Project/Area Number |
20K11904
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 61020:Human interface and interaction-related
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
郷 健太郎 山梨大学, 大学院総合研究部, 教授 (50282009)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
李 吉屹 山梨大学, 大学院総合研究部, 准教授 (30726667)
福本 文代 山梨大学, 大学院総合研究部, 教授 (60262648)
木下 雄一朗 山梨大学, 大学院総合研究部, 准教授 (70452133)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
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Keywords | 文字入力 / ウェルビーイング / ポジティブ心理学 / 介入 / キーボード |
Outline of Research at the Start |
本研究では,ポジティブ心理学における研究成果をユーザに直接反映させるという課題に挑戦する.具体的には,予測文字変換における変換文字候補に,入力語よりもポジティブな語を表示することによって,ユーザにポジティブな作文を促し,その結果としてユーザの主観的幸福度を向上させることを目指す.この効果を実証するために,以下のプロジェクトを実施する:①ポジティブ・ネガティブ語から構成される辞書及び課題文集合の開発と,それらを使った主観的幸福度の計測,②スマートフォン用のジェスチャキーボードの開発と,ジェスチャと主観的幸福度の関係の解明,③入力語の評価極性に基づくポジティブ語候補の表示システムの開発と評価.
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Outline of Annual Research Achievements |
ポジティブな気分や行動,認知を高めることを目指す治療法や意図的な活動を,ポジティブ心理学的介入という.この介入の効果として個人の主観的幸福度を高めることが可能なことが,近年の研究により明らかになりつつある.しかし,従来のポジティブ心理学的介入は,専門家による指導やユーザによる意識的な継続が必要であり,その実行負荷が非常に大きい.そこで本研究では,一般の生活者の日常的な情報行動である「文字入力」に焦点をあてる.予測文字変換の変換文字候補としてポジティブな評価極性をもつ用語を戦略的に提示することによって,ユーザにポジティブな内容の作文を促す.すなわち,日常的な情報行動を行うだけで,大きな負荷がなく自然とポジティブ心理学的介入の効果が期待できる.このような介入を行うキーボードを開発し,その有効性を評価した. 本プロジェクトで開発したキーボードは,ネガティブ語を入力するとポジティブ語を表示する機能があり,その結果ユーザの主観的幸福度が向上することが確認された.またこのアイデアの発展形として,ネガティブ語入力時にポジティブな印象の画像を表示するキーボードを開発し,評価実験で一定の効果が認められた.さらに,ポジティブ・ネガティブ語辞書と課題文集合の英語版を開発し,生成型AIを活用して少数のサンプルから高品質な辞書項目や課題文を生成する試みも行った. さらに2023年度の取組みとして,ポジティブ変換の計算処理に関する開発を進めた.具体的には,入力テキストの意味とスタイルを分離して学習し,ポジティブな視点を提供するテキストを生成するために,疑似ポジティブリフレーミングデータセットを用いてモデルを学習し,マルチタスク学習により生成能力を向上させる手法を提案して評価した.これにより,ユーザが日常的に利用するキーボードのポジティブ心理学的介入効果をさらに高める可能性が示された.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の目的であった以下の3つのプロジェクトはこれまでに実施できた:(1)ポジティブ・ネガティブ語から構成される辞書及び課題文集合の開発と,それらを使った主観的幸福度の計測,(2)スマートフォン用のジェスチャキーボードの開発と,ジェスチャと主観的幸福度の関係の解明,(3)入力語の評価極性に基づくポジティブ語候補の表示システムの開発と評価.これらに加えてすでに,ユーザがネガティブ語を入力したときに,ポジティブな印象をもつ画像を画面に表示するキーボードを開発して評価実験を行ってその効果を明らかにした.また,少数のサンプル 集合から高品質な辞書項目や課題文を効率的に生成する手法についても検討を行った.さらに,2023年度にはポジティブ変換に対する計算処理の開発も進めることができた.以上から,おおむね順調に進展していると判断する.
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Strategy for Future Research Activity |
2022年度に着手した2つの課題:ポジティブ画像による主観的幸福度向上の実証,ネガティブ・ポジティブ語から構成された英語版辞書の開発について,2023年度に一定の進展がみられているため,2024年度も引き続きプロジェクトを推進する.特に後続する研究課題として,未来ビジョンのシナリオに対するポジティブ変換の効果を検討するため,シナリオ表現におけるネガティブ・ポジティブ語の程度を評価する手法の検討も着手したいと考えている.
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