The Evolution of Fresh Fruit Export Industry in Latin America: Strategy for the Sustainable Economic Development
Project/Area Number |
20K12390
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 80010:Area studies-related
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Research Institution | Institute of Developing Economies, Japan External Trade Organization |
Principal Investigator |
清水 達也 独立行政法人日本貿易振興機構アジア経済研究所, 地域研究センター, 研究センター長 (00450510)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
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Keywords | ペルー / カカオ / チョコレート / 農産物輸出 / コカ撲滅 / ラテンアメリカ / メキシコ / チリ / 青果物輸出 / 産業発展 / 農業 / 輸出 / 青果物 |
Outline of Research at the Start |
近年ラテンアメリカの農産物輸出産業において、持続的な経済成長につながる新たな動きが生まれている。従来ラテンアメリカ諸国の農畜産業は、農地や気候などの天然資源の賦存による比較優位を利用してコーヒー、穀物、食肉などを大量に生産し、国際市場に供給してきた。それに対して近年成長している青果物輸出産業は、生産者から消費者にいたるバリューチェーンを構築して、消費者の需要に合わせて野菜や果物を生産し、市場国の小売店に供給している。 本研究では、近年成長しているペルーの青果物輸出産業を対象とし、バリューチェーンの主体である生産者・輸出業者の経営戦略を分析することで、産業発展の要因やメカニズムを明らかにする。
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Outline of Annual Research Achievements |
2022年3月に発表したペルーに関する研究成果の内容を要約した英文のコラムを2022年8月にアジア経済研究所のウェブサイトに掲載した。この研究をベースに、今後はチリやメキシコなどの事例と比較する予定であった。しかしコロナ禍のために調査ができず、比較に必要な情報を得ることができなかった。残りの研究期間が限られていることから、代替案として、ペルーの国内のほかの農産物輸出の成長についての分析を行うことにした。 注目したのは近年輸出が増えているカカオである。ペルーではこれまでも、セルバと呼ばれる熱帯低地の生産者がカカオを生産し、国内の業者がカカオマスやカカオバターに加工して輸出してきた。2010年代から生産が大きく増加しただけでなく、これまでの加工品輸出からカカオ豆輸出へとシフトしている。そこで、なぜ生産が増加したのか、そして、なぜ輸出がより加工度の低い産品になったのかを明らかにするために調査と分析を進める。 これまでの調査により、世界レベルでのカカオ・チョコレート産業の構造変化に、ペルー特有の要因が重なったことで、カカオ豆の生産と輸出が増加したと考えられる。産業の構造変化としては、従来とは異なる需要が増えていることが挙げられる。具体的には、クラフトチョコレートの原料として用いられる味や風味を重視した「フレーバー豆」や、労働者の人権や産地の環境への配慮、有機栽培などに関する認証を受けたカカオ豆への需要である。ペルー特有の要因としては、コカインの原料となるコカの違法栽培を撲滅するために進められた、コカ代替作物プログラムによるペルー政府、外国の援助機関、国際機関による支援の増加が、カカオ豆の栽培拡大を促した。また、国内の零細小規模企業によるクラフトチョコレートの生産拡大もこれに寄与している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
コロナ禍で調査ができなかった事から、分析対象をチリやメキシコの生鮮果物・野菜から、ペルー国内のカカオに変更した。そのため、カカオやチョコレート産業に関する基礎情報や先行研究の収集、分析に時間がかかっている。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでに明らかになった事実や考察を論考にまとめ、アジア経済研究所のラテンアメリカに関する情報誌『ラテンアメリカ・レポート』の2023年7月末発行号に掲載する準備を進めている。また、同様の内容を英語の論文にまとめ、2023年5月にカナダ・バンクーバー市で開催される米国ラテンアメリカ学会年次総会の「ラテンアメリカ農業とネオリベラル・キャピタリズム」の分科会で報告する。 調査に関しては、引き続き文献調査を行うほか、カカオ・チョコレート産業の構造を把握するために日本国内でカカオ豆を加工する企業への聞き取り調査を検討している。また、2023年8月にペルーで現地調査を実施し、首都リマのカカオ豆加工企業のほか、前年とは異なるカカオ豆の産地(北部ピウラ州、南部クスコ州)を訪問し、生産者や協同組合を対象に聞き取り調査を行う予定である。2022年2月にアジア経済研究所に客員研究員として滞在したペルー・サンマルコス大学のエリック・レンドン教授の協力を得て準備を進める。
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Report
(3 results)
Research Products
(9 results)