Project/Area Number |
20K11402
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 59020:Sports sciences-related
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Research Institution | Aichi Medical University |
Principal Investigator |
森田 博之 愛知医科大学, 愛知医科大学, 客員教授 (00311994)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平瀬 翔 愛知医科大学, 医学部, 助教 (30762653)
田邉 昇 大阪医科薬科大学, 医学部, 非常勤講師 (40839495)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥3,770,000 (Direct Cost: ¥2,900,000、Indirect Cost: ¥870,000)
Fiscal Year 2022: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2020: ¥2,210,000 (Direct Cost: ¥1,700,000、Indirect Cost: ¥510,000)
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Keywords | 先端巨大症 / 原因遺伝子 / 家族性遺伝疾患 / 遺伝 / 新規原因遺伝子 / 遺伝疾患 / 家族性疾患 / アスリート |
Outline of Research at the Start |
遺伝性先端肥大症はアスリート集団にて罹患者数が相対的に多く、未知の原因遺伝子が存在し、新規原因遺伝子同定は国際的に嘱望されている。本症を放置すれば寿命は短縮される。従って、診断と治療は当人の利益となる。一方、診断がアスリートの社会的及び経済的不利益に繋がる懸念は、現場での早期診断を阻ませている。
本研究では、アスリート集団から遺伝性先端肥大症を発掘し、新規原因遺伝子同定を目指す。研究参入アスリートの最適な診断と治療介入時期を個別に決め、生命倫理に精通した法律専門家と心理サポートを受け持つ専門家を加えた会議を定期的に開催し、研究参入者の社会的及び経済的権利保護方針を具体的に立てる。
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Outline of Annual Research Achievements |
先端巨大症では全身の軟部組織肥厚するが、少なくとも発症後10年程度は機能を保持しつつ肥厚するのが原則といえる。先端巨大症は特発性のことが多いが、メンデルの法則に従う遺伝疾患の場合もある。現時点でAryl hydrocarbon receptor Interacting Protein (AIP), PRotein Kinase A Regulatory subunit type 1A (PRKAR1A)など数個の責任遺伝子が同定されたが、未知の原因遺伝子も存在すると考えられている。新規責任遺伝子同定は、慢性消耗性疾患や加齢による軟部組織衰弱に対して新たな治療上の視点を提供しうる。先端巨大症罹患者がアスリートのことがある。本研究を発案した当初は、先端巨大症を効率的に見つけるひとつの方法論としてアスリート集団に着目し、罹患患者を発掘し家族歴の有無をみるストラテジーを採った。家族歴がある場合、原因遺伝子探索に適した家系か否かを判断する。適した家系と判断されたら、罹患者1人を対象にして既知原因遺伝子の病的バリアント除外が可能か否かをみる。除外可能な場合は新規原因遺伝子同定を目指すというストラテジーであった。候補家系は存在した。 先端巨大症長期放置はQOLの緩徐な低下を惹起し、寿命を70%に短縮させる。従って、早期の診断・治療は罹患者に利益を与える。調べた範囲ではスポーツ競技規則等のルールで、先端巨大症の診断による出場資格喪失はうたわれていない。大会等参加是非の判断は診断名に依存せず、個々の身体状況に関する臨床医学的な把握が重視される。また、先端巨大症の治療はドーピングに抵触しない。本研究では候補家系構成員の最適な診断·治療介入時期が個別に考察されるだけでなく、遺伝カウンセリングによる心理的負担軽減を通した自由意思に基づく研究参加を呼び掛けた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
想定外の展開は候補家系構成員の1人が職業的アスリートであり社会的/経済的に特殊な環境下にいることに起因した。1名の家系構成員の極めて強い反対で全員のゲノムDNA採取が滞り、研究が中断していた。その後における複数回の話し合いの成果で、「学問的に大変貴重なゲノムDNAは少なくとも保存すべき」という理念を当該の家系構成員(後期高齢者)及び、当初は強く反対していた家系構成員の研究に対する理解が得られ「現時点で疾患発症後期高齢者のゲノムDNAは将来の研究の為に保存して良い」という自由意思を明確に表明された。さらに近未来、別の家系構成員(後期高齢者の孫)が職業的現役アスリートを退き社会的立場も安定したタイミングで多くの家系構成員のDNA採取に積極的姿勢を示したいと発言された。ゲノムDNAの長期保存許可は当院倫理委員会の返事待ちである。 同時進行的に別家系で本研究を施行することを考えた。新たに着目した家系(家系構成員数は5世代で合計76人)は、内分泌疾患が集積する大家系である。現在聴取出来た範囲で少なくとも6名は手足のサイズが異常に大きい(例:靴のサイズが29 cm)。下垂体MRで下垂体腺腫が検出出来なかった家系構成員もいるが、発端者の話しに依れば2世代に渡り下垂体腺腫が見つかった家系構成員も存在する。臨床遺伝学的観点から、詳細な患者情報の取得に勤め、それらを整理する。家族構成員が本研究の対象患者として適切であるか否か、また、研究協力が得られそうか否かを現在検討中である。
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Strategy for Future Research Activity |
研究期限は限られているが、DNAが採取できれば本研究は時間内に一定の成果を出す準備は整っている。既知の責任遺伝子の病的変異が見出せなかった場合、未知の候補遺伝子絞り込みも短時間で施行できる体制構築に務めた。研究的観点から興味深くかつ貴重な大家系を見つけたので、可能な限り短時間において上述の検討中事項の結論を得たい。 対象患者の所在が「地理的に近隣」は、本研究を施行する上で1つの有利な点といえる。下垂体腺腫を数多く外科的に摘出している(研究代表者が所属する大学がある)県内有数といえる複数施設の協力下で本研究の対象となりうる家族性下垂体腺腫家系を探す試みは現在進行形である。
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