Project/Area Number |
20K12581
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 90030:Cognitive science-related
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Research Institution | Aichi University |
Principal Investigator |
井藤 寛志 愛知大学, 文学部, 教授 (20464141)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,030,000 (Direct Cost: ¥3,100,000、Indirect Cost: ¥930,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,950,000 (Direct Cost: ¥1,500,000、Indirect Cost: ¥450,000)
Fiscal Year 2020: ¥260,000 (Direct Cost: ¥200,000、Indirect Cost: ¥60,000)
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Keywords | 自動的模倣 / ミラーニューロンシステム / 同調 / 認知心理学 / 無意識的模倣 / 近赤外分光法 |
Outline of Research at the Start |
「意図や理由がよくわからない無意識的な行動はなぜ起こるのか?」という疑問は行動科学に関する研究の中心にある。特に、ヒトはよく他者の姿勢やしぐさ、表情、動きの速さなどを気づかずに真似していることが知られている。近年、このような相手の非言語的な行動への無意識的な模倣が、他者とのより良い共感的なコミュニケーションにおいて重要な機能の1つを担っていることが明らかになってきている。しかし、そのメカニズムは十分に明らかにされていない。そこで本研究では、認知心理学実験を用いて運動への無意識的な模倣を引き起こす要因を特定し、さらに、脳機能イメージングの技法を組み合わせ、その脳神経基盤の解明を目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
令和5年度は主に,他者が腕を使って連続的にキーを押す系列動作を観察し遂行する課題を用いて,身体運動への無意識的な模倣の心的メカニズムとその脳神経基盤を検証可能な実験課題の確立を目指した。研究の具体的な内容を以下に示す。 まず観察運動課題の実施中に実際の他者の存在が与える影響について本実験を実施した(実験参加者数:90名)。観察運動課題とは,手指の細かな運動を用いた多くの先行研究とは異なり,腕全体を使用する連続的な動作を観察後に,視覚提示される手がかり数字によって指示された左からの順で”1”から”3”の反応キーをできるだけ早くかつ正確に押すという課題である。一致条件では,実験参加者はモデル人物の動作を模倣するようにして数字を順に押すことを求められる。これに対して不一致条件では,実験参加者は観察した動作の順序とは異なる順序で反応キーを押すことを求められる。令和3年度の研究において,無意識的に思わず観察した動作に同調してしまう自動的模倣が生じ,不一致条件の反応時間が一致条件のそれよりも遅くなることは確認している。令和5年度は,この結果がモデル人物が実際のヒトである条件下においても再現されるのか否かを検討するために3種類の本実験を実施した。本実験の結果は、Ito (2023)として海外英文誌に掲載済みである。また,同課題における問題点として,空間的適合性の混入問題が考えられるため、その改善に向けて実験課題の修正を行った。その修正課題に基づき、生理実験の準備を進めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初の研究計画において、令和5年度に実施予定であった観察遂行課題の改良とそれに伴う行動実験を実施し、それらの成果を論文として公刊することができた。しかしながら、本課題を用いた生理実験を実施することができなかった。理由として、fNIRS装置を入手し実験環境を整えることができたが、研究代表者が以前使用していたfNIRS装置と異なり、初めて使用する装置のため本装置の習熟に時間を要しているためである。
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Strategy for Future Research Activity |
令和6年度は、改良が終わった観察遂行課題を使用して、運動への模倣中の脳活動を計測する実験を実施する。その実験の結果に基づいて問題点の改善を行い、2名同時計測の実験の準備を進める。そして、令和6年度の後半には、観察遂行課題を対面で実施し、fNIRS装置の計測チャンネルを2名の頭部に分割して配置し、二者間で模倣している時の脳活動を同時計測する。
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