実物大立体像の空中浮遊化と超高臨場感を実現するホログラフィック3Dディスプレイ
Project/Area Number |
20K11914
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 61020:Human interface and interaction-related
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Research Institution | Osaka Research Institute of Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
山東 悠介 地方独立行政法人大阪産業技術研究所, 和泉センター, 主任研究員 (30463293)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 和郎 地方独立行政法人大阪産業技術研究所, 和泉センター, 主幹研究員 (30315163)
宮島 健 地方独立行政法人大阪産業技術研究所, 和泉センター, 研究員 (10847916)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2021)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2022: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2021: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2020: ¥2,600,000 (Direct Cost: ¥2,000,000、Indirect Cost: ¥600,000)
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Keywords | 計算機ホログラム / 円錐形HOE / 大型HOE / 高速計算 / 円錐形ホログラム / 視野拡大 / ホログラフィック3Dディスプレイ / ホログラフィック光学素子 |
Outline of Research at the Start |
現状のホログラフィック3Dディスプレイでは、立体像は画面近傍にしか表示できず、物体が単独で存在しているかのような空中浮遊感はない。この原因は、空中浮遊化に必要な大型光学素子と、それを機能させる光学系が未だ実現できない点にある。本研究では、回転対称性と楕円反射特性を活かした独自の反射型光学系を考案することで、空中浮遊感が得られるホログラフィク3Dディスプレイの実現に取り組む。具体的には、ホログラフィック光学素子を用いた大型透明ミラー、時分割方式を可能にする機械的走査機構、動きのある像を再生するためのホログラムの実時間計算について研究開発する。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、自然な立体像を表示可能なホログラフィを用いることで、特殊な眼鏡が不要で、高い臨場感を有する立体表示システムの実現を目指している。高い臨場感には、実物大以上の像再生及び表示システム(光学部材)の秘匿化が重要である。これらを実現するため、今年度は、大型ホログラフィック光学素子(HOE)の作製と、立体像を表示するためのホログラム計算の高速化に取り組んだ。具体的には、以下の通りである。 まず、昨年度に引き続き、非平面HOEの作製の一環として、発散球面波を生成する円錐形HOEを用いて立体表示システムを構築した。その結果、水平・垂直方向共に十分な視域を実現することができた。本結果について学術論文に投稿し、掲載された。 次に、分割記録により大型HOEを作製するための記録光学系の予備実験を行った。光学系の対称性の観点から、複数の同じHOEを作製し、一面に並べる手法について取り組んだ。しかし、記録した個々のHOEを剥離して別の基板に継ぎ接ぎして貼り付けると、各HOEの光軸が完全には一致せず、大型HOEとした場合の光学性能(集光特性)が不十分であることが分かった。そのため、大型HOEの記録方法を再検討する必要が生じた。最終的には、2軸の可動回転機構を記録光学系に組み込むことで、剥離処理なしでも比較的容易に分割記録できる装置を設計・試作した。 また、ホログラムの高速計算については、立体像のスパース性を利用した高速フーリエ変換の高速化に取り組んだ。これは、ホログラフィックディスプレイでは、再生する立体像の中身は空洞であることを活かした手法である。数値計算での検証の結果、高速フーリエ変換に要する時間を約40%削減することができ、本結果について、国際会議にて発表する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の研究計画では、今年度は、大型ホログラフィク光学素子(HOE)の作製、再生光学系の構築、及びホログラムの高速計算の方向性検討であった。大型HOEの作製においては、作製方法を再考する必要が生じたこともあり、予定より若干遅れてはいる。しかし、代替案を考案し、そのための試作機も作製した。再生光学系については、おおよそ完了しており、大型HOEを組み込む段階になっている。高速計算については、立体像のスパース性を活用した手法を新たに考案し、十分に期待できる結果が得られた。さらに、学術論文の投稿や、招待講演を含む学会発表については、予定以上の結果が得られた。これらを勘案して、おおむね順調と評価した。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度では、まず、構築した大型HOE記録装置の性能評価を行い、その上で分割記録による大型HOEの作製に取り組む。サイズは30 cm×20 cmを目標とする。次に作製した大型HOEを、(既に構築してある)時分割方式の再生光学系に組み込む。再生実験では、時分割再生用のホログラム計算を行う。また、視野角と再生可能像空間の大きさも実測する。さらに、実時間再生に向けたホログラム計算の高速化についても引き続き取り組む。具体的には、現在CPU処理で高速化を行っている処理を全てGPUにて置き換え、アルゴリズムとハードウェアの両面からアプローチする。
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Report
(2 results)
Research Products
(6 results)