Project/Area Number |
20K12329
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 80010:Area studies-related
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Research Institution | Teikyo University |
Principal Investigator |
伊藤 寛了 帝京大学, 経済学部, 講師 (30846332)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2023: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2020: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
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Keywords | トルコ / シリア難民 / 難民保護 / 難民支援 / 難民政策 / 定住 / 社会統合 / 共生 |
Outline of Research at the Start |
難民問題への対応においては、難民の受入れと定住(社会統合)施策の在り方を明らかにすることが課題である。本研究は、世界最多の難民受入れ国であるトルコがその大部分を占めるシリア難民の受入れにいかに対処しているのかを検証することにより、難民の受入れと定住 (社会統合)に必要な施策について考察する。特に①トルコの難民政策、②シリア難民の実状と支援施策の実態、③社会統合施策(指標)の在り方を総合的に検討することにより、実現可能であり持続可能である難民の保護と支援(政策立案)への含意を導き出すことを目指す。また、政策・支援を実施する実務者・支援従事者の活動(実務的課題)への貢献も視野に入れる。
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Outline of Annual Research Achievements |
4年目となる2023年度は、2023年8月から9月にかけてトルコ実地調査を実施し、3都市でインタビュー調査や資料収集を行った。その中で昨年度再訪する予定であった南東部のC市にも訪問した。2023年2月のトルコ・シリア大地震から半年経っており街中では通常の生活に戻りつつあったが、調査で訪れた団体等の中には事務所の臨時移転や縮小などの対応をしているところがあり必ずしも十分な聞き取りができないなど地震が調査に影響した。また経過を観察すべく再度聞き取りを打診した難民のうち、面談が実現した難民は3人と多くはなかった。他方で過去の調査で得たネットワークを発展させ、新たな難民や団体等への調査を実施することができた。 昨年度までの研究成果の一部は、2023年5月28日に行われた移民政策学会2023年度年次大会(於:明治大学)にて「トルコにおける難民の社会統合:シリア難民の事例を中心に」として発表した。続く2023年9月30日に行われた第180回多文化共創フォーラム「フィールドから多文化社会を考えよう」(主催:多文化社会研究会、於:(公財)人権教育啓発推進センター)では、基調講演 「トルコのシリア難民の社会統合」を行いフィールドワークの成果について発表した。また地理月報No.571(2023年11月)に「トルコのシリア難民の受入れと欧州のウクライナ難民の受入れ」が掲載されたほか、博士人材コンソーシアム主催のシンポジ ウム2023「ブンケイハカセがつくる新しいミライ」(2023年12月11日、於:東京外国語大学)にパネリストとして登壇し、本研究によるフィールドワークの成果の一部を報告した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初の最終年度にあたる4年目の2023度年については、実地調査での地震の負の影響および2023年度後半に体調を崩し療養を余儀なくされた期間があり2回目の実地調査を行う事ができなかった。 これまでの4年間を通じての進捗状況に関しては、1年目の2020年度は予定どおり研究環境の整備とデスクワークに専念し、また3年目の2022年度もトルコでの実地調査を2回行いつつ成果の一部を報告することができたことから、研究はおおむね順調に進んだと考える。一方で2年目の2021年度はコロナ禍のため予定していたトルコでの実地調査を行うことができず、また4年目も先述のとおり一部計画通りに進まなかった部分があった。これらを踏まえるならば、現在までの全体的な進捗状況はやや遅れ気味であると考える。 他方で文献調査およびフィールドワークによる関係者への聞き取り調査により、①トルコ政府の難民政策、および②シリア難民の社会統合について研究を積み重ねてきた。また③難民への支援についても、デスクワークと支援関係者への調査などにより理解を深めてきた。そしてそれらの研究成果を活字および口頭で発表してきたことから、やや遅れているとしつつも同時に成果も生み出してきた。
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Strategy for Future Research Activity |
今後はこれまで得た研究データの分析を進めつつ、不足しているデータについてはトルコで実地調査を行い補うようにしていくこととしたい。またそれと並行して先行研究や既存のデータとの比較・考察も推進することとする。 具体的には、インタビューを行った各難民の背景や生活環境などの文脈の違いを念頭におきつつ聴取内容の分析を行っていく。他の関係者からの聞き取り内容については、トルコ政府の難民政策や社会統合施策の実状を明らかにすべく分析していく。また不足しているデータについては新たに実地調査などを行うなどして補足していくこととする。そして分析結果については既存の研究やデータと比較しながら考察していく。 (研究期間の延長を申請し、研究を継続する許可を得た)
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