Project/Area Number |
20K12390
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 80010:Area studies-related
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Research Institution | Institute of Developing Economies, Japan External Trade Organization |
Principal Investigator |
清水 達也 独立行政法人日本貿易振興機構アジア経済研究所, 地域研究センター, 研究センター長 (00450510)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
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Keywords | ペルー / カカオ / クラフトチョコレート / 農産物輸出 / 代替作物 / チョコレート / コカ撲滅 / ラテンアメリカ / メキシコ / チリ / 青果物輸出 / 産業発展 / 農業 / 輸出 / 青果物 |
Outline of Research at the Start |
近年ラテンアメリカの農産物輸出産業において、持続的な経済成長につながる新たな動きが生まれている。従来ラテンアメリカ諸国の農畜産業は、農地や気候などの天然資源の賦存による比較優位を利用してコーヒー、穀物、食肉などを大量に生産し、国際市場に供給してきた。それに対して近年成長している青果物輸出産業は、生産者から消費者にいたるバリューチェーンを構築して、消費者の需要に合わせて野菜や果物を生産し、市場国の小売店に供給している。 本研究では、近年成長しているペルーの青果物輸出産業を対象とし、バリューチェーンの主体である生産者・輸出業者の経営戦略を分析することで、産業発展の要因やメカニズムを明らかにする。
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Outline of Annual Research Achievements |
昨年から取り組んでいるペルーのカカオ豆生産と、これを加工するカカオ・チョコレート産業の発展に関する研究を進めた。 ブラジルからペルーにかけてのアマゾン地域はカカオの原産地の1つと言われている。しかしペルーで輸出向けのカカオ生産が行われるようになったのは1980年代以降である。違法作物であるコカ(コカインの原料)の代替作物として、国際機関やペルー政府がカカオの導入を進めたが、国際市場におけるカカオ価格が低迷していたことから、それほど増えなかった。2000年代に入り新興国によるカカオ需要の増加により、2020年までの10年間に生産量が約3倍に、カカオ豆と加工品の輸出量が約4倍に増えた。そこで本研究では、生産が増えた要因と、主要な輸出産品が以前のカカオ加工品からカカオ豆(未加工品)にシフトした要因について分析した。 カカオ豆の生産が増えた理由は、国際市場におけるカカオ豆の高騰と、ペルー国内におけるコカ代替開発プログラムによるカカオ豆生産への投資の増大である。輸出のカカオ豆へのシフトについては、一見すると、加工品から未加工品へと付加価値が下がっているようにみえる。しかし、産地から輸出業者までのバリューチェーンやカカオ豆の用途を考慮すると、付加価値が小さい加工品であるカカオバターの輸出から、クラフトチョコレートをはじめとする高級チョコレートの原料(付加価値が大きい未加工品)としての輸出へとシフトしたことがわかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2022年までの調査の結果を英文論文にまとめ、2023年5月にカナダ・バンクーバーで開催された米国ラテンアメリカ学会(LASA)でThe Growth of the Cacao and Chocolate Industry in Peruのタイトルで報告した。また、同様の内容を和文でもまとめ、アジア経済研究所のラテンアメリカに関する情報分析誌『ラテンアメリカ・レポート』40巻1号(2023年7月末発行)で「ペルーにおけるカカオ・チョコレート産業の成長」というタイトルで論考を発表し、8月4日に同誌のオンライン講座で論考の内容を報告した。 2023年8月にはペルーで現地調査を実施した。リマ市では農業省、コカ代替作物プロジェクトを実施するNGO、チョコレート生産企業、カカオ関連の研究に取り組む大学の研究者などを訪問した。加えて、ペルーの伝統的なカカオ豆産地であるクスコ州キヤバンバ市を訪問し、地元の国立大学で開催されたワークショップで報告を行ったほか、カカオ豆生産者、チョコレート生産企業集荷場、協同組合などでヒアリング調査を実施した。
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Strategy for Future Research Activity |
現在は先に報告した英文論文に現地調査で実施した情報を付け加えて改稿中である。ペルーの州ごとのカカオ生産に関する過去のデータがなかなか手に入らないことから、ペルーの大学に所属する研究者に協力を要請している。2024年にもう一度現地調査を実施して足りないデータを補って分析し、論文を完成させ、英文の学術誌へ投稿する予定である。
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