Evidence-based operations management and clinical optimization for medical service systems
Project/Area Number |
20K12073
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 62020:Web informatics and service informatics-related
|
Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
高木 英明 筑波大学, システム情報系(名誉教授), 名誉教授 (30260467)
|
Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
|
Budget Amount *help |
¥3,640,000 (Direct Cost: ¥2,800,000、Indirect Cost: ¥840,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
|
Keywords | 医療・福祉 / サービス工学 / 医療サービス科学 / 数理工学 / 確率決定過程 / 最適停止問題 / 医療サービス工学 / オペレーションズ・リサーチ / データサイエンス / 待ち行列理論 / 応用確率過程 |
Outline of Research at the Start |
高齢化が急速に進む我が国においては、国民の健康・医療・介護を支える医療システムの整備が喫緊の課題である。本研究では、医療機関のオペレーションマネジメントにサービス科学の観点から取組む中で、急性期病院における業務管理と患者の診療過程のシステム化に、数理科学により次の貢献をする。(1) 急性期病院における診療科別入院患者の病棟間移動モデルにより各病棟の病床利用率の計算法を確立する。(2) 進行性がん患者に対し、治療目的(生存期間延長・苦痛緩和)に応じて、病期ごとの最適治療法を提示する確率過程モデルを開発する。両モデルのパラメタは、現実の病院における管理情報および臨床記録の記述統計により算出する。
|
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では2つの課題を設定している。第1の課題は、急性期病院における診療科別入院患者の病棟間移動を数理モデル化し、各病棟の毎日の在院患者数の度数分布を理論的に計算する方法を完成することである。第2の課題は、非根治すい臓がん患者を例に取り、進行性慢性病患者の治療目的(化学療法を続けるか、緩和ケアに転じるか)に応じて、病気ごとの最適治療法を医師に提示できるMarkov決定過程モデルを開発することである。 第1の課題については、筑波大学附属病院における2年間にわたる新生児入院患者の病棟間移動の定常過程をMarkov連鎖で定式化し、通常病棟と新生児用ICUに在院する日次の患者数の度数分布を理論的に予測する研究の成果を、2021年に、専門誌 Health Care Management Science 誌に発表した。また、この研究の解説記事が2023年にオペレーションズリサーチ誌特集号に掲載予定である。引き続き、同病院における診療科病棟間を移動する小児科患者の病棟間移動を集計・分析して、システム工学的モデルを構築する研究に取り掛かっており、京都大学数理解析研究所の研究集会で発表した後、英文雑誌投稿用原稿を作成中である。 第2の課題については、令和2年2月より、神奈川県立がんセンター臨床研究所客員研究員として、既に死亡した患者の電子カルテを閲覧できる許可と消化器内科の臨床医師の協力を得て、ここ数年間に同センター病院で治療を受けたすい臓がん患者のカルテから治療・投薬・看護等に関するキーワードを抽出し、それぞれがカルテに現れる頻度とキーワード間の関係の分析を行った。しかし、医療知識の不足と、統計処理を行うために必要なデータ数が決定的に足りないため、治療過程の数理モデルの構築はできていない。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
上記5に記した第1の研究課題について、当該病院の業務オーダー・ログデータから小児科患者の病棟間移動に関連するログだけを取り出し、それをネットワーク・フロウのシステム工学的モデルに乗せて、病棟間移動数に関する指標を算出し、患者の流れに沿った病棟滞在時間と、病棟ごとに定点観測する在院患者数の確率的変化を計算して、整合性のある大域的動的モデルの構築をほぼ完成させた。 第2の研究課題については、まず、電子カルテの中から、治療過程を特徴づける診断用語や投与剤の名称を抽出することから始めたが、すい臓がんの病態の多様性に比べて、患者数が少なく、また入院期間(存命期間)も短いので統計処理ができるだけの十分なデータ数が得られないことが分かった。そのため、すい臓がんのような複雑な治療過程ではなく、例えば、前立腺がんを早期発見するPSA(前立腺特異抗原)値の推移からMRI及び前立腺生検を行うべき最適時期を決定するというような単純な確率的決定モデル化を検討している。
|
Strategy for Future Research Activity |
第1の課題については、小児科患者のオーダー・ログデータの統計処理に対応するような数理モデルの考案を目指す。その一方で、ここで開発したモデルを、新型コロナウィルス感染者や濃厚接触者を病院や収容施設(ホテル等を含む)に受け入れ、重篤度に依存して病院内病棟や収容施設間で移動させる過程への発展を考えたい。1病院での患者移動では、患者の滞在が病院にもたらす負荷として病床の占有だけを考えたが、コロナ感染者の収容モデルでは、患者の診療に当る医師・看護師等の医療従事者の逼迫も問題になったことから、それらも考慮に入れて理論的に取扱うことができるシステムモデルを考える。このモデルにより、各市町村で、コロナウィルスの変異株別・重症度別の感染者数の予測に基づいて、必要な病床数・医療従事者数を算出することができる。一方、感染者数の予測については、移民のある出生死亡確率過程の理論が進んできたので、両者を融合したモデル化も可能になると思われる。
|
Report
(3 results)
Research Products
(7 results)
-
-
-
-
-
-
-
[Book] 秘書問題入門2022
Author(s)
高木 英明
Total Pages
372
Publisher
丸善プラネット
ISBN
9784863455030
Related Report