度も特発性正常圧水頭症患者の精査入院に使用できるベッド数が半減したままである。新型コロナウィルスの流行前には、特発性正常圧水頭症患者の研究参加者数が年間20人前後となると予想されていたが,上記の影響を受け実際の研究参加者数はその人数を大きく下回った.
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Strategy for Future Research Activity |
国内の新型コロナウィルスの流行が収まるまでは、現状の研究参加者数で推移するものと予想される。新型コロナウィルスの流行が収まった以降で、年度毎の研究参加者数を極力増やす(目標は25名)予定である。しかしながら、東北大学病院高次脳機能障害科に精査入院する特発性正常圧水頭症の入院患者数が新型コロナウィルスの流行が収まった以降も増加しない場合は、研究期間の延長を検討する方針である。 本研究では安静時機能的MRIの撮像、拡散テンソル画像の撮像に使用するMRI装置を全ての研究参加者において統一させる方針としているため、他の医療機関で精査された特発性正常圧水頭症患者から研究参加者を募集することはしない予定である。
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Report
(3 results)
Research Products
(25 results)
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[Journal Article] Mirror writing and cortical hypometabolism in Parkinson’s disease2022
Author(s)
Shinohara M, Yokoi K, Hirayama K, Kanno S, Hosokai Y, Nishio Y, Ishioka T, Otsuki M, Takeda A, Baba T, Aoki M, Hasegawa T, Kikuchi A, Narita W, Mori E, Suzuki K
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Journal Title
PLoS One
Volume: 17
Issue: 12
Pages: 0279007-0279007
DOI
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太田祥子, 柿沼一雄, 成田渉, 西尾慶之, 川上暢子, 玉懸綾音, 菅野重範, 森原啓介, 森原啓介, 松原史歩, 遠藤佳子, 松田実, 鈴木匡子
Organizer
第46回日本神経心理学会学術集会
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第46回日本神経心理学会学術集会
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