対人距離感の認知メカニズムの解明とその操作技術の開発
Project/Area Number |
20K12023
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 61060:Kansei informatics-related
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Research Institution | National Institute of Information and Communications Technology (2022) Osaka University (2020-2021) |
Principal Investigator |
稲垣 未来男 国立研究開発法人情報通信研究機構, 未来ICT研究所脳情報通信融合研究センター, 研究員 (40596847)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
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Keywords | 距離感 / 扁桃体 / 視覚処理 / 対人距離感 / 顔 |
Outline of Research at the Start |
本研究では相手の顔から得られる視覚的な手がかりに注目して、対人距離感の認知メカニズムの解明とその操作技術の開発を目指す。目の前の相手と快適な距離を保つための対人距離感の認知は、対面コミュニケーションに重要な役割を果たす。脳損傷患者の観察研究は、情動や社会性に関わる扁桃体が対人距離感の認知に関与することを示唆する。そこで扁桃体特有の視覚処理様式に適合するような形で顔の特徴へ操作を加える心理実験系を構築して、実際に対人距離感の認知に変化が生じるのかを調べる。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究は対面コミュニケーションに重要な役割を果たす対人距離感の認知メカニズムを調べることを目的とする。特に脳内における扁桃体特有の視覚処理が対人距離感の認知に関わるという仮説を検証する。目の前の人物の接近を臨場感をもって感じられる実験系を使って研究するために、従来の一般的なディスプレイではなくヘッドマウントディスプレイを利用した実験系の構築を進めた。目の前の人物が歩きながら接近する様子を360度カメラで撮影してヘッドマウントディスプレイ用の視覚刺激とした。対人距離感の認知に影響を与える視覚的な要因を明らかにするために、空間周波数処理などの画像操作を施した視覚刺激も作成した。これまでに予備実験を行って心理データ(接近に伴う不快感、物理的な距離感など)と生理データ(眼球運動、瞳孔径など)を想定通りに計測できることを確認した。今後は心理実験への参加者を募集してデータを収集・解析することで、対人距離感の認知に関わる要因を明らかにする。 上述の心理実験による研究に加えて、扁桃体特有の視覚処理の特性をより深く理解するために、扁桃体へと至る神経経路を模したニューラルネットワークを計算機上で構築した。ニューラルネットワークのさまざまなパラメータ(初期層フィルタの形状、情報処理層の数など)を操作した場合の特性の変化を解析して、情報処理への影響を調べた。これらのニューラルネットワーク解析の結果は心理実験の結果の解釈に役立つだけでなく、追加の心理実験を行う際に、実験的に操作する視覚的要因を決定する指針となることが期待される。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウィルス感染拡大のため、本研究課題の立案時に予定していたスケジュールで心理実験を開始することができなかった。研究活動の制約が少なくなり、今年度中に心理実験を行うための実験系の構築と予備実験を済ませることができた。当初の想定よりもやや研究の進捗は遅れているが、心理実験の開始が遅れてしまった代わりに、ニューラルネットワークの解析という別の方法を通して研究の幅を広げることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究課題の立案時に想定したスケジュールで研究が進まなかったので、研究期間を1年間延長した。これまでに心理実験の実験系の構築と予備実験まで完了したので、今後は心理実験の参加者を募集して本格的にデータを収集・解析する。研究期間を延長した次年度中にデータの取りまとめと学会発表、学術論文発表まで済ませる予定である。
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Report
(3 results)
Research Products
(5 results)