Project/Area Number |
20K11292
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 59010:Rehabilitation science-related
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
吉川 輝 昭和大学, 保健医療学部, 講師 (90737355)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
北井 仁美 昭和大学, 保健医療学部, 講師 (60850071)
田代 尚範 昭和大学, 保健医療学部, 准教授 (70645100)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2023: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
Fiscal Year 2020: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
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Keywords | 脳損傷 / 動作分析 / 運動機能回復 / 運動療法 / 皮質脊髄路 / 代謝 / 遺伝子 / 運動 / 分子機構 |
Outline of Research at the Start |
運動療法は、脳損傷後に生じる運動障害を回復させる目的として行われている。運動療法はこれまで改善し発展してきた。しかし、運動機能の回復が思うように得られず、生活の質が低下する患者もいまだに存在する。 そこで、当該研究は、当該研究の目的は運動療法による運動機能の回復の分子機構を明らかにし、脳損傷後の運動障害に苦しむ患者を救うための方策を見出すことである。 その方法として、動物を用いた基礎研究および臨床患者を用いた臨床研究を行う。基礎と臨床で得られた結果を相互に検証し、脳損傷後の運動障害に苦しむ患者を救うため基礎、臨床の両者の観点から運動療法の作用機序の全容解明を目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
リハビリテーションの一つである運動療法は脳損傷後の運動機能の回復を目的として行われる。運動療法は、脳損傷により破綻した脳から骨格筋の間の神経ネットワークを再構築すると考えられている。しかしながら、運動療法が運動機能の改善をもたらすメカニズムは十分に理解されていない。当該研究は、脳損傷後の運動と運動機能の回復の作用機序を解明することを目的とし、運動による運動機能の回復と神経ネットワークの修飾の連関性、そして運動により特異的に分泌される因子と運動機能の回復の関連性についてモデル動物を用いて検証する。そして、これらモデル動物での検証結果をヒト脳梗塞患者を対象に運動機能を評価し、基礎と臨床との事象の相互性も検証する。 左大脳皮質を損傷させた脳損傷モデルマウスに対して運動療法として中等度の運動を5回/週、4週間実施した。中等度の運動の規定は、トレッドミル運動としその様子を酸素摂取量、二酸化炭素排出量、血中乳酸値で決定した。4週間の運動療法後、マウスのトレッドミル上の歩行を3次元動作分析にて解析を行なった。その結果、足関節の底背屈の動きに特徴を見出すことができた。この動きを司る骨格筋に着目して解析を進めた結果、脳損傷後1週の時点で速筋線維が有意に減少する一方、遅筋線維については維持されていることを見出した。さらに今年度は、本研究テーマを一部発展させるために脳損傷モデルマウスの週齢の違いに着目して研究に取り組んだ。マウスは、週齢が異なることで同じトレッドミルスピードの運動強度であっても、身体に及ぼす影響が異なることを見出し、モデル動物の週齢の違いにより、その運動負荷の影響と運動機能回復に変化を及ぼす可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
令和5年度は、運動における生体応答をより詳細に検証した。具体的には、動物の週齢の違いに着目してリハビリテーションの方法の一つであるトレッドミル走行を実施し、週齢による差異を明らかにし論文として研究成果を発表した。一方で、本研究テーマとして着目している特異的因子の候補を挙げられていないのが現状である。さらに、動物を対象として得た結果をヒトに応用可能であるか否か、ヒトを対象とした研究が実施できておらず、遅れている状況である。
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Strategy for Future Research Activity |
モデル動物の研究では、引き続き脳損傷後の効果器である骨格筋の変化についてより詳細に検証を行う予定である。この検証の中には、骨格筋の収縮に関連するシグナル伝達物質(エクソルキナーゼ: Exerkine)や血中等に分泌され脳へ移動する因子の種類や動態、その働きについて着目していく。これら動物実験で得られた知見の一部をヒト脳損傷患者で検証するため、ヒトを対象とした研究にも着手していく予定である。
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