• Search Research Projects
  • Search Researchers
  • How to Use
  1. Back to previous page

笑顔の進化と発達: 対他者関係の比較認知発達科学

Research Project

Project/Area Number 20K12582
Research Category

Grant-in-Aid for Scientific Research (C)

Allocation TypeMulti-year Fund
Section一般
Review Section Basic Section 90030:Cognitive science-related
Research InstitutionChubu University

Principal Investigator

川上 文人  中部大学, 人文学部, 准教授 (80723064)

Project Period (FY) 2020-04-01 – 2025-03-31
Project Status Granted (Fiscal Year 2023)
Budget Amount *help
¥4,550,000 (Direct Cost: ¥3,500,000、Indirect Cost: ¥1,050,000)
Fiscal Year 2024: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2023: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2022: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2021: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2020: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Keywords微笑 / 表情 / コミュニケーション / 乳児 / チンパンジー / 非言語 / 社会性 / 感情 / 非言語行動 / 笑顔 / 乳幼児
Outline of Research at the Start

笑顔を基礎とした対他者関係の成り立ちについて,ヒトとチンパンジーを対象に観察と実験によって明らかにする。具体的には,(a)乳児における笑顔の初期発達: 自発的微笑と社会的微笑の関係をさぐる縦断的観察,(b)飼育下チンパンジー群れの笑顔観察: 母子間の笑顔共有はあるのか,(c)笑顔の伝播: ヒト乳児-養育者間の対面実験,チンパンジーに対する笑顔画像呈示実験,(d)表情弁別実験: ヒト,チンパンジーは笑顔に敏感でありうるのか,という4つの研究である。

Outline of Annual Research Achievements

(1)研究の目的: ヒトはどのように笑顔を使い,その笑顔はどのように社会的な生活に影響を与えているのであろうか。本研究の目的は,笑顔をもちいた乳幼児と他者とのコミュニケーションの進化と発達を観察と実験から詳細に検討し,その背後にある社会的な認知能力について探ることである。「乳児における笑顔の初期発達」,「飼育下チンパンジー群れの笑顔観察」,「笑顔の伝播」,そして「表情弁別実験」という4つの視点から笑顔を体系的に理解し,何がヒト固有の能力であり,なぜそのような違いが生まれたのか考察していく。
(2)成果の具体的内容: 「乳児における笑顔の初期発達」について,データ収集とこれまでに収集したデータの分析をおこなった。ヒト乳児については家庭にビデオを配付し,睡眠中の自発的微笑と覚醒中の社会的微笑の撮影を依頼した。「飼育下チンパンジー群れの笑顔観察」については,これまでに収集したデータの分析をおこなった。
(3)意義と重要性: ヒトにとって日々の生活の中で頻繁に表出し,見る機会のある笑顔は,あまりに一般的であるため,実は謎が多く残されていることはそれほど知られていない。笑顔について進化と発達の視点から探った研究が少ないのが現状である。どのように笑顔を対他者関係の中で使い,それがどのくらい社会関係の維持に寄与しているのだろうか。とくにヒトの場合,笑顔が快感情をともなう場面にのみ表出されるわけではないことは確かではあるが,笑顔を探求することは,ヒトやチンパンジーを含む動物にとって,よりよい環境を築く足がかりとなると考えられる。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

