Project/Area Number |
20K12266
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 64040:Social-ecological systems-related
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Research Institution | Nanzan University (2021-2023) Research Institute for Humanity and Nature (2020) |
Principal Investigator |
塩寺 さとみ 南山大学, 国際教養学部, 准教授 (60621117)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊藤 雅之 兵庫県立大学, 環境人間学部, 准教授 (70456820)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
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Keywords | 熱帯泥炭湿地林 / 熱帯ヒース林 / 環境要因 / 人為的撹乱 / 泥炭火災 / 人為的攪乱 / 生態系機能 / 栄養塩動態 / 自然環境影響評価 |
Outline of Research at the Start |
インドネシアでは近年,大規模農地開発による熱帯泥炭湿地林の劣化や減少がみられ,その保全や回復が急務である.しかし,この湿地林生態系の成立要因や維持機構および物質循環については未知であり対応策が立てられない状況にある.そこで本研究では,自然状態にある泥炭湿地林と隣接したヒース林において,①樹木種の多様性や群集構造,炭素固定能力といった森林機能,②土壌・水環境に対応した樹木の形質と栄養塩・水利用特性を解明し,③低栄養塩環境下における湿地林生態系の維持機構や物質循環を明らかにする.さらに,これを④攪乱泥炭地と比較することにより,攪乱による影響評価を行い,湿地林生態系の保全と回復に役立てる.
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Outline of Annual Research Achievements |
インドネシアは東南アジア最大の熱帯泥炭地の保有国として知られている。しかしながら、1970年代の大規模農地開発以降、現在まで開発による泥炭地の劣化や減少が続いており、これが泥炭の分解や泥炭火災による大気中へのCO2放出などを引き起こし、地球規模の環境問題として問題視されている。本来、熱帯泥炭地には泥炭湿地林が発達しており、周辺の熱帯林が開発される中、生物多様性の維持に貢献してきたが、近年ではその機能も失われつつある。このため、泥炭湿地林の保全や回復が急務であるが、この湿地林生態系の成立要因や維持機構および物質循環については未知のままであり、対応策が立てられない状況にある。 そこで本研究では、これまでの研究成果を発展させ、自然状態にある泥炭湿地林と隣接したヒース林において、①樹木種の多様性や群集構造、炭素固定能力といった森林機能、②土壌・水環境に対応した樹木の形質と栄養塩・水利用特性を解明し、③低栄養塩環境下における湿地林生態系の維持機構や物質循環を明らかにする。さらに、人為的な影響を強く被っている④攪乱泥炭地と比較することにより、攪乱による泥炭湿地林およびヒース林への影響評価を行う。 これまで、中部カリマンタン州の泥炭湿地林~ヒース林移行帯において、樹木種の多様性や群集構造、および土壌・水文環境との関係性についての野外調査を行うとともに、長年に渡る泥炭湿地林の劣化と減少にともなう周辺村落における生活の変化に関する村落調査を行ってきた。今年度は現地共同研究機関に依頼していた土壌サンプルの分析が終了し、おおよそのデータが出そろったため、これを加えた最終的なデータ解析と論文作成を進める予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
9月に現地の共同研究機関であるインドネシア国立研究革新庁(BRIN)を訪問し、昨年度末に依頼した土壌サンプルの分析結果を入手した。さらにその結果をもとに論文作成に向けての議論を行った。これでおおよそのデータがでそろったことから、これを含めた解析を行い、泥炭湿地林~ヒース林移行帯における、樹木種の多様性や群集構造、および土壌・水文環境についての解析を行っているところである。 来年度はさらに解析をすすめ、論文作成に着手する予定である。さらに、8-9月、および2-3月にかけてインドネシアへの渡航を計画しており、その際、投稿論文の内容についての議論と新たな研究に向けた打ち合わせを行う。
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Strategy for Future Research Activity |
ほとんどのデータを収集することができたため、来年度はデータ解析と論文作成を行い、論文投稿に向けての準備を進める予定である。また、現地の共同研究機関を訪問して論文投稿に向けての議論を行うとともに、これまでの結果をもとに新たな研究プロジェクトを立ち上げる準備を進めていきたいと考えている。
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