当事者意識を喚起する災害および避難に関する情報提示デザイン
Project/Area Number |
20K11911
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 61020:Human interface and interaction-related
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
泉 朋子 立命館大学, 情報理工学部, 准教授 (70551505)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2020: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
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Keywords | 避難行動支援 / 防災 / 情報デザイン / インタラクション |
Outline of Research at the Start |
過去の災害事例を分析した研究では,電話や訪問などによる情報通達が避難行動の促進に最も効果的であることが指摘されているが,膨大な数の対象者が存在する場合には電話や訪問は現実的な情報通達方法ではない.そこで本研究では個人が所有する携帯端末の利用形態と端末の機能を活かし,携帯端末において「今そこにいるあなたへの情報である」という端末所持者の当事者意識を喚起するような情報提供デザインを実現することを目指す.既存の情報表現の問題点を整理し,端末所持者の周辺環境と状態を考慮した情報提供デザインを検討する,さらに,提案した情報提供デザインが避難行動を誘発するかについて検証する.
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,災害発生時の避難行動を促すために,情報の受け手に当事者意識を喚起させる情報提示デザインを提案することを目的としている.既存の情報表現の問題点を整理し,端末所持者の周辺環境と状態を考慮した情報提供デザインを検討する. 情報の受け手のスマートフォンに表示する情報を対象とし,スマートフォンに予想される災害,被害の状況をテキストで伝達する場合の情報提示デザインについて検討した.研究では,予想される災害の状況を肯定的な視点からの表現と否定的な視点からの表現で避難意識が異なるかを検証した.検証実験の結果から,予想される被害の程度が大きい場合には否定的な視点,被害の程度が小さい場合には肯定的な視点からの表現が避難意識を高める可能性を示した.本研究成果は学術論文誌で発表を行った. また,個々人が所有している携帯端末を利用して,携帯端末で取得できる位置情報やセンサ情報を活用して当事者意識を喚起するテキスト表現について検討した.特にGPSから取得できる位置情報とセンサから取得できる所持者の状態情報に焦点を当て,これらの具体性を高めた表現を緊急速報メールに含めることを検討した.その結果,位置情報の具体性を高めることの効果を示した.これらの成果は国内外の研究会で成果を発表している. さらに,緊急速報メールを模した形式では表現が難しかった情報表現を扱うために,スマートフォンで動作する災害アプリを介した情報提供を検討した.アプリで動作するエージェントを活用することで,ユーザのスマートフォンの操作履歴情報などを用いることができ,かつエージェントから「呼びかける」ような音声による情報提示が可能となる.検証実験の結果,エージェントからの音声による情報提供が災害に対する当事者意識を高める効果があることを示した.本成果は国内の研究会で発表をしている.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本年度の研究活動は非常に順調に遂行できている.特に,個々人が携帯するスマートフォンの特性を生かし,情報の受信者の状態を含む災害情報を伝達することが当事者意識の喚起に有用である可能性を示したことは大きな成果である. しかし本研究期間の1, 2年目がコロナ禍であったために実験協力者に参加してもらう実験が計画通りには遂行できなかった影響が残っている.特に屋外での実験が必要であると考えられる情報の受け手の周辺環境を考慮した情報提示や,災害状況下での不安感や緊迫感を再現し,提示された情報の解釈のみではなく,その後の避難行動に関する意思決定の過程を分析する取り組みがやや遅れている状況である.
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Strategy for Future Research Activity |
これまでに既存の情報提示のデザインと新たに提案した表現について比較検証し,既存の表現の問題点と提案した表現の効果を示した.また今年度には,災害に関する情報表現について肯定的,否定的視点からの表現という観点を導入し,同じ状況を表現する内容であっても視点が異なると災害に対する危機感や災害の捉え方が変わることを示した.また,特にGPSや各種センサ等を利用し携帯端末所持者の位置や状態を把握し,端末所持者の自身の状態情報を利用し当事者意識を喚起する表現を検討しその効果を検証した. 今後は,携帯端末所持者の情報を活用し当事者意識を喚起する研究を発展させる.得られた成果を国内外の学会で報告し専門家からの意見を収集し,さらに研究を進める.特に今年度にも検討したように,テキスト表現だけでなく,それらの情報をどのようなメディアを用いて提供するかも避難意識の向上に影響を与えると考えられる.これまではソフトウェアエージェントという情報の発信元を視覚的に表現する効果やエージェントから「呼びかける」ような音声による情報提供の効果を示してきた.今後はこの手法を発展させ,画像や音声の特徴にも着目し,当事者意識を喚起する情報提供方法について検討する. また,これまで検討をしてきた内容はGPSから取得できる位置情報と携帯端末に内蔵されているセンサ情報や端末から取得できる操作履歴を活用したものであった.研究計画書に記載している,情報の受け手の周辺環境を考慮した情報提示についての検討が不足しているため,今年度に特に注力する.さらに情報提供後の印象評価だけでなく,災害状況下での不安感や緊迫感を再現し,避難行動に関する意思決定の場をシミュレートするような実験環境での効果検証も進めていく.
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Report
(3 results)
Research Products
(11 results)