Project/Area Number |
20K12417
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 80020:Tourism studies-related
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
有田 理佳 (山本理佳) 立命館大学, 文学部, 教授 (70708073)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥2,080,000 (Direct Cost: ¥1,600,000、Indirect Cost: ¥480,000)
Fiscal Year 2022: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2021: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
Fiscal Year 2020: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
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Keywords | ガイドツアー / 企業城下町 / 文化遺産研究 / ヘリテージ / 近代産業遺産 / 旧産炭地域 / リズム分析 / 産業観光 / 観光空間と産業 / 観光ボランティアガイド / まちあるき(まち歩き) / パフォーマンス理論 / 日本遺産 / まちあるき / 産業遺産 / 観光実践 / 地域住民 |
Outline of Research at the Start |
本研究は、地域住民によるガイドツアーに着目し、それ自体が現代の観光現象を形作る重要な局面であることを、産業遺産を事例に実証的に示すことを目的とする。そのためにまず、各地域での地域住民によるガイドツアーの実施実態について明らかにする。さらにその地域住民によるガイドツアーという局面で、いかに観光の具体的対象が決定され、またその対象の価値や意義が創出されているのか、その詳細な実態をとらえる。総じて、現代の観光においては、この地域住民によるガイドツアーがいかに重要度を増しつつあるかを、観光研究の中に明確に位置付けたいと考える。
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Outline of Annual Research Achievements |
2023年度は、福岡県大牟田市、熊本県荒尾市、そして北海道赤平市において、ガイドツアーの同行調査とガイド者へのインタビュー調査、また一部ガイドツアー参加者(観光客)へのヒアリング調査を実施した。3地域において大変協力的な対応をいただき、ガイド者約40数名のインタビュー、および30件程度の同行調査データを集めることができた。ただし2023年度は調査実施を優先して行ったため、これら貴重な現場データの分析は2024年度に行う予定であり、その成果は学会報告と論文執筆において発表する。いずれも本研究が意図したガイドツアーの極めて多様な現状を明示しうるものであり、より充実した分析と研究発展を可能にするものであるとみる。 また、昨年度の文化遺産理論に関する翻訳出版に引き続き、文化遺産理論に関する研究会も継続し、自身の研究における文化遺産理論の進展をはかるとともに、日本における文化遺産研究そのものの議論の発展・深化をすすめていくべく、学会でのシンポジウム開催も企画した。2024年度の観光学術学会で実施する予定にしている。 本研究に関わる成果による2023年度内の実績として、3点の書籍内論考を執筆した。とくに2024年3月刊行の『日本の都市地理学研究』(阿部和俊編著、古今書院)における「企業城下町」をテーマとする論考を寄稿した。これまで文化地理学的枠組みの中での産業遺産研究を進めてきたが、都市地理学・経済地理学的な領域で進められてきた「企業城下町」研究をレビューしつつ、そこに影響しつつもある文化的諸側面を位置づけた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2023年度は調査地域の協力もあり、おおよそ目的としたガイドツアーの多様な様相を調査することができた。データの内容としては、意図した分析を行うに十分な調査を行うことができている。ただし、コロナ禍で難航した調査地との協力交渉の影響により、いずれもが旧産炭地域という産業種の偏りといった課題も残った。そのため、海外もしくは国内の他地域事例との比較にもとづく分析も意図して、2024年度までの継続を申請した。理論的枠組みの進展とそれにもとづく分析枠組みの深化もはかりつつ、2024年度の継続調査・研究を行う。
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Strategy for Future Research Activity |
2024年度は、①調査の分析とその成果発表、②比較研究のための追加調査を予定している。 ①について、既に2024年5月の歴史地理学会でのシンポジウム発表にエントリーしており、また2024年7月の観光学術学会のシンポジウムのコーディネーターとして登壇予定である。その他、歴史地理学会学術誌および大学紀要などへの論文投稿を予定している。 ②については、文献による調査、海外視察、あるいは国内他地域(軽工業都市、重工業都市、金属鉱山都市など)でのヒアリング・同行調査のいずれかで実施を予定し、本研究の地域・産業種の偏りを補いつつ、研究成果をまとめていく予定である。
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