Project/Area Number |
20K11244
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 59010:Rehabilitation science-related
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
中西 淳 順天堂大学, 保健医療学部, 教授 (20255706)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福永 一星 順天堂大学, 保健医療学部, 助教 (80861129)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,950,000 (Direct Cost: ¥1,500,000、Indirect Cost: ¥450,000)
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Keywords | 神経組織再構築機序 / 脳卒中 / 片麻痺 / 拡散強調像 / リハビリテーション / 神経組織修復 / 最新MR検査 / DKI値 / 拡散協調像 / MR撮像 / 神経再構築の可視化 / MR撮像プロトコール / 神経組織再構築 / 可視化 / 錐体路 / リハビリテーション介入 |
Outline of Research at the Start |
MR装置の高磁場化や様々な撮像法、解析方法が開発され、脳組織構造や機能が詳細に観察・解明できるようになった。脳卒中片麻痺患者の虚血による錐体路の神経細胞障害・神経線維損傷を最新のMR撮像法である生体内の拡散を表現する撮像法を用いて、その片麻痺患者における錐体路の状態を把握し、リハビリテーション介入による脳組織の再構築過程を解明することである。脳組織の細胞レベルでの構築の状態が詳細に分かるようになれば、脳血栓溶解術などの適切な治療をより高度に行うことができ、患者のQOLを向上させることが期待できる。
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Outline of Annual Research Achievements |
2020年度にリハビリテーション科と研究内容を再検討し、片麻痺患者の診療過程を確認した。研究目的であるリハビリテーション介入による神経組織再構築機序について、リハビリテーション専門医から患者の運動機能などを含めたQOLを入退院日の患者NIHSS(National Institutes of Health Stroke Scale)とmRS(modified Rankin Scale)で評価することとなった。コロナ禍で救急外来での脳卒中患者動線が変更され、2021年度から2023年まで日勤帯で放射線部放射線技師らとの連携を図り、脳卒中患者における緊急MR検査で拡散協調像(FA、ADC、DKI、NODDIを含む)のMR撮像プロトコールを施行、適応症例に関しては昨年度より錐体路病変の片麻痺患者だけではなく、中心前回、大脳基底核領域、脳幹部も含め皮質脊髄路に急性期脳梗塞を対象とした。このことで片麻痺患者を新たに症例8例経験した。しかし、20年度から23年度まで、MR撮像後拡散強調像をもとに各因子の解析可能な症例は9例であり、患者背景が得られた症例は初年度から5年間に7例と絶対数が極めて少なく、統計学的な有意差がでるのか憂慮された。解析が可能であった症例群では健側と比較してFA値とADC値は低下、DKI値とNODDI-ODの因子は上昇していた。NIHSSでの評価は退院時に7例中5例は正常(NIHSS;0点)となった。リハビリテーションで改善した患者群と4例、リハビリテーション介入後も神経症状が残存した患者群3例であった。これらの結果より、リハビリテーション介入後における神経組織再構築機序を発症時のMR検査の拡散強調像各因子による数値化で可視化し、統計学的有意差を示し学術的な考察を加える。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2022年、23年度は放射線部との連携を強化し、診療時間内に片麻痺患者への対応として、脳卒中患者の緊急MR検査でのプロトコールを確認し、DKI撮像が可能なMR機種で16例の患者を経験した。16例中7例で目的とする拡散協調像の各種因子解析が可能であった。16例中1例は満床で転院しリハビリテーションの評価を得ることができなかった。解析から外れた8例はリハビリテーションの介入がなく転院・脳梗塞再発・小脳病変、脳幹部病変、微小出血を含んでいた。23年度新たに2症例の片麻痺患者を経験した。7例の結果について、患側FA(fractional anisotropy value)値の平均値は0.28、(正常側の平均値:0.32)、患側ADC(apparent diffusion coefficiennt)値の平均値は0.56、(正常側の平均値:0.78)で全て低下した。一方、DKI(Diffusional Kurtosis Imaging)値の平均値は1.113(正常の平均値:0.753)、NODDI-OD(Neurite Orientation Dispersion Density Imaging)値の平均値は0.38(正常側の平均値:0.24)は全てで対側より上昇を示した。以前報告があるように脳梗塞でFA値、ADC値の低下を7例の全例で認めた。既知である脳梗塞で神経線維に異方性に乱れを裏付ける結果となった。今回、DKI値やNODDI-OD上昇を認め、脳梗塞による神経組織における神経突起密度の方向散乱の程度をリハビリテーション介入による患者評価を参照に考察を加え、リハビリテーション介入による神経組織再構築の拡散強調像を用いて可視化を示し、片麻痺患者へのリハビリテーションの選択的な個別化介入の知見を獲得したい。
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Strategy for Future Research Activity |
リハビリテーション介入による患者評価に関して、①入退院時のNIHSSに加えADL障害を考慮し、mRS(modified Rankin Scale)を併用していく。②退院後該当患者の長期的な状態を追従できないので退院時での評価までとする。③予後予測評価に社会的復帰の要素を含めるためにmRSで評価し、退院後の予後経過における日常生活の問題点も考慮する。④昨年度より錐体路病変の片麻痺患者だけではなく、中心前回、大脳基底核領域、脳幹部も含め皮質脊髄路に急性期脳梗塞を対象に加えた。特に、錐体路障害による片麻痺患者でも脳幹部や大脳基底核による病変はFA値、ADC値などの関心領域の設定が困難で有り、23年度に8例経験したが、実際にDKI撮像プロトコールを遂行、解析できたのは2例に留まった。2020年度からの症例で、解析できた症例群では先行研究通り、FA値、ADC値は対側の正常側より低値を示した。我々の解析しているDKI値やNODDIに関してはいずれも対側のコントロールより高値を示した。FA値の低下は神経組織の異方性の乱れを示唆し、脳梗塞直後はDKI値やNODDIが上昇した。リハビリテーションを行い発症時の症状が消失した症例が5例、リハビリテーション介入後も症状が残存した症例が3例であった。症状が改善した群と改善が不良な群でのDKI値やNODDIに有意差があるか検討を加えたい。限られた症例ではあるが、解析結果と入院時と退院時の患者症状やリハビリテーション介入に何らかの因果関係を導きたい。最終年度はこれらのデータから統計学的な有意差を得たので、この有意差の意味する知見をまとめたい。
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