「乳児における笑顔の初期発達」,「飼育下チンパンジー群れの笑顔観察」,「笑顔の伝播」,そして「表情弁別実験」という4つの視点のうち,2023年度は前年度に引き続き「乳児における笑顔の初期発達: 自発的微笑と社会的微笑の関係をさぐる縦断的観察」に重きをおいた。睡眠中に生じる自発的微笑と覚醒中に生じる社会的微笑を同じ参加者内で縦断的に観察することにより,2つの微笑の関係を明らかにすることが目的であった。ヒトについては家庭において実験的観察をおこなった。家庭にはビデオを配付し,生後2週から24週を期間として,縦断的に笑顔の頻度を計測している。自発的微笑の撮影については,24週以降も撮影を継続し,これまでに前例のない自発的微笑にかんする5年間の長期縦断観察となった。自発的微笑は発達の最初期からみられるが,のちに覚醒中に他者に対して向けられる笑顔である社会的微笑に取って代わられると考えられてきた。しかし,自発的微笑は社会的微笑がみられる時期になっても継続的に表出されることが示されはじめており,その2つの笑顔の関係が不明瞭になっている。本研究ではその2つの笑顔の関係性を探っている。
「飼育下チンパンジー群れの笑顔観察: 母子間の笑顔共有はあるのか」は充分なデータが収集されたため,撮影済みであったビデオデータの分析をおもな活動とした。
データの分析は順調に進めているものの,成果発表に至っていないため,進捗状況としては「やや遅れている」といえる。

Strategy for Future Research Activity

「乳児における笑顔の初期発達」,「飼育下チンパンジー群れの笑顔観察」,「笑顔の伝播」,そして「表情弁別実験」という4つの研究について,それぞれ検討していく。「乳児における笑顔の初期発達」については,データ収集を継続しながら分析を進め,早期の成果発表につなげる。現在観察を実施している1事例については,24週以降も観察継続が容易な状況にあり,長期の縦断研究を予定している。「飼育下チンパンジー群れの笑顔観察」については,データ分析を継続し,成果発表の目処をつける。「笑顔の伝播」について,ヒトは家庭にビデオカメラを配付し,母子間の「高い高い」場面を含む遊び場面を撮影してもらう計画である。チンパンジーについては京都大学ヒト行動進化研究センターにおける視聴覚刺激呈示による実験を想定していたが,その体制変化もあり計画は縮小する可能性が高い。「表情弁別実験」は,ヒト行動進化研究センターでチンパンジーを対象とした表情弁別実験を実施し,同じデータをヒトでも収集し,比較する計画であった。こちらについても「笑顔の伝播」と同様の状況が生じている。チンパンジーを対象とした実験は本課題において非常に重要なものであるが,情勢を考慮すると,それらの実施が不可能でも全体の目的が達成されるよう計画を変更する必要がありそうである。幸い,本課題で想定している4つの研究はそれぞれが自立するものであり,研究上の意義は,観察研究のみでも十分に深いものであるといえる。引き続き,可能な範囲での研究実施をめざす。

Report

(4 results)
  • 2023 Research-status Report
  • 2022 Research-status Report
  • 2021 Research-status Report
  • 2020 Research-status Report
  • Research Products

    (3 results)

All 2022 2021 2020

All Journal Article (2 results) (of which Peer Reviewed: 2 results,  Open Access: 1 results) Presentation (1 results)

  • [Journal Article] Do chimpanzees see a face on Mars? A search for face pareidolia in chimpanzees.2022

    • Author(s)
      Tomonaga, M. & Kawakami, F.
    • Journal Title

      Animal Cognition

      Volume: 26 Pages: 885-905

    • DOI

      10.1007/s10071-022-01739-w

    • Related Report
      2022 Research-status Report
    • Peer Reviewed
  • [Journal Article] Body perception in chimpanzees and humans: The expert effect2020

    • Author(s)
      Gao Jie, Fumtio Kawakami, & Masaki Tomonaga
    • Journal Title

      Scientific Reports

      Volume: 10 Issue: 1 Pages: 7148-7148

    • DOI

      10.1038/s41598-020-63876-x

    • Related Report
      2020 Research-status Report
    • Peer Reviewed / Open Access
  • [Presentation] 自発的微笑と社会的微笑の縦断的観察IV2021

    • Author(s)
      川上文人
    • Organizer
      日本発達心理学会第32回大会
    • Related Report
      2020 Research-status Report

URL: 

Published: 2020-04-28   Modified: 2024-12-25  

Information User Guide FAQ News Terms of Use Attribution of KAKENHI

Powered by NII kakenhi