Project/Area Number |
20K12800
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 01010:Philosophy and ethics-related
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Research Institution | Maizuru National College of Technology |
Principal Investigator |
山根 秀介 舞鶴工業高等専門学校, その他部局等, 准教授 (30795456)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥2,080,000 (Direct Cost: ¥1,600,000、Indirect Cost: ¥480,000)
Fiscal Year 2021: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
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Keywords | ウィリアム・ジェイムズ / シャルル・ルヌヴィエ / 西田幾多郎 / 宗教学 / カント / 批判哲学 / 多元論哲学 / 多神教 / ジャン・ヴァール / フランシス・ハーバート・ブラッドリー |
Outline of Research at the Start |
本研究は、ウィリアム・ジェイムズの多元論を、シャルル・ルヌヴィエの哲学と比較することによってより一層深く理解しようとする試みである。ジェイムズは西洋思想の主流を占める一元論に抗して多元論を提示した数少ない哲学者の一人である。そのジェイムズが自らの多元論の形成においてルヌヴィエの影響を極めて強く受けていることはよく知られたことであるが、その内実を綿密に検討したものは全く存在しない。本研究はそのような検討を行う初めての試みであり、それを通して、いまだ十分に理解されていないジェイムズの多元論哲学を発想源から捉え直してその全体像と独自性を示そうとするものである。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、ウィリアム・ジェイムズの多元論哲学を、シャルル・ルヌヴィエの哲学と比較することによってより一層深く理解することである。2023年度はルヌヴィエの主著である著『一般的批判』の『第一試論 一般論理学及び形式論理学概論』の読解に取り組み、彼の哲学の基盤である表象主義とカテゴリ論を、カントの認識論との比較において検討した。それにより、ルヌヴィエはいかなる意味でカントを継承し、いかなる意味でカントを乗り越えようとしたのかを明らかにすることができた。そしてこの成果を京都ヘーゲル読書会令和5年度冬期研究例会で「シャルル・ルヌヴィエのカント批判」として発表した。 またジェイムズに関して、主に2つの研究を行った。1つは彼の宗教経験論をプラグマティズムの観点からとらえなおすことで、宗教学の学問性、客観性について考察するものであり、これは東京で開催されたInternational Association for the History of Religionsのシンポジウムで発表した後、日本宗教学会の英文機関誌Religious Studies in Japanに論文化して投稿した。 2つ目はジェイムズと西田幾多郎と比較検討である。両者の比較はこれまで純粋経験論に関して行われることが多かったが、本研究は西田にも色濃く見られるプラグマティズム的な側面に注目した。これをボストンで開催されたSociety for the Advancement of American Philosophyで発表した。この研究は論文化して海外誌に投稿する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2023年度はルヌヴィエ、ジェイムズ、それぞれの研究をある程度行うことはできたが、両者の比較研究を行うことがあまりできなかった。ルヌヴィエのテキスト読解、とりわけ『一般的批判』の『第一試論 一般論理学及び形式論理学概論』の読解に時間がかかったことが主な原因である。
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Strategy for Future Research Activity |
2024年度は最終年度であるため、これまでの研究成果を利用してジェイムズとルヌヴィエの比較研究を改めて行い、両者の哲学的な関連の解明にある程度の目途をつけたい。その際、これまでにほとんど手が付けられていない、両者の実践哲学の検討を中心に行う予定である。また両者の往復書簡を日本語に翻訳して何らかの仕方で公表することを考えている。
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