Project/Area Number |
20K12787
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 01010:Philosophy and ethics-related
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Research Institution | Kumamoto Gakuen University (2022-2023) Gakushuin University (2020-2021) |
Principal Investigator |
渡邊 裕一 熊本学園大学, 経済学部, 准教授 (60848969)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2022: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
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Keywords | 啓蒙思想 / 近世イギリス哲学 / 人権思想 / 自然法と実定法 / 刑罰正当化論 / 受刑者の法的地位 / 拷問禁止 / 刑罰の目的 / 抑止刑論 / 応報刑論 / イギリス哲学 / 刑罰論 / 自然権 / 功利主義 |
Outline of Research at the Start |
本研究では、西洋の近世哲学における「刑罰の哲学」を主題とする。刑罰の歴史を簡潔に概観するならば、自由や人権という価値が社会的了解を得るに従い、残虐性を減じ、人道上の配慮を拡大させたという傾向が認められる。 従来の哲学史理解では、刑罰への人道的配慮という主題は、功利主義思想が開花する18世紀後半(西洋近代)において表舞台に現れる。しかし、西洋哲学の歴史において、自由や人権という価値の基盤は、それに先立つ近世の自然権思想が切り拓いてきた。 そこで本研究は、自然権思想を胚胎させた近世から功利主義思想が隆盛する近代までの「刑罰の哲学」が、自由や人権の思想といかにして関連しているのかを探究する。
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Outline of Annual Research Achievements |
17世紀イングランドの哲学者ジョン・ロックは、今日の人権思想を基礎を築く一翼を担った目される。それは、万人が生まれながらに平等な自然権を有していると主張したことに基礎づけられている。しかし、実際のところロックは、徹底した人権思想の擁護者とは言えない側面も持つ。それは、著書以外の彼が著した未刊行論文や書簡の中に見て取ることができる。例えば、若き日に友人へ宛てた書簡では、少数派の宗派を信仰する人々(例えばクェーカー信徒)への蔑視や異端視が見られるし、ロックが部分的に関与したとされる『カロライナ憲法草案』では、封建的な身分制秩序とそれに基づく政治的支配を容認するだけでなく、当時のアメリカ植民地へ送り込まれた黒人奴隷を、当然のこととして受け入れている。こうした姿勢は、ロックの思想と実践との乖離として批判されてもやむを得ないだろう。 しかし、そうした倫理的批判は免れないとしても、なぜそのような乖離が生じたのかという説明は、当時の歴史的文脈やロック自身の伝記的文脈のなかで検証される必要がある。2023年度は、主に書簡や未刊行論文によって、そうした歴史的・伝記的文脈のなかでロックの人権思想を捉え直すことを試みた。特に、若き日のロックは初代シャフツベリ伯爵(アンソニー・アシュリー・クーパー)に侍しており、その主従関係のもとで、学問的な研究だけでなく、政治家であるシャフツベリ伯爵のもと政治・行政・経済にかかわる秘書的任務を遂行していた。そのため、シャフツベリ伯爵とロックとの往復書簡や、シャフツベリ伯爵がロックに命じて取り組ませた仕事(業績)を検討・分析することに注力した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
いわゆるコロナ禍にあたった2か年度に所属先の業務(遠隔授業のためのインフラ整備と支援)が多忙を極めたことで、その期間はほぼ研究が停滞したため。 またその後、研究機関の異動があり、教育や校務に習熟するために十分な研究時間を確保することが難しかったため。 さらに、別の研究課題(科研費の分担課題を含む)とのエフォート分担が難しかった部分もあり、コロナ禍に関わる遅延に加えて、当初予定よりも遅延している状況にある。
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Strategy for Future Research Activity |
研究計画の遅延を踏まえて、史資料の収集と管理に優先的に取り組む。書簡や未刊行論文については、現地(主にイギリス)へ出向く機会を確保する必要もあると考える。 また、研究成果の公表を見据えて、公表の機会となり得る学会等の研究大会へ参加する。 さらに、別の研究課題において類似した分野(広く政治哲学)を担っているため、本研究課題と当該研究課題との相乗効果を発揮できるよう、具体的な課題設定を細かい点で見直すこととする。
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