前十字靭帯損傷における認知運動制御機構の解明と拡張現実を用いた予防戦略の開発
Project/Area Number |
20K11347
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 59020:Sports sciences-related
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Research Institution | Health Science University |
Principal Investigator |
粕山 達也 健康科学大学, 健康科学部, 教授 (40631867)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2023: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
Fiscal Year 2022: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2021: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
Fiscal Year 2020: ¥2,210,000 (Direct Cost: ¥1,700,000、Indirect Cost: ¥510,000)
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Keywords | 障害予防 / 予測的姿勢制御 / 認知課題 / スクリーニング / 運動制御 / 動作分析 / 運動発達 / スポーツ医学 / 神経科学 / 姿勢制御 |
Outline of Research at the Start |
本研究は、1年目から2年目においてランニングおよびカッティング動作に認知課題を与えた状態での運動学的解析を行い、認知課題が動的な運動制御に与える影響を明らかにする。2年目では、統一した仮想敵を再現できる拡張現実(AR)システムを構築する。3年目以降では、拡張現実(AR)システムによる仮想敵を用いたトレーニングが予測的運動制御に与える影響を明らかにし、新しいACL損傷の予防方略を開発する。
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Outline of Annual Research Achievements |
カッティング動作は多方向スポーツにおいて必要不可欠な動作であり、非接触型の前十字靱帯損傷に関連する重要な動作でもある。予測的な姿勢制御が、スポーツ動作において生体力学的な影響を与えることが明らかにされているが、カッティング動作に関する報告は少ない。本年度は、予測の有無によるカッティング動作のパターンを比較した。対象者は健常男子大学生19名(平均年齢20.6±1.2歳)とした。対象者は全力で直線を走り左右方向へのカッティング動作を実施した。事前に方向を提示した条件(予測有り条件)と直線エリア通過後にランダムに左右方向を矢印で提示した条件(予測無し条件)にて、各々のカッティング動作のパターンをサイドステップ(SS)とクロスオーバーステップ(CS)に分類した。また、カッティング動作の定性分析として、Cutting Movement Assessment Score(CMAS)を用いて、各条件での高リスク動作の出現頻度を算出した。予測有り条件においては、CSの出現頻度が高く(SS:39.2% vs CS:60.8%)、予測無し条件ではSSの出現が高くなっており(SS:63.1% vs CS:36.9%)、予測の有無によってカッティング動作のパターンに違いがみとめられた。左右方向の比較においては、予測の有無によるパターンの違いはみられなかった。また、 CMASの評価においては、予測有り条件では高リスク動作の出現はみられなかったが、予測無し条件では、12.4%の割合で認知的エラーに伴う高リスク動作が確認された。本研究において、予測が困難な条件においては、SSが出現しやすく、膝関節外反や体幹の側屈などの高リスク動作が確認されたため、障害予防においては、動的なアライメント修正などの生体力学的な動作指導だけでなく、認知判断を早めた姿勢制御に対する介入の必要性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
カッティング動作における走速度と仮想現実における映像処理の問題によって、動作と認知課題の組み合わせに限界が生じており、ARを用いた介入研究に至っていない。予測条件と動作パターンの適応に焦点を絞った研究内容にシフトして、研究を継続していく。
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Strategy for Future Research Activity |
仮想現実を適応させた研究においては、カッティング動作などの素早い動きでは画像処理と動作の適応にズレが生じるため、正確な認知判断と動作分析が行えない状態となっている。介入研究には限界が生じているため、対応方法を再検討して、認知制御が動作に与える影響を中心に研究を進めていくこととする。
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Report
(4 results)
Research Products
(16 results)