アクシオン・フランセーズとキリスト教知識人―宗教思想を通じた政治思想の再解釈
Project/Area Number |
20K12837
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 01040:History of thought-related
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Research Institution | University of Shizuoka (2023) Morioka College (2020-2022) |
Principal Investigator |
西村 晶絵 静岡県立大学, 国際関係学部, 講師 (40843800)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥2,210,000 (Direct Cost: ¥1,700,000、Indirect Cost: ¥510,000)
Fiscal Year 2022: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2021: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2020: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
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Keywords | アクション・フランセーズ / キリスト教知識人 / フランス極右政治思想 / アクシオン・フランセーズ / ポール・クローデル / ジャック・マリタン / アンドレ・ジッド / シャルル・モーラス / キリスト教思想 |
Outline of Research at the Start |
本研究は、1890年代半ばから1930年代初頭のフランス政治思想に関し、キリスト教知識人たちから示された、極右政治思想団体アクシオン・フランセーズ(AF)に対する反発や接近の立場を、彼らの宗教思想をもとに解き明かそうとするものである。政治思想史の文脈から捨象されてきたキリスト教知識人たちを俎上に載せ、極右政治思想に対する彼らの思索の特質を解明することで、AF対左派という当時の政治思想をめぐる従来の認識を刷新することが最終的な狙いである。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、1894年のドレフュス事件以降、国粋主義的ナショナリズムを煽り、フランス社会で台頭した極右政治思想団体のアクシオン・フランセーズ(AF)とキリスト教知識人たちの関係性に注目し、その接近や反発、離反の具体的様相を明らかにしようとするものである。 本年度は、これまでの研究内容の総括として、AFの中心的存在であったシャルル・モーラスとアンリ・マシス、プロテスタントのアンドレ・ジッド、そしてカトリックの知識人のクローデルとマリタンに関し、各々のキリスト教思想の連関を整理しつつ、AFを軸として浮かび上がる彼ら知識人たち相互の関係性や、各々の政治的・宗教的立場の特異性を検討した。 その結果明らかになったのは、彼らの政治思想における宗教観の密接な結びつきである。従来の研究では、政治的立場の懸隔が彼ら相互の関係性として説明されるものと見なされてきた。しかしながら、1905年成立の政教分離法に見られるように、当時のフランス社会においては、政治をめぐる議論に際して、宗教が一つの重要な争点とされていた。こうした時代背景を踏まえ、知識人たちの政治思想の特徴を再検討するならば、そこには宗教(キリスト教)を巡る立場・思想が反映されていることが指摘できる。「カトリック」や「プロテスタント」といった宗派に還元され得ないキリスト教を巡る思索のうえに各知識人たち固有の政治的立場が成り立っていたことを明らかにした。 なお、本年度は、前年度まで新型コロナ・ウィルス感染症の影響で控えていた渡航が可能な状況になったため、上記研究の遂行のため、フランス国立図書館での資料収集を行った。それを本年度の研究成果として論文一本にまとめ公表した。また、研究期間全体を通じては、3本の論文と一編の著作を公にした。
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Report
(4 results)
Research Products
(4 results)