地域循環型社会に向けた「木の駅」方式の地域通貨による資源管理に関する研究
Project/Area Number |
20K12304
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 64060:Environmental policy and social systems-related
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Research Institution | Senshu University |
Principal Investigator |
泉 留維 専修大学, 経済学部, 教授 (80384668)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中里 裕美 明治大学, 情報コミュニケーション学部, 専任准教授 (20555586)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2023: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2020: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
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Keywords | 地域通貨 / 木の駅 / 地域循環共生圏 / 自伐型林業 |
Outline of Research at the Start |
日本における地域通貨の2018年末での延べ立ち上げ数は630を超えているが、十全に機能した地域通貨はほとんどない。ただ、「木の駅」における地域通貨は十分に機能する可能性があると考える。「木の駅」は、搬入された間伐材の対価として地域通貨を支払い、間伐材は可能な限り地域で活用し、地域通貨は地域の個人商店等で使用され続ける仕組みである。 本研究は、①日本の地域通貨の実態、②「木の駅」の運営の実態、③代表的な「木の駅」におけるメンバーの域内での購買行動等を明らかにし、地域の自然資源の持続的な活用やそれらの循環性、中山間地の地域経済の自立化を図るために地域通貨が果たしうる役割を明らかにするものである。
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Outline of Annual Research Achievements |
2022年度は、2021年度から行っていた「木の駅」方式の地域通貨組織のネットワーク分析についての論文の執筆と投稿、および2023年度実施予定の全国の稼働中の地域通貨を対象とした質問紙調査の準備作業を行った。 第一に、「木の駅」方式の地域通貨組織のネットワーク分析についての研究では、2011~2019年の間に開催された計26の木の駅サミットやブロック会議など(=「政策フォーラム」)に参加した62の「木の駅」組織のデータをもとに、その組織間関係の行列を作成し、ネットワーク分析(経験的ネットワーク分析のためのシミュレーション手法:Siena)を行った。どんな種類の(組織間コミュニケーションの)紐帯が政策フォーラムを通じて経時的に形成されるのかを分析した結果、「Triad closure」や「Network closure」に正の効果が認められ、結束型(bonding)ソーシャルキャピタルが見出された。一方で、「Popularity」に負の効果が認められ、橋渡し型(bridging)ソーシャルキャピタルは見出されないことが明らかにされた。 第二に、「木の駅」方式の地域通貨を含む日本各地の地域通貨について実態(導入目的や規模等)を明らかにするために質問紙調査を行うことを計画しているが、昨年度に引き続き、送付先等の基本情報を得るために稼働中の地域通貨の一覧の更新作業を行った。2021年末時点で183の稼働中の地域通貨を確認し、これまでの延べ立ち上げ数が668となっている。183の地域通貨のうち、「木の駅」方式は49、電子通貨タイプは35となっており、この2つが今の日本の地域通貨の主流のタイプといっても過言ではない。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2022年度は、2023年度以降の「木の駅」方式の地域通貨の現地調査(参与観察)先を選定などのための予備調査や、各地の木の駅関係者が集まる会合(エリアミーティング、全国会議、技術講習会など)の情報からネットワーク分析を行った論文の英文誌への投稿、日本各地で行われている地域通貨について実態(導入目的や規模等)を明らかにするための質問紙調査を行うことを計画していた。このうち、英文誌への投稿は年度内に完了し、2022年10月にジャーナルに掲載された。しかし、前年度に続き、コロナ禍のため、中山間地にある「木の駅」方式の地域通貨の現場へ行くことができなかった。質問紙調査については、コロナ禍で実施した場合のバイアスの発生等を考慮し、送付先一覧等の情報の更新のみ行った。予備調査については「木の駅センサス2019」の追加調査でほぼ代替可能であり、質問紙調査については稼働中の地域通貨一覧の更新は常時行っていたことから、研究全体の必要性や新型コロナの感染状況に応じて実施することができる態勢にはなっている。
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Strategy for Future Research Activity |
2023年度は、例年行っている日本全国の稼働状況の調査について、年度前半に速やかに実施し、日本各地で行われている地域通貨について実態(導入目的や規模等)を明らかにするための質問紙調査を確実に年度後半に実施することを目指す。 もともとの研究計画で予定されていた現地調査(参与観察)に関しては、「木の駅センサス2019」やその追加調査などから、調査対象となる「木の駅」を数カ所抽出するが、予定通り実施するか、もしくは「木の駅」の出荷登録者に対する質問紙調査(郵送法)等へ変更したりするかを速やかに検討する。
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Report
(3 results)
Research Products
(6 results)