ボールゲームにおける日本型コーチ・競技者の関係を踏まえた状況判断コーチングの提案
Project/Area Number |
20K11381
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 59020:Sports sciences-related
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Research Institution | Kyushu Kyoritsu University |
Principal Investigator |
八板 昭仁 九州共立大学, 共通教育センター, 非常勤講師 (50270062)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
青柳 領 福岡大学, スポーツ科学部, 教授 (20184054)
倉石 平 早稲田大学, スポーツ科学学術院, 教授 (60367092)
野寺 和彦 八戸学院大学, 健康医療学部, 教授 (60626860)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥3,900,000 (Direct Cost: ¥3,000,000、Indirect Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2024: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
Fiscal Year 2023: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2022: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2020: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
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Keywords | バスケットボール / 基礎知識テスト / 状況判断テスト / 状況認知とプレイ選択 / 宣言的知識と手続き的知識 / コーチと選手の人間関係 / 状況判断のコーチング / 状況判断 / コーチング / Athlete centered / 宣言的知識 / コーチ・競技者の関係 |
Outline of Research at the Start |
時代に相応しいコーチとコーチングを確立するための変革が必要と言われているが,日本には,日本固有のスポーツの捉え方や師弟関係のような独自の文化も根強いと考えられる.「何を,いつ,どのようにするか」というボールゲームの状況判断能力は,「競技力の向上」と「人間力の育成」のダブルゴールと言われるコーチングに直結する内容であることから,選手の状況判断能力を向上させるためのコーチングに注目し,プレイヤーとコーチが互いに理解し合いながら状況判断能力の向上を図るための日本人の気質に合ったコーチングの検討によって“日本型Athlete centered coaching”の提案を試みるものである.
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,コーチングやその満足度と状況判断能力の獲得との関連によって,競技者とコーチが互いを理解しながら状況判断能力の向上を図るための日本型“Athlete centered coaching”の提案を試みるものである.前年度までに作成した宣言的知識に関わる紙面による知識テストとそれに関連付けた手続き的知識に係るVTR映像を用いた状況判断と戦術行動に関わる状況判断テストを作成しデータ収集し,主な研究実績は以下の3点である. 1点目は「速攻場面における状況認知に関する潜在的な因子構造と競技力,性の関連」についてまとめ,日本体育・スポーツ・健康学会第72回大会において発表した.5因子構造であり,性による影響は小さく,競技水準に関連があることが示された. 2点目は「状況認知に関する高校生と大学生の基本的知識の獲得傾向およびそれらの競技水準との関連」についてまとめ,日本バスケットボール学会第9回大会で発表した.両年代とも競技力によって分類したところそれぞれに有意な得点差が認められ,さらに高校生と大学生では異なる得点傾向が認められたことから,状況判断能力の獲得過程の一部について競技力との関連が示された. 3点目は「チーム競技におけるコーチと選手の人間関係によるチームのまとまりや選手の目標・課題への努力などへの影響」について全日本大学選手権大会出場チームに所属する選手を対象に「コーチ・競技者間の人間関係(CART-Q)」「集合的効力感(CEQ for Sports)」「集団凝集性(GCQ)」を用いた調査・収集したデータについて分析し,日本コーチング学会第34回大会において発表した.「コーチ・競技者間の人間関係」と「集合的効力感」「集団凝集性」の各間に有意な総合的関連が認められ,コーチと競技者の人間関係がチームのまとまりや競技者のチームに対する有能感への影響が示された.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
宣言的知識に係る「状況判断と戦術行動に関わる知識テスト」および紙面における知識テストと関連付けた手続き的知識に係る「VTR映像を用いた戦術行動に関わる状況判断テスト」が作成できたことから一定数のデータを取得することができた.取得したデータの分析は,順調に進められているが,新型コロナウィルス禍の影響によるデータ取得の遅れを十分に挽回するまでには至っていない状況である.
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Strategy for Future Research Activity |
紙面における知識テストと関連付けた手続き的知識に係る「VTR映像を用いた状況認知と戦術行動に関わる状況判断テスト」についてデータを取得できていることから,引き続き,宣言的知識に係る「状況判断と戦術行動に関わる知識テスト」の結果から状況認知と戦術行動の関連性について分析および紙面における知識テストとVTR映像を用いた状況判断テストの解答の関連についての分析を進める予定である. また,状況判断能力の獲得過程を明らかにするために,紙面における「知識テスト」とVTR映像を用いた「状況判断テスト」を複数回実施した対象者の分析結果について関係学会への発表を予定している. さらに,それらと並行して「望ましいコーチのタイプとコーチと競技者の関係を含むコーチングの現状」「集団凝集性や集合的効力感等のチームの現状」「コーチングと競技力に係る成果」についての調査票によるデータの分析結果に関して検討を進め,状況判断のコーチングとの関連についての成果を関係学会へ発表する予定である. 新型コロナウィルスの感染再拡大の影響によって収集データの分析が予定よりも遅れている状況ではあるが,本年度取得するデータ収集が計画的に実施できれば,大きな方向転換を強いられることはなく進められると考えている.
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Report
(3 results)
Research Products
(4 results